撮影日:2017年6月14日 昇苑くみひも 宇治本店にて
4月から京都府のキャンペーン「お茶の京都」がはじまったこともあり、近頃「宇治茶」が注目されているようです♪ 宇治茶の本場「宇治」は、宇治茶カフェなど新しいスポットが続々とオープン。京都の中でも特に活性化しているなぁと感じるエリアです。そんな注目スポット「宇治」は、宇治茶のほかにもいろいろな楽しみがあります。
本日訪れたのは、こちら「昇苑くみひも」さん。1948年に宇治で創業し、伝統的な手組の技術を守り続けながら、現代の生活スタイルに沿う新アイテムの開発にも余念がない、新進気鋭の京くみひも屋さんです(もちろん、機械組も導入されています)。こちらの町家で手組を体験できるということで、デスクスタッフの「かりー」さんと一緒に行ってきました♪
角台をつかって、組紐の手組体験スタート!
町家のなかは販売スペースとなっていて、その一角に「角台」と呼ばれる組紐の台が用意されていました。右下の写真は「丸台」と呼ばれる台で、どちらも一般的な手組の台です。今回の体験では、組み上がりがよく見えるということから、左の角台を使用しました。
利休・朱・赤・水色・紫・ピンクの6色から糸が選べ、かりーさんが赤を、わたくし、「みさご」は水色の糸をチョイス。そして、体験スタートです!
右・左、作業はリズミカルに♪
四角の盤上には、白い糸の束が4組、赤い糸の束が4組。それぞれ先端には「玉」と呼ばれる重りが付いていて、この重りが糸を引っ張ってくれるので、適度な力で糸が組まれていくようになっています。
白い糸は右回りに、色つきの糸は左回りに動かして、糸を組む。・・・そうは聞いたものの、うまく手が動きません。「白は右、赤は左・・・」かりーさんの呪文のようなつぶやきを聞きながら、私も必死に右・左、右・左・・・と糸を動かしていきます。
最初は考えながらたどたどしく動かしていたのですが、しばらくすると慣れてきて、リズミカルに手が動くようになります。カシャカシャと玉がぶつかる音が心地よく、いつのまにか、私もかりーさんも黙々と作業に集中していました。
「足を崩して楽な姿勢でやってくださいね♪」タイミング良く声をかけてくださる先生の心遣いが、嬉しい限り・・・ 組み間違えても、先生がいるので安心して進めていけます。今回作るのはストラップとキーホルダー。15cmほどの長さの組紐を2本、組み上げました。
変幻自在! 組み方次第で模様が変わる!
これ、わかりますか? 上半分と下半分で、ひもの組み方が違っています。どちらも同じ糸を使った丸紐の「江戸打」という組み方なのですが、上の方が、私たちが今回体験した「タテワケ」という組み方。下半分は先生が組んでくださった「タヅナ」という組み方で、綱のようになっています。
同じ台で同じ糸を使っても、組み方が違うとこんな風に模様が変わってくるのです。組紐の模様って、本当に組み方を変えてできるものなのですね! ただ糸を動かす、それだけのことなのに・・・ 組紐の世界、奥深いです!
自分で作った組紐は、愛着もひとしお・・・
そして、じゃじゃん♪ 組紐ストラップとキーホルダー、完成しました! ストラップには先端にオダマキを、キーホルダーには金具をつけていただいて、その場ですぐに出来上がります。体験の所要時間は1時間から1時間半ほど。ほんとうに、あっという間に時間が経ってしまいました!
ちなみに、左側の帯締めは、角台で糸の玉が8つという、今回の体験と同じ条件で作られたもの。こんな素敵な製品が、手組で作られているんですね・・・ 真ん中の帯締めは「ハナミズキ」という名で、模様がお花になっています。名前も素敵ですねぇ。。。
右側の「京くつひも」は、5月に発売されたばかりの新作です! くつひもに着目されるアイデアが、ナイスです! 私も早速、購入しました♪
実際に手組を体験してみると、組紐がどんな風にできているのかがわかり、培われてきた技術のすごさを実感しました。そして、大切に作られてきたものなのだなぁ、と愛おしさが涌いてきました。皆さまも宇治観光の際には、ぜひ伝統工芸の体験もされてみてはいかがでしょうか♪