新旧のアートを堪能する! 京都定期観光バスでめぐる「京の冬の旅」

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妙心寺 天球院

 

通常非公開の貴重な文化財を拝観できる「京の冬の旅」非公開文化財特別公開(以下、「京の冬の旅」)。第53回を迎える今回は「京都にみる日本の絵画~近世から現代~」をテーマに、お寺の障壁画や仏像など通常非公開の文化財が1月10日(木)~3月18日(月)まで公開されます(全15ヶ所、公開箇所により期間が異なります)。

⇒「京の冬の旅」の公開箇所はこちらをチェック!


一日でたくさんめぐりたい方は、「京都定期観光バス」がおすすめ♪


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「一日で快適に移動しながらたくさんの公開箇所をめぐりたい!」という方におすすめしたいのが「京都定期観光バス」。「京の冬の旅」期間中だけの特別コースが運行され、各スポットを効率よくめぐることができます。さらに、嬉しいのが“京料理の昼食”が付いていること! 今回は、長谷川等伯生誕480年・狩野山楽生誕460年を記念した「~京都にみる日本の絵画~ 長谷川等伯と狩野山楽の世界」コースに試乗してきましたので、その様子をレポートしたいと思います♪


【妙心寺 天球院】某ドラマのオープニングを飾った絢爛豪華な襖絵


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梅に遊禽図(高精細複製)


まず訪れたのは、洛西にある妙心寺の塔頭寺院のひとつ、天球院。姫路城主・池田輝政の妹・天久院によって江戸初期に創建された池田家の菩提寺で、建立する際に地中から“球”を掘り起こしたことから、天久院の“久”の字を改めた寺名がつけられたのだそうです。
こちらのお寺で注目すべきは、狩野山楽・山雪が手がけた152面の障壁画(重文・一部を除き高精細複製)。なかでも、上間二の間で観られる「梅に遊禽図(ゆうきんず)」は、梅の大木に集まるキジやハト、マガモなどがリアルに描かれていて、大きく湾曲した幹からは力強い生命力が感じられるダイナミックな作品でした!


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竹虎図(高精細複製)


室中の間の「竹虎図」に描かれている虎の一家は、“狩野家一族”を表しているそう。・・・おや? “虎”といいながらも、奥には“ヒョウ”が描かれていますよ? 実は、当時の日本人は、実物の虎やヒョウを目にする機会がなく、中国から送られてくる毛皮だけを見て“ヒョウは虎のメス”と思い込んでいたそう。そんなちょっとほほえましい歴史も、この襖絵から垣間見ることができます。
ちなみに、「梅に遊禽図」と「竹虎図」は、“とあるドラマ”のオープニングに登場していたことでも話題になりました。何のドラマか気になる方は、現地でガイドさんに尋ねてみてくださいね。


【本法寺】圧巻の涅槃図も! 寺院ゆかりの芸術家たちの名作が一挙公開


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佛涅槃図(複製)


続いて、桃山時代の絵師・長谷川等伯が過ごし、琳派の祖・本阿弥光悦の菩提寺である本法寺へ。
私が驚いたのは、京都三大涅槃図のひとつである「佛涅槃図」(重文・複製)。長さ10メートル、幅6メートルの超ビッグサイズなんです! 長谷川等伯が息子・久蔵の七回忌追善供養のために描いたとされ、下方をよく見ると、なんとコリー犬2匹が描かれていて、お釈迦様の入滅を嘆き悲しむ姿が。ぜひ探してみてくださいね。


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唐獅子図屏風


本法寺では、今年注目の狩野山楽による「唐獅子図屏風」も公開。四曲一隻の屏風に仕立てられていますが、元は障壁画の一部であったと考えられているそう。いまにも唐獅子が動き出しそうなほど、迫力ある作品です。
そのほか、本阿弥光悦が作庭したと伝わる名勝「巴の庭」など、見どころ盛りだくさん。境内には、イノシシに乗る姿で知られる神様・摩利支天を祀るお堂もありますので、今年の干支にちなんでぜひお参りを!

※「唐獅子図屏風」は2月10日(日)までの展示です。


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境内には、天を仰ぎ見る長谷川等伯像が。手には筆をもっています


【建仁寺 霊源院】この冬初公開の掛け軸など、貴重な寺宝の数々が一堂に!


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中巌円月坐像(重文)・毘沙門天立像


初夏に咲く甘茶が有名な建仁寺 霊源院では、南北朝時代に造られた木像「中巌円月(ちゅうがんえんげつ)坐像」が見られます。目に嵌められた玉眼がリアルで、まるでジッと鋭い眼差しで睨まれているよう… その横に展示される「毘沙門天立像」は、なんと中巌円月坐像の胎内から発見された仏像で、仏師・湛慶の手によるものだとか。左手に持った水晶の中には、伝教大師・最澄が持ち帰ったとされる仏舎利が納められていますので、よ~くご覧になってくださいね。


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今回の「京の冬の旅」で初公開となる、織田信長や細川幽斎といった戦国大名や千利休の書状など、貴重な掛け軸が展示されています。手前に掛けられているのが、狩野山楽が描いた「布袋像」。ふくよかな身体に優しく微笑む布袋さんで、先ほどの本法寺の「唐獅子図屏風」とは、またひと味違う作風が特徴的です。
さらに注目は、今年で生誕500年になる今川義元の書状! 義元はかつて霊源院にて出家し、修行を積んでいたそう。お寺が重ねてきた歴史も感じられます。


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また、霊源院にはお茶席があり、抹茶と和菓子をいただくことができます(1,000円)。お干菓子、主菓子ともに京都の老舗「塩芳軒」が特別に誂えたものです。
お干菓子は今川義元が家紋に用いた「赤鳥紋」をモチーフにしていて、主菓子は千利休が考案した「ふのやき」を現代風にアレンジ。1日先着30名限定ということですので、希望する方は受付で状況を確認してくださいね♪

※茶席代は定期観光バスの料金には含まれていません。別途お支払いください。


【智積院】新旧アートの華麗なる障壁画


智積院は、豊臣秀吉と淀殿の間に生まれた息子・鶴松の菩提を弔うために創建された祥雲寺を起源とするお寺で、慶長5年(1600)に玄宥僧正(げんゆうそうじょう)が徳川家康よりもらい受けて建立されました。


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桜図(複製)


智積院には、長谷川等伯・久蔵親子が祥雲寺の客殿に描いた障壁画が遺り、実物は収蔵庫で見学可能です。国宝に指定され、桃山時代の最高傑作と言われていて、とくに、久蔵が描いた「桜図」(国宝)は金箔がふんだんに使用され、花の部分は胡粉を盛り上げる手法で描いたというダイナミックな作品です。


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婦女喫茶図


特別公開の宸殿を飾るこちらの障壁画は、京都画壇の巨匠・堂本印象が67歳の時に描いた「婦女喫茶図」。女性がティータイムを楽しむ様子を描いたとても斬新な障壁画で、発表された際は国内外でたいへん話題になったそう。おふたりはどんな会話をしているかな? と想像せずにはいられません(笑)
宸殿に描かれた印象の障壁画は、このほかにも「松桜柳図」「朝顔茄子に鶏の図」「茄子に鶏の図」「流水に鴬の図」と盛りだくさん。こちらも見逃せませんよ!

※智積院は2月28日(木)までの公開となるため、3月1日(金)~18日(月)は建仁寺 正伝永源院にコース変更となります。


【阿じろ】素材の味を生かした絶品の精進料理を!


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お昼ごはんも、定期観光バスの楽しみのひとつ! 本コースでは、妙心寺の御用達として昭和37年(1962)創業の「阿じろ」で、精進料理をいただくことができます。シンプルながらも、ひとつひとつの素材を生かした優しい味わいの料理に舌鼓。阿じろ名物の、餡かけ黄鐘(こがね)うどんもいただけますよ。


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名だたる絵師たちの作品が、豊富に遺る京都。「京の冬の旅」定期観光バス特別コースで、たっぷりと名作の数々に浸ってみてはいかがでしょうか♪

※特別公開寺院の内部は、通常撮影禁止です。今回は特別な許可を得て撮影しています。

\2019年2月10日(日)から受付開始! 本法寺で「そう京」イベントを実施します/
⇒2019年4月21日(日)「日蓮と法華の名宝特別鑑賞会」

■京都定期観光バス特別コース「~京都に見る日本の絵画~長谷川等伯と狩野山楽の世界」の詳細はこちら

\往復新幹線付きの旅行プランもご用意しています/
■「京の冬の旅」文化財特別公開の詳細はこちら

 

Written by. ち〜たら

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