| 住所 | 京都市下京区木屋町松原上ル天王町142 |
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| 電話 | 075-352-3131 |
| アクセス | 阪急電鉄京都線「河原町駅」下車徒歩約7分 |
| 営業時間 | 9:00〜18:00 |
| 定休日 | 年末年始 |
豆腐は大陸から伝わり、仏教が伝来すると精進料理に取り入れられて発達した。特に禅宗が盛んになった室町時代、五山文化の隆盛とともに南禅寺辺りの料理屋で湯豆腐を出すようになった。このころから湯豆腐は京都の名物として認知されていたようだ。豆腐が庶民の口に入るようになるのは江戸時代。祇園社(八坂神社)の参道で売られていた豆腐の田楽「祇園豆腐」が有名だ。
寺院が多いという文化的土壌と、豊かで上質な京の水がはぐくんだ京豆腐。京都には、江戸時代から続く豆腐の老舗が数軒ある。その中の一軒、「賀茂とうふ 近喜」の六代目のご主人・林浩二さんに豆腐作りについてお尋ねした。
古地図に載っている場所は現在の場所よりもう少し北で、河原町通に近かったようです。近江国(滋賀県)から出てきた「近江屋 喜八」が創業したので三代目のころから「近喜」と呼ばれるように。当時は地下水が豊かだったようですが、今は鉄分が多くて地下水は使っていません。祇園豆腐が串に刺した田楽だったことからもわかるように、江戸時代の豆腐は今の木綿豆腐より、ずいぶん硬いものでした。
おいしい豆腐を作るには、濃く、しかもサラッとした豆乳を作らなければなりません。豆乳の濃度が低いと、水が切れやすく硬い豆腐になります。江戸時代はまだ濃い豆乳を作る技術がなかったようです。豆腐が洗練されてくるのは大正時代ごろからでしょうか。今のようなぷりんとした豆腐が一般的になるのは実は戦後のことです。戦時中、塩化マグネシウム(にがり)が手に入らなくなり、その代用として硫化カルシウムを使ったところ、豆乳の濃度が低くても軟らかな豆腐が作れるようになりました。大豆の量が少なくても豆腐を大量に作ることができるので、現在も使われ、さらに新しい凝固剤も登場しています。食感は良くても大豆の味が薄くなる難点がありますが。
「京とうふ」は木綿豆腐と絹ごし豆腐の間の硬さの豆腐をいい、うちの場合は「ソフト木綿」と呼んでいます。固まった絹ごし豆腐を木綿の布で包み重しをかけて作っています。うちの木綿はすべてソフト木綿ですね。京都ではこちらの方が好まれるようです。
畑(大豆畑)が一番大事です。何軒かの契約農家で大豆を栽培していただいていますが、その栽培方法はもちろん、乾燥の仕方まですべて指導し、収穫まで何度も見学に行きます。安心安全に食べていただきたいので、低農薬栽培をお願いしています。植える場所も重要。昔は大豆はあぜ道に植えたものですが、今は水田の転作として栽培することが多いので水はけが問題になってきます。水はけが悪いと同じ品種でもたちまち味が変わってしまうのです。乾燥も急激に行うと、せっかく育てた大豆が死んでしまいます。でも、加工品によってはこの方がいい場合もあったりして…。豆腐にはゆっくり自然乾燥するのが一番良いのですが。それから、収穫後のマメの劣化の見極めですね。マメは生き物。収穫してすぐは人間でいえば18、9歳。次の収穫までの間にどんどん年をとっていきます。年をとるとにがりに負けてしまうのです。年齢に合わせて、にがりの量や温度を調節してやらねばなりません。
大豆の品種も大切です。一般的に北海道や東北など北の大豆は甘味が強く、西で作られる大豆はタンパク質が多いのです。タンパク質が多いとコシのある豆腐になりますが、甘味が少ない。そこで、うちでは半々でブレンドして使っています。ただ、軟らかくて甘味のある幻(げん)豆腐は北の「さとういらず」のみ。その名のごとく甘味の強い品種です。一方、湯葉はタンパク質が少ないと膜を張りにくいため「エンレイ」などタンパク質の多い大豆を使います。ただ、うちでは甘味の強い北の大豆とブレンドして、ゆっくり時間をかけて膜を張らせています。油揚げは薄い豆乳で「揚げ地」と呼ぶ生地を作りますが、にがりが多いと揚げてもふっくら大きくなりません。油揚げにもタンパク質の多いものを使います。
うちでは安全でおいしい大豆を何種類も使い分け、ブレンドして使っています。きれいな緑色の豆腐やピンク色の豆腐など、大豆の品種によって作れるのですよ。
時代はまさに少量多品種。毎年2、3種は新商品を開発するよう努力しています。おやつ感覚で食べていただけるみたらし豆腐など、時代に合ったものを提案していきたいですね。でも、京都の豆腐屋ですので、あくまでも京都の伝統的な食文化から離れることなく、季節感を大切にした上品なものを作っていきたいと思います。
仕事の合間に鴨川沿いの道を歩くことです。植物園(北区)まで、川沿いに歩いていったりしますよ。春は桜、青葉に輝く山々、夏は納涼床も出て、秋は紅葉とユリカモメ。本当に京都はいいなー、と思います。





















