京都に春を呼ぶ、2月の和菓子 5選

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京の和菓子の玉手箱 17


社寺の境内で、梅のふくよかな香りが漂う時季となりました。まだまだ寒さが続くとはいえ、花咲く春はもうすぐそこ。和菓子の世界も、淡く可愛らしい色合いの和菓子たちが登場し、春の到来を予感させてくれます。和菓子ライフデザイナー・小倉夢桜(ゆめ)さんにご案内いただく、「京の和菓子の玉手箱」。2月のおすすめ和菓子を、どうぞご覧ください。

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新年の祝賀ムードが終われば、いよいよ節分。京都では、いたるところで様々な節分行事が執り行われ、多くの参拝者で盛り上がりをみせます。

⇒「2019年 節分祭」一覧はこちら


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梅のイメージ


節分を終えると、少しずつ春の訪れを感じられるようになってきます。体感では、まだまだ寒い日が続きますが、動物や植物たちはわずかな気候の変化を感じ取り、本格的な春の訪れに向けて準備をはじめます。

「2月はまだまだ寒いから苦手・・・」と思っている方もいらっしゃることでしょう。でも2月は、あちらこちらで“小さな春”と出会えるチャンス。どうぞ、京都で小さな春を探してみてください。出会った瞬間、きっとこの季節が好きになることでしょう。小さな春を表現したお菓子たちから、一足早く春を感じてみませんか。


赤鬼【えん寿】


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赤鬼378円(2/1~3販売予定)


如月となり様々な社寺で春の訪れを知らせる節分祭(節分会)が行われます。京都では、表鬼門にあたる「吉田神社」、そして、裏鬼門にあたる「壬生寺」が特に有名で例年多くの参拝者が訪れます。

「鬼は外ぉ~福は内ぃ~」と掛け声が聞こえます。鬼は「隠(おに)」に由来しており、目に見えない邪気を意味したもの。室町時代に現在のような鬼のイメージとなったとされ、今に語り継がれてきました。こちらは、赤い顔から角が2本。遊び心あふれる、鬼を表現したきんとん製のお菓子です。

■茶菓えん寿
【営業時間】11:00~18:00
【定休日】木曜日(2019年2月より定休日が変更となりました)
【電話】075-432-7564
【アクセス】嵐電嵐山本線「帷子ノ辻駅」から徒歩約1分、JR山陰線(嵯峨野線)「太秦駅」から徒歩約8分 Google map
【公式ホームページ】http://chaka-enjyu.com
【公式Facebook】https://www.facebook.com/茶菓えん寿-1447430392008273/


雪間草【伏見駿河屋】


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雪間草345円(2月上旬~中旬販売予定)


残雪の隙間から、萌え出た草を雪間草(ゆきまぐさ)といいます。この時期になるとよく見かける菓銘です。

「花をのみ 待つらん人に 山里の ゆきまの草の 春を見せばや」(藤原 家隆)

日頃、忙しく働いていると見落としてしまう、小さな春の訪れ。お菓子が私たちに春の訪れを教えてくれます。

■伏見駿河屋
【営業時間】10:00~18:00
【定休日】火曜日
【電話】075-611-0020
【アクセス】近鉄京都線「桃山御陵駅」から徒歩約10分、京阪本線「伏見桃山駅」から徒歩約9分 Google map
【公式ホームページ】https://www.kyoto-wel.com/shop/S81140/index.html


椿もち【京菓子司 亀屋良長】


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椿もち432円(本店は2月中販売予定)


椿の花を愛でて過ごす頃。必ず口にしたくなるのが、日本最古の餅菓子と伝わる「椿餅」です。『源氏物語』第34帖「若菜上」の中で、
「椿い餅、梨、柑子やうのものども、様々に筥の蓋どもにとりまぜつつあるを、若きひとびと、そぼれとり食ふ」
と若い人々が蹴鞠のあとの宴で食べる場面が登場します。

その当時は、砂糖が無かったため、甘葛(あまづら)というツタの汁を煮詰めたものでほんのりと甘味をつけていたそうです。艶やかな椿の葉を愛でながらいただく、品のあるお菓子。こちらのお店の椿餅には、道明寺の中に梅酒で漬けられた金柑が入っています。

■京菓子司 亀屋良長 本店
【営業時間】9:00~18:00
【定休日】1月1日・2日
【電話】075-221-2005
【アクセス】市バス「四条堀川」バス停から徒歩約3分 Google map
【公式ホームページ】http://kameya-yoshinaga.com/


早春【茶寮 宝泉】


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早春378円(~2月中旬まで販売予定)


「春はまだかな」と待ちわびる日々。梅のつぼみがほころぶと期待に胸が膨らみます。春の訪れを教えてくれる梅の花は、古来の人々にとっては、今以上に特別な花だったことでしょう。

かぐわしい梅の香りに誘われて、陽だまりの中で過ごす情景を、外郎(ういろう)製のこちらのお菓子から感じてください。

■茶寮 宝泉
【営業時間】10:00~17:00(ラストオーダー16:45)
【定休日】水曜日・木曜日(祝日の場合は翌平日)
【電話】075-712-1270
【アクセス】市バス「下鴨東本町」バス停から徒歩約2分 Google map
【公式ホームページ】http://www.housendo.com/


うぐいす餅【亀屋重久】


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うぐいす餅220円(2月中販売予定)


梅が咲き、春の香りを漂わせる頃。「梅に鶯」という言葉があるように梅と鶯は取り合わせのよいものです。「百花の魁(さきがけ)」と言われる“梅”、そして、「春告鳥(はるつげどり)」という異名を持つ“鶯”は、春の訪れを知らせる取り合わせとして古来より親しまれてきました。

その鶯を模ったお菓子が、春先に店頭に並びます。春の訪れが、すぐそこまでやってきています。

■亀屋重久
【営業時間】10:00~19:00
【定休日】木曜日
【電話】075-461-7365
【アクセス】JR山陰本線(嵯峨野線)「花園駅」から徒歩約10分、市バス「妙心寺北門前」バス停から徒歩すぐ 
Google map
【公式ホームページ】http://www.kameya-shigehisa.com/

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今回は一足早く春を感じるお菓子をご紹介させていただきました。まだ寒い日が続きますが、お菓子とともに小さい春を存分に楽しんでくださいね。

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文・写真:小倉夢桜 —Yume—
和菓子ライフデザイナー/ライター/フォトグラファー。京都五感処・京都Loversフォーラム代表。2012年よりホームページ『きょうの「和菓子の玉手箱」』を運営し、毎日京都の和菓子を紹介し続けている。現在は『月刊京都』(白川書院)で「月刊京都版・きょうの『和菓子の玉手箱』」を連載中。
【きょうの『和菓子の玉手箱』】http://kyoto-lovers-forum.com
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Written by. みさご

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