日本画家・堂本元次の生誕100年を記念した特別企画展を開催します。堂本元次（1923～2010）は京都に生まれ、京都市立美術工芸学校や京都市立絵画専門学校で学び画家を志しますが、昭和18年（1943）に繰り上げ卒業して出征、応召中の広島で被爆してしまいます。復員後、原爆症に悩まされながらも日展を舞台に活躍し、日本画家・堂本印象の長兄の女婿になるとともに印象に師事し、師の影響を受けながら現代的な風俗画や抽象画などさまざまなジャンルに挑みました。昭和54年（1979）の中国訪問以降は、中国の素朴な風景に魅せられ、同地に取材した作品を発表し、深い情熱を持ちながらもそれを抑制し穏やかな表現を展開させた作風が高く評価され、日展の重鎮としての地位を築きました。本展では、戦後の代表作をはじめ、絵画専門学校同窓生の作品や元次が学生時代に憧れていた先輩の作品なども紹介し、戦中・戦後を生きた堂本元次の画歴を振り返ります。