鎌倉時代の歌人・藤原定家が編んだ秀歌撰である小倉百人一首は今なお多くの人々に親しまれています。今回の企画展では、まず第一章で百人一首ゆかりの書や絵画を展示します。中でも定家の直筆とされる「小倉色紙」は、百人一首の原型を伝える貴重な作品です。第二章では百人一首の歌人の中から、17番「ちはやふる 神代もきかず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは」を詠んだ在原業平に着目。恋多き美男子・業平を主人公とし、和歌を中心に展開する『伊勢物語』を物語の場面を想起させるような絵画とともに読み解きます。百人一首と『伊勢物語』、二つの古典文学により親しむことのできる展覧会をお楽しみください。