京都発のクラフトビール 「京都醸造」とは?

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近年、ブームとなっている「クラフトビール」。小規模醸造が特徴で、全国各地で様々な銘柄が登場しています。京都でもクラフトビールを造るブリュワリー(醸造所)が増えてきているんですよ♪ 今回は、東寺のすぐ近くでビール造りに励む「京都醸造」を訪ねました!

東寺の南でビール造り!? 京都醸造に潜入!

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京都醸造は2015年にオープンしたクラフトビール専門のブリュワリーです。東寺の南側、閑静な住宅街の一角で、元は材木工場だった建物を利用し、“醸造所”とできたてのビールを提供する“タップルーム”を併設されています。

醸造を統括されているのは、アメリカ出身のクリス・ヘインジさん。10年ほど前から京都に住まれていて日本語も堪能です。実は京都醸造はクリスさんと、イギリス・ウェールズ出身のベン・ファルクさん、カナダ出身のポール・スピードさんの3人が一緒に設立した会社。違う国から来た3人は青森県で出会い、想いとタイミングが重なって、「自分たちの飲みたいビールを作ろう」「まずはビール」をテーマに京都醸造を立ち上げました。今は3人と意思を同じくする仲間8人ほどでビールを造られています。

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醸造責任者のクリスさん


クリスさん 「京都はバランスが取れた街だと思います。ちょっとバスに乗ればすぐに山に行けますし、温泉にだって行ける。伝統と格式を守りつつ、新しい良いものもどんどん受け入れてくれる。そこに魅力を感じ、“ブリュワリーを作るなら京都で”と思いました」

“職人の街”京都で挑む、ビール造り。どんな造り方をされているのか、特別に工場内をご案内いただきました。


ワクワクのブリュワリー見学♪ ビールってどうやって造るの?

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工場見学をさせていただきながら、まずは、クラフトビールの“仕込み”について教わります。

1.“麦芽”を機械で粉砕する。
2.麦芽とお湯を混ぜて“もろみ”を作る。
3.もろみの中で酵素が働き、デンプンが糖類に変わる「糖化」を起こして“麦汁”に変化!
4.煮沸釜で麦汁を煮込み、ホップを投入。

と、ここまでが仕込みの工程です。

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クリスさん 「ホップの種類や量、入れるタイミングでビールの風味が変わります。早く入れれば苦く、遅く入れれば香りが強くなるんです。たとえるなら、麦汁は“肉”、ホップは“スパイス”といった感じです」

なるほど・・・ 料理にたとえるとわかりやすいですね! 少しビールに詳しくなったような気がします。

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大きな熟成タンク


ホップを投入した後の麦汁は、熱を冷ましてから発酵タンクに移し、酵母が加えられます。

クリスさん 「酵母が麦汁の糖分を食べて、そこからアルコールが発生します。ビールを造ってくれるのは酵母。私は酵母が喜んで働いてくれる環境作りをしているんです」

その後、発酵タンクから熟成タンクに移し、何週間か寝かせて完成。全ての工程を1ヶ月ほどかけて、ひとつのビールができあがります。

現在は11本のタンクでビール造りを行い、今までブリュワリーで造られたビールは60~70種類にも及ぶそう! 苦味や香りの微調整、酵母の環境作りなど、細やかな作業は、まさに職人技です・・・

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京都醸造では、2017年11月から瓶ビール(330ml 450円)の販売も始められ、現在は「一期一会」・「一意専心」・「黒潮の如く」の定番3種類がラインアップ。瓶にはビールの名前がスクリーンプリントでデザインされていて、シンプルながらもおしゃれな印象です。販売は京都醸造でのみ、土曜日と日曜日だけされています。今後は量産も考えられているそうで、種類を増やしたり、酒屋での販売も視野に入れているとのこと。なんとも待ち遠しいですね♪


京都醸造の人気のヒミツ。できたてのビールをその場で味わえる!

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タップルーム


併設の「タップルーム」では、土曜日・日曜日のみの週末限定で、できたてのクラフトビールを味わえます! 現在は10種類が提供されていて、季節によって種類が変わるそう。

面白いのがビールの名前。瓶ビールにもなっている「一期一会」・「一意専心」・「黒潮の如く」や、「週休6日」・「だるま」・「毬男(まりお)」など、こだわりを感じるネーミングばかりです。

クリスさん 「名前は、私が作ったビールのレシピを見て、スタッフみんなで案を出しています。3つから5つに案が絞られたら、幹部3人で話し合い、名前を決定します」

ちなみに、一番最初に販売されたビールの名前は「はじめまして」。スタートにぴったりの名前ですね♪ ※現在は提供されていません。

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「だるま」400ml 600円


ビールはグラス(300~400ml)1杯600円。オリジナルグラスでたっぷり味わうことができます。写真の「だるま」はフルーティーな香りと苦みのバランスが個人的にとても好みのビールでした♪

クリスさん 「“これはどんなビールなのかな?”と思われたら、気軽にスタッフに声をかけてください。味の特徴はもちろん、名前の由来まで、ブリュワリー併設のタップルームだからこそお伝えできることがあります」

季節によって変わるラインアップ。8月下旬には京都府北部の与謝野町で作られた国産ホップを使ったビールが登場するとのこと。「今、なにがあるのかな?」と、何度も訪れてみたくなりますね。

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2階のタップルーム


タップルームは、1階が立ち飲みのカウンター。今年(2018年)の3月には2階にテーブル席をオープンしました。どちらも、醸造所内のビールタンクを眺めながらビールをいただけますよ。提供はビールのみとなりますが、食べ物の持ち込みは自由なので、事前におつまみを購入して伺うのがおすすめです。

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お天気の良い日は建物の外に簡易のテーブル席が用意され、ビアガーデン気分を味わえます! キッチンカーが登場し、おつまみが販売される日もあるので、わいわい楽しんでみてください♪

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「夏の気まぐれ」400ml 600円


もっとたくさんの方に美味しいビールを。京都醸造の思いとは

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グラウラー


今年の6月から始まったのが、ガラス製グラウラーでのビール販売。“グラウラー”というのは生ビール用の再利用できる持ち帰り瓶のこと。1リットルサイズのオリジナルグラウラー(容器代1,000円)を購入し、ビール(1,500~2,000円)を注文すると、できたての生ビールをそのまま持ち帰ることができます! グラウラーは洗って何度も使えるので、環境にも優しいです(詳しくはホームページをご覧ください)。

クリスさん 「持ち帰りのできるビールは今までは3種類の瓶ビールだけでした。 “他の種類も持ち帰りたい”というお声をいただき、もっとたくさんの方に美味しい状態でビールを飲んでいただけるよう、グラウラーシステムを導入しました。今後は、もっと生産量を増やし、タップルームも平日営業できるような環境にしたいですね」

ブリュワリーのタップルームだからこそ、管理も行き届き、美味しいビールが味わえる。作り手の思いの“完成形”をいただくことができるという、この上ない幸せを感じます。その美味しさを自宅でも味わえるとなると、またいっそう、幸福感も増しますね。

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「クラフトビールは表現力が無限。多くの方にその魅力を知っていただきたいです」と語るクリスさん。まさに職人の技で造られる京都発のクラフトビール。ぜひお越しになって、熱い想いを感じてみてください。

■京都醸造(タップルーム)
【営業日】土曜日・日曜日
【営業時間】12:00~18:00(ラストオーダー17:30)
【電話】075-574-7820
【アクセス】近鉄京都線「十条駅」から徒歩約12分 Google map
【公式ホームページ】https://kyotobrewing.com/
【公式Facebook】https://www.facebook.com/KyotoBrewing
※タップルームで提供されるビールの銘柄は、毎週Facebookに投稿されています。ビールへの想いも熱く書かれているのでぜひチェックしてみてください♪

Written by. オパン

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