“亥年”に大注目! 「護王神社」参拝のススメ

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京都の神社探訪 3


2019年は亥年! ということで、“猪の神社”として有名な護王神社の魅力を探してきました。境内を彩るさまざまな猪のモチーフはもちろん、期間限定の催しや、護王神社ならではの参拝方法も紹介しちゃいます。

「せっかくなら猪ゆかりの神社で初詣を・・・」とお考えの皆さま、ぜひ参考にしてみてください♪



“足腰”と“子供”の守護神


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本殿

護王神社といえば「足腰の守護神」として親しまれる神社です。ご祭神は、平安京造営にも貢献した和気清麻呂(わけのきよまろ)。旅の途中に痛めた足が猪の加護によって回復したという逸話から、足腰の健康や怪我の回復にご利益があると信仰を集めています。

もうひとりのご祭神が、清麻呂のお姉さんである和気広虫(ひろむし)。戦乱で身寄りを失った子どもたちを養子に迎え育てたことから、「子供の守護神」として仰がれています。

大人から子どもまで、家族みんなの健康を願うのにピッタリな神社ですね♪



境内には推定4,000頭の猪が!?


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左上:手水舎、右上:なで猪、左下:チェーンソーアート、右下:足腰御祈願所

神社のあちこちには清麻呂の難を救った猪にちなみ、猪の像がいっぱいです! 手を清める手水舎の像はもちろん、神社の入口を守る狛犬も猪。お社の陰や、ご神木の根元など、「こ、こんなところにも!」と驚くほど、色々な場所で見つけることができます。

こうなってくると気になるのはその数。神社の方に伺ってみると・・・ 約4,000頭という驚きの数字が飛び出してきました! 明治23年(1890)に崇敬者により境内の狛猪が奉納されたのをきっかけに、今もさまざまな猪ゆかりの品が奉納されているそう。



猪コレクションの展示ルーム「お休み処」も忘れずに


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お休み処内部

猪コレクションをまとめて鑑賞できるのが、お守りや朱印が授与される社務所のそばにある「お休み処」。絵馬や彫刻、人形などが、ガラスケースの中にところ狭しと展示される光景は圧巻のひと言です。

驚かされたのは猪の剥製。猟をされる方から“供養のため”に奉納されることが多いそうで、古くは昭和20年(1945)のものもあるのだとか。まるで生きているかのような姿は迫力満点。実物を知る貴重な機会になりますね。



天井を見上げてみれば・・・


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切り絵の天井画

「お休み処」に寄ったら、ぜひ天井を見上げてみてください。そこには・・・ 力強い2匹の猪を中心に、十二支が円を描くように配置されたユニークな天井画が! 12年前の亥年(2007年)の際に作られた特別な作品で、絵ではなく切り絵でできているそう。

作者は京都で活動されている和紙切り絵作家の田中道男さん。今回も護王神社の文室隆紀宮司から依頼を受け、12年ぶりに猪にちなんだ新作を作られたということで、神社へ完成品を納める日に取材をさせていただきました。



切り絵で表現された護王神社の猪


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左:文室宮司、右:田中さん

神社に運び込まれたのは、ふたつの大作。ひとつは300頭もの猪の大群が押し寄せてくる、疾走感のある作品(左)。もう一方は、寝転がったり丸まったりとユニークな姿の猪が画面いっぱいに広がる、華やかな雰囲気の作品です(右)。

どちらの作品にもご祭神である和気清麻呂と広虫の姿が描かれ、護王神社の伝承をイメージしていることが分かりますね。文室宮司は「猪に勢いと力強さを感じる良い作品」と、300頭の猪が走る作品を特に気に入られた様子でした。
 

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下絵の一部

それにしても表現が細かく、まるで筆で描いているかのように見えます。そこで、実際に下絵の一部を見せていただいたところ・・・ 本当に切り絵でした(笑) 持ち上げてみると今にも壊れてしまいそうなほど繊細で、切り絵とはここまで表現出来るものなのかと驚かされます。

300頭の猪が走る作品は、「明るい色と暗い色を意識して分けることで、手前に向かって疾走する様子を印象づけています」と田中さん。実は、明るい色の部分が矢印に見えるように隠し要素を忍ばせているのだとか。たしかに、黄色の猪が矢印のようです。

もう一方の作品に登場するキュートで面白い形の猪は、「猪をモチーフにした古い根付からヒントを得ました」とのこと。こちらは、画面手前で末広がりになるように色合いを調節しているそうで、新年にあわせてめでたい感じがしますね♪



期間限定の催しもお見逃しなく


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子どもいのしし絵馬コンクール

田中さんの作品は、亥年にだけ護王神社で行われている「子どもいのしし絵馬コンクール」と同時開催される「田中道男切絵展」で展示されます。期間は両展示会ともに1月1日(火・祝)~6日(日)まで。ぜひ、子ども達が描いた愛くるしい猪の絵馬と一緒にご覧ください。

私も事前に拝見させていただきましたが、子どもたちの絵馬も上手くてビックリ! 大人顔負けの作品もあって、審査員である神職の方も大変悩まれたとのこと。他にも1月11日(金)~14日(月・祝)には、本物の猪が境内を散歩する催しも予定されています。せっかくなら、期間限定の催しが開催される日に訪ねてみるのも良いかもしれません。

護王神社を散歩する予定の猪、モモちゃんを紹介しています。
⇒【京さんぽ】2019年の干支は「亥」。京都で探すイノシシスポット



“いのしし神社”ならではのお参りを


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「願かけ猪」と座立亥串

見どころがいっぱいの境内ですが、お参りも忘れてはいけません。中でもおすすめなのが護王神社ならではの座立亥串(くらたていぐし)です。

使用するのは、2本1組の亥串(いぐし)と呼ばれる串。まずは、願い事を書いた札を1本の串にはさみ、本殿向かって左の「願かけ猪」の前に刺して願かけを。もう1本は家に持ち帰り、神棚や棚の上など目線より高い位置にお祀りします。

家に持ち帰るのは、神社で願い事をしたあとも、日々思い起こしてお祈りするため。願い事を忘れないための「座立亥串祈願」。これはご利益がありそうです!



参拝者に優しい、神社の気づかい


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足萎難儀回復の碑

“足腰の病気”や“けがの回復”をお願したい方は、本殿右側に安置された「足萎難儀(あしなえなんぎ)回復の碑」に参拝を。お参りの仕方は、足の形にくぼんだ石の上に乗って、正面にある本殿に向かって祈願します。

足形の石の前に置かれたバーは、足の怪我や病に悩まれる参拝者がお参りしやすいようにと設置された補助具。神社の皆さまの優しさを感じますね♪



亥年に“いのしし神社”へ参拝しよう!


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拝殿の猪像

スタッフが見つけてきた護王神社の魅力を紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。 護王神社は清麻呂が国難を身を賭して除かれたことにちなんで、災難除けにも強いご利益があるといいます。

2019年も素晴らしい年になるように、ぜひとも、“いのしし神社”をお参りしてみてください!

■護王神社
【参拝時間】6:00~21:00、授与所9:00~17:00
【参拝料】境内無料
【電話】075-441-5458
【アクセス】地下鉄烏丸線「丸太町駅」から徒歩約7分 Google map
【公式ホームページ】http://www.gooujinja.or.jp/

Written by. きのこ

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