秋めく京をうつす、10月の和菓子 5選

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京の和菓子の玉手箱 13


10月を迎え、少しずつ秋めく京の街。紅葉が待ち遠しいですが、和菓子の世界はひと足早く色づきを始めているようです。今月も、和菓子ライフデザイナー・小倉夢桜(おぐら ゆめ)さんに素敵な和菓子をご紹介いただきました。どうぞ、ご覧ください♪

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神無月となった京都市内。いよいよ秋、到来です。


初秋のイメージ


晴れた日、青の深みを増してきた空には、秋らしい雲が風に吹かれて刻々と姿を変えて浮かびます。そして、京都市街を取り囲む山々を見渡すと、木々の葉が日に日に色づきはじめている様子を見ることができます。

本格的な紅葉シーズンは11月ですが、その前に季節の移ろいを和菓子から感じてみませんか。


◆秋の味覚・栗を味わう和菓子 2選
秋景色【茶寮 宝泉(さりょう ほうせん)】


秋景色 345円(10月中旬~11月上旬販売予定)


秋の味覚である栗をふんだんに使用した「栗羊羹」と、しっとり蒸し上げた「浮島(うきしま)」を組み合わせた、秋らしい彩りのお菓子です。ひとくちで口いっぱいに広がる秋の風味。みなさんはどのような秋景色をイメージされるでしょうか。

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山彩る【長久堂(ちょうきゅうどう)】


山彩る 454円(10月上旬~11月販売予定)※事前にご予約いただきますと確実です


羊羹を型抜きした色とりどりのモミジの葉をあしらっています。餡のなかには、この時季らしく栗がはいっています。季節の移ろい、色づいた山の美しさを感じずにはいられないお菓子です。

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◆モミジ以外の紅葉をモチーフにした和菓子 3選
梢の秋【千本玉壽軒(せんぼんたまじゅけん)】


梢の秋 378円(10月下旬~11月中旬販売予定)


桜紅葉(さくらもみじ)という言葉があるように、桜の紅葉はとても綺麗です。落葉樹の中でも比較的早く色づき、一斉に紅葉するわけではないために気が付けば冬木立となっています。本格的な紅葉シーズンの前に見かける落葉樹の葉の色づきを表現した、こなし製のお菓子です。

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山路のつと【二條若狭屋本店】


山路のつと 378円(10月中旬~11月下旬販売予定)


あまり馴染みのない「つと」という言葉。漢字では「土産」と書き、『万葉集』や『源氏物語』にも山の土産を意味する「山土産(やまづと)」という言葉が見られます。この時季、和菓子店では、栗を使った「山土産(やまづと)」と名付けられたお菓子をよく見かけます。山の土産は栗だけでなく様々。色づき始めた山路の草木の葉を、外郎(ういろう)で表現されています。

⇒二條若狭屋本店の詳細情報はこちら


並木路【茶寮 宝泉】


並木路 345円(10月下旬~11月中旬販売予定)


外郎生地で餡を包み、黄金色に色づいたイチョウの葉を表現したお菓子です。

今年(2018年)の夏の高温が京都の紅葉にどのように影響するのか、気になるところです。2015年の紅葉シーズンは夏の降雨量が少なく、モミジの色づきにも影響を与えました。そのようなことがない事を祈るばかりです。イチョウはモミジとは違い、私が長年見続けている限りでは、天候に左右されることなく色づきます。堀川今出川から堀川紫明にかけては立派なイチョウ並木が続き、黄金色に色づいた様子は圧巻です。

⇒茶寮 宝泉の詳細情報はこちら


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色彩豊かなこれからの時季にふさわしいお菓子たち。
錦秋の京都に想いを馳せながら召し上がってみてはいかがでしょうか。

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文・写真:小倉夢桜 —Yume—
和菓子ライフデザイナー/ライター/フォトグラファー。京都五感処・京都Loversフォーラム代表。2012年よりホームページ『きょうの「和菓子の玉手箱」』を運営し、毎日京都の和菓子を紹介し続けている。現在は『月刊京都』(白川書院)で「月刊京都版・きょうの『和菓子の玉手箱』」を連載中。
【きょうの『和菓子の玉手箱』】http://kyoto-lovers-forum.com
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Written by. みさご

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