大人気! “鉄ちゃん”が飛びつく宇治のパン屋さん

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パン
 

 

パンの消費量が全国一位の京都。そんなパンを愛してやまない京都で、“鉄ちゃん(鉄道マニアの愛称)が飛びつくパン”が売られていると聞きつけ、私“ち~たら”と“牛若丸”さん(ブログ初登場!)で取材に行ってきました。噂のパンが売られているというお店は宇治にある「手づくりパンの店 ぶんぶん」。いったい、どんなパンなのでしょうか?


パン屋なのに、憧れの運転手さんになれる?!


運転席

さっそくお店へ入ると、ご主人の原田さんが「いらっしゃいませ!」と明るく登場。牛若丸さんと「わ~、焼きたてのパンのいい香りがしますね~♪」と言いながら店内を見回すと、気になるものを発見しました。ん? これってまさか、電車の運転席? しかも、横にはちゃんと信号機もあるではないですか! あれ、ここってパン屋さんでしたよね・・・?


ち~たら「あの~、この運転席はいったいどうされたんですか…?」


原田さん「あ、その運転席は私が作ったんです」


ち~たら「て、手作りなんですか!? それにしても、かなり凝っていますよね・・・ ジオラマもありますし」


原田さん「イスと運転台と信号機は本物ですね。信号機は手動で色を変えられるように、自分で配線をしました(笑) 運転台で操縦したら、ジオラマの中の電車も動かせますよ。運転してみはります?」


ジオラマ

というわけで、(取材を忘れて)牛若丸さんが運転にチャレンジすることに。なんと、こちらのジオラマも原田さんの手作りというので驚き! 手先が器用すぎます・・・。操縦すると「観光特急 しまかぜ」が街中を走り抜け、まるで運転手さんになった気分♪ 「これリアルやわ~!」と大興奮の牛若丸さん。ミニチュアの建物ひとつひとつをじっくり見ていると、「あ! 『ぶんぶん』がある!」。なんと、お店を発見しました! さらによく見ると、お店の窓に「パート募集」のチラシが貼られているという細部へのこだわりが、なんとも可愛らしい。運転したい方は、パンを購入すると5分間操縦できますよ。


マニアにはたまらない! お宝まみれの店内


コレクション

その他にも、国鉄時代の行先標、車掌帽子、「寝台特急 あかつき」のヘッドマーク、ミニチュアの電車など、レトロ感ただよう原田さんのコレクションがずらり。天井には、「ぶんぶん」の広告がはめ込まれたつり革がぶら下がっています。気になって掴もうとしたところ、「そのつり革、ちゃんと留めてへんから、掴んだらすぐ外れるので危険ですよ(笑)」と原田さん。皆さん、倒れそうになっても、このつり革だけは掴まないようにしましょう・・・。


ち~たら「ここにあるコレクションは、全て原田さんが集められたのですか?」


原田さん「はい、ほぼ自分で集めました。お客さんからのいただきものもありますけどね。ここに置いてある他にも…」


と言いながら、奥からゴソゴソと「寝台特急 あかつき」の電動方向幕を出してきてくださいました。店頭に並べられている他にも、まだまだたくさんのお宝があるようです。少し前までは電動の方向幕が一般的でしたが、最近ではデジタル表示タイプが多くなってきました。時代の流れを感じますね~。横につけられた取手をクルクル~と回せば表示幕がどんどん変わっていくので、牛若丸さんもいろんな表示を楽しんでいました。


子供から大人まで大人気の「電車・バスのパン」


原田さんのコレクションに夢中になりすぎてすっかり本題を忘れていましたが、今回伺ったのは“鉄ちゃんが飛びつくパン”の取材です(ここがパン屋さんということも忘れていました)。そのパンというのがこちら、「電車・バスのパン」(各253円)!


電車パン1

たっぷりのクリームを、ふかっとした食感のパンでサンドしたこちらのパン。一見、すごく甘そうに見えますが、クリームは甘すぎず、意外とシンプルな味でとても美味しいんです♪ 中のクリームは、カスタードやいちご、抹茶など、電車やバスの種類によって変わります。写真だと小さめに見えますが、実際はかなり大きいので、ひとつでもお腹いっぱいになっちゃいます。この「電車・バスのパン」シリーズは、主要な幹線から、ローカル線の電車まで多く揃っているため、ちびっ子はもちろん、大人からも「可愛い! そっくり!」と大評判。鉄ちゃんもよく買いに来られるそうです。それぞれ何の電車・バスをイメージしているか、分かりますか?(※「電車・バスのパン」は、通常、日替わりで4~5種類が店頭に並びます。)


「電車・バスのパン」が生まれたきっかけは?


電車パン2

きっかけとなった「電車パン」。中にはチョコクリームがぎっしり


見れば見るほどカラフルで可愛い「電車・バスのパン」。そもそも、なぜこのパンを作り出したのでしょうか。きっかけを伺ってみました。


ち~たら「なぜこのパンを作ろうと思われたのですか?」


原田さん「3年ほど前、ある鉄道会社の方が来られて『イベントで売りたいから、電車パン作ってくれへんか』と頼まれたのが始まりやったんです。それで作ったのが、これ(写真)なんです。最初はこのひとつだけでした」


ち~たら「なぜこんなに種類が増えたのですか?」


原田さん「その鉄道会社の方がまたお店に来られて、『もっと数を増やしてお店で売ったらどうや』と。販売を始めたらとても好評で、次第にお客さんから『この電車作って!』とリクエストをいただくようになって、作っていたらいつの間にかこんなに種類が増えていました(笑) 今は全部で30種類ありますけど、新しいリクエストが入ったらまだまだ増えていきますよ」


依頼がきっかけで生まれたこのパン。確かに、こんなにそっくりな仕上がりを見ると、自分のお気に入りの電車もリクエストしたくなっちゃいますよね。人気がでるのも頷けます。


細かいパーツには秘密道具を


道具

「電車・バスのパン」作りで必要な道具たち


「電車・バスのパン」の魅力は再現性の高さ。窓やライト部分の細かいパーツにとてもこだわりがあり、さまざまな道具を駆使して作られています。型抜きにめん棒、スライサーに・・・ ん? この四角い棒(写真右下)はなに? 実はこの棒こそが、細かいパーツを作るのに超重要な道具なのです! どのように使うのか、工程の一部をのぞき見させていただきました。


パーツ行程

(写真左上)まずは、めん棒で生地をコロコロのばして・・・。
(写真右上)棒を定規代わりに置いてスライサーでまっすぐカットします。
(写真左下)棒をクルッと手前に一回転させてさらにカット。これが、窓の幅になります。

実は、棒の面の幅でパーツの大きさや間隔を測っていたのです! 「この窓は一回転ですけど、こっちの窓は大きいから、二回転させてカットします」と、パーツの大きさによって回転数を変えているのだとか。決して適当なサイズ感でカットをしているわけではありません。この作業を繰り返し、パーツが完成! パーツを並べただけでも、電車に見えてきますね。このあと、パン生地の上にこれらを貼って焼き、窓をチョコで縁取りしたあとクリームをサンドすると、写真右下の「特急電車パン」の出来上がりです。運転席といい、ジオラマといい、パン作りといい、やはり原田さんは手先が器用です。


ちなみに一番パーツ作りに手間がかかるという電車パンがこちら。


難しい電車パン

「梅田行き電車パン」。ココアを練り込んだ菓子パンにチョコクリームをサンド


関西人にはお馴染みの「梅田行き電車パン」です(ち~たらは京都から大阪へ行く時、必ずこの電車に乗ります)。たしかに細かいパーツが多くて、これは大変そうですね・・・。でもこの再現性の高さも、原田さんのひと手間があるからこそ、です。


もちろん、原田さんは鉄ちゃんです!


原田さん

ノリノリでポーズをとってくださった原田さん


店内のコレクションやパンへのこだわりを見ると、“原田さん自身、相当な鉄ちゃんなのでは?” と気になるところ。


ち~たら「やっぱり、原田さんは鉄ちゃんなんですか?」


原田さん「ええ、電車は大好きですね。コレクションを集めるくらいですから(笑)」


ち~たら「やっぱりそうですよね(笑) 鉄ちゃん歴は長いのですか?」


原田さん「父も兄も鉄道マンで、昔から電車と触れあう機会がとても多かったので… 子供の頃からになりますかねぇ」


ち~たら「ということは、原田さんの電車好きは、ご家族の影響ですか?」


原田さん「そうですね、家族の影響は大きかったと思います。そんな環境やったからか、昔から電車を見に行ったり、電車の備品を集めるのが好きでしたね。子供の頃は、兄が乗る電車をよく見に行きましたよ。兄を見つけては手を振って、私に気付いた兄も手を振りかえしてくれて・・・ いい思い出ですね」


なんと微笑ましいエピソード! お兄さんも可愛い弟が見に来てくれて、とても嬉しかったでしょうね。子供の頃から電車に囲まれて育った原田さん。そんな環境が、今に繋がっているのは確かです。


もちろん、「普通のパン」も充実しています♪


ぶんぶんパン

ここまで紹介してきた「電車・バスのパン」ですが、もちろん「普通のパン」も盛りだくさんに売られています! 食パンやサンドイッチ、パイ、ドーナツと豊富な品揃えで、店頭に並べられたパンはどれも美味しそう♪ そして値段もお手頃なのが嬉しいです。どれにしようかと迷い、奥様におすすめを尋ねてみると「私が好きなのは、クロワッサンサンド(写真右下・203円)かな」とのことだったので、さっそくいただいてみました。クロワッサンのほんのり甘いサクサク生地とシャキシャキレタス、そしてベーコンの絶妙な塩気に、う~ん、うまい! ランチにもってこいのサンドです。こちらも電車パンに負けず劣らず人気のパンだそうですが、「でもやっぱりお店のイチ押しは、電車とバスのパンですね(笑)」とのことでした。


店前

宇治の新たな観光スポットになりそうなほど、魅力が満載すぎる「手づくりパンの店 ぶんぶん」。実はこの取材の帰り、“ドクターイエロー”とたまたま遭遇するという奇跡が起こり、もしかしたら「ぶんぶん」には電車の神様(?)がいるのかも・・・ なんて余談はさておき、鉄道マニアの方、そうでない方も、宇治にお越しの際はぜひ「手づくりパンの店 ぶんぶん」にもお立ち寄りを。「あっ!!パン屋さん」のインパクト大な看板が目印です。



■手づくりパンの店 ぶんぶん
【営業時間】7:00~19:00
【定休日】水曜日
【電話】0774-21-4417
【アクセス】JR奈良線「宇治駅」から徒歩約10分 Google map
※電車・バスのパンは、日替わりで4~5種類が9:30~10:00ごろ店頭に並びます。
※電車・バスのパンは、現在販売中の種類であれば、2日前までに予約すると希望のパンを作ってもらえます。
※全国発送の受付は行っておりません。


 

Written by. ち〜たら

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