「京の夏の旅」を定期観光バスでめぐる京都の一日♪

  • 体験
  • イベント・歳時
  • 散策
トップ

輪違屋「傘の間」

 

夏の恒例イベント「京の夏の旅」文化財特別公開(以下、「京の夏の旅」)。43回目となる今回は「明治150年」、「京のお屋敷」、「京のもう一つの花街・島原」をテーマに、7月7日(土)から9月30日(日)まで特別公開が行われます(全8ヵ所、公開箇所により期間が異なります)。各スポットでは、普段は非公開の貴重な文化財やお庭が拝見でき、ガイドさんから細かな説明を聴くことができます。

⇒「京の夏の旅」の公開箇所はこちらをチェック。
★室内に上がることも多いので、靴下等をご持参ください。

公開箇所をめぐるなら
「京都定期観光バス特別コース」の利用がおすすめです♪

 

2

「京の夏の旅」期間中、京都定期観光バスでは公開箇所をめぐる昼食付きの特別コースが登場します。各テーマに沿ったコースが用意されていて、手軽に「京の夏の旅」を満喫することができますよ。今回は、京都定期観光バス特別コース「~明治維新150年記念~ 幕末維新の志士たちゆかりの地をたずねて」に参加してきましたので、その模様をお届けします!

赤と白が目印のバスに乗っていざ出発♪ 車内ではバスガイドさんが、行く先々の情報や、バスから見える観光スポットなどをご案内してくれるので、移動中も飽きることがありません。

3

さぁ、特別公開の地へ!

【角屋】日本に遺る唯一の揚屋建築

4

台所


最初に訪れたのは京都の旧花街・島原(しまばら)にある角屋(すみや)。日本に遺る唯一の揚屋(あげや)建築として国の重要文化財に指定されています。「揚屋」とは現代でいう料亭や料理屋さんのこと。かつて角屋は“民間最大規模の宴会場”を誇り、広さ50畳もの台所があります。調理場の奥が配膳場になっているのですが、なんと段差のないバリアフリーでした! 配膳の際につまずかないよう、お店の方々の知恵が垣間見えるようですね。

5

大座敷「松の間」

ご案内をいただいて、印象に残ったのが「島原」という地名についてのお話。

「“島原”と呼ばれていますが、実は正式な地名は“西新屋敷(にししんやしき)”なんです。この花街は寛永18年(1641)に官命により、六条三筋町から現在の地に移されました。この移転騒動が『島原の乱』に似ていることから、“島原”という名で呼ばれるようになったんですよ」

“島原”が俗称とは初めて知りました。角屋のパンフレットに書かれた住所を見てみると、たしかに“西新屋敷”とあり、納得!

6

「松の間」から臥龍松を眺める

国の登録有形文化財に指定されている大座敷「松の間」は、新選組も大宴会をしていたという場所。お庭の正面には、枝が横に広がるように伸びる臥龍松(がりょうしょう)が。この景色は、寛政11年(1799)に出版された『都林泉名勝図会』にも紹介され、歌川国貞や歌川広重の浮世絵の題材にもなったほど。絵師も愛した風景をぜひご覧になってください♪


【輪違屋】斬新な意匠が美しいお座敷

7

傘の間

続いて、角屋から歩いて5分ほどの場所にある輪違屋(わちがいや)へ。元禄年間(1688~1704)の創業から営業を続ける、島原唯一の「置屋(おきや)」です。「置屋」とは、太夫さんや芸妓さんを抱えている家のことで、現在輪違屋には5人の太夫(たゆう)さんが在籍されています。

建物は安政4年(1857)に再建された、京都市指定登録文化財です。なかでも注目は「京の夏の旅」パンフレットの表紙を飾っている、2階の「傘の間」。襖は銀箔の無地で、太夫さんが太夫道中の際に使用する「道中傘」の地紙が貼られています。全部で4つの傘があり、公開期間中は2つの傘を拝見できます。それぞれデザインが異なりますので、じっくり眺めてみてくださいね。ちなみに傘に描かれている「高」の文字は、輪違屋の当主のお名前が「高橋さん」であることにちなんだものだそう。

8

紅葉の間

同じく2階にある「紅葉の間」の壁には本物の紅葉が埋め込まれていて、斬新なデザインです! 顔料などで着色された葉は、紅や緑などよく見ると色が違うのも雅やかですね♪

9

階段の上に吊されているのは、なんと「ミラーボール」! 「実はお店の方々は、お客さま同士が鉢合わせしないように、これを鏡代わりにして階下を見ていたんです。ちょうど下が玄関なので、お客さまが来ると映り込むんですよ」とガイドさん。現代的なミラーボールとは違う、お店の方々の“工夫”が感じられるポイントです。そのほか、1階には新選組の近藤勇が書いたとされる屏風も遺されていて歴史が感じられます。

【御香宮神社】「鳥羽伏見の戦い」ゆかりの地。特別御朱印もあります

10

「~明治維新150年記念~ 幕末維新の志士たちゆかりの地をたずねて」コースでは、「京の夏の旅」の特別公開箇所に加えて、“明治維新150年”にゆかりのあるスポットもめぐります。伏見にある御香宮神社は、「鳥羽伏見の戦い」(1868年)において、薩摩藩の屯所となった場所。表門前の通りにあった伏見奉行所に陣取る旧幕府軍に対し、激しい砲撃を行ったのだとか。

今年(2018年)は明治150年にちなんで、1年にわたり特別御朱印を授与されています。2ヵ月ごとに台紙の色が変わり、7月から8月までは涼しげな緑の台紙(500円、書き置きのみ)に。ぜひ、お詣りのあとにいただいてみてくださいね。

【幕末維新ミュージアム 霊山歴史館】日本でただひとつの幕末維新専門博物館

11

こちらも明治150年を語る上で外すことの出来ないスポット、幕末維新ミュージアム 霊山歴史館。“幕末維新”を専門に展示する博物館は、なんと日本でこちらだけだそう。現在「大西郷展 第三期 薩長同盟から大政奉還へ」が開催中(~9月2日)。西郷隆盛に関する資料が約100点展示されています。

注目は「西郷隆盛 肖像画」(写真中央)。西郷は写真に撮られることや、絵に描かれることを嫌ったそうで、こちらの絵は犬の散歩コースを待ち伏せし、こっそり写生したものなのだとか。博物館の方いわく、明治31年(1898)に上野公園に建てられた西郷隆盛像のモデルにもなっているそうですよ。

【清和荘】伏見の名水を使用した京料理♪

12

「京都定期観光バス特別コース」は“道中の昼食タイム”もお楽しみのひとつ。今回は伏見の料亭、清和荘(せいわそう)でいただきました。伏見七名水のひとつ「清和の井」が敷地内に湧き出ていて、お料理にもその名水を使用されています。

***
歴史もしっかり深く学んで、本格京料理でお腹も満たして、大満足の「京の夏の旅」京都定期観光バス特別コース。ほかにも半日コース、朝や夜のコースなどさまざまなコースがありますので、ぜひ一度ご参加されてみてはいかがでしょうか♪

※角屋の展示物、輪違屋の2階、霊山歴史館(撮影コーナー除く)は通常撮影禁止です。

■「京の夏の旅」文化財特別公開の詳細はこちら
■京都定期観光バス特別コース「~明治維新150年記念~ 幕末維新の志士たちゆかりの地をたずねて」の詳細はこちら

 

Written by. オパン

おすすめコンテンツ