「暦」に慣れ親しむまでは、太陽や月の動き、気温、草花の開化・落葉といった自然の移り変わりによって、日本人は季節と時間の経過を感じていました。暮らしの中には、そういった四季折々のいとなみや伝統を大切にする、さまざまな風習や行事が生まれました。また、茶の湯では、移りゆく季節、四季折々の変化を折り込みながら、茶室のしつらいや趣向、道具の取り合わせに心を配り、お客様を一服のお茶でもてなします。本展では、新春から春に行われる風習や行事をご紹介しつつ、春季(孟春・仲春・晩春)の時候、天候、動植物、人々の生活に因んだ季語にまつわる銘を展観します。樂歴代が表現する「春」。樂焼の「春らんまん」をお楽しみ下さい。