(左から)アジサイでにぐま(中・小)、菜の花でにぐま
皆さまは、“でにぐま”ってご存知でしょうか? 京都発のデニムブランド「京都デニム」が手がける、デニム地でできたくまのぬいぐるみなので、“でにぐま”と呼ばれています。ちょっと邪悪(に見える)な表情がかわいくて、一部マニアから熱烈に愛されている存在です。
この“でにぐま”ちゃん。最近では、季節に合わせたデザインの子が登場していて、春には桜や菜の花、初夏には抹茶、これからの季節にはアジサイをモチーフとした配色の子が店頭を飾ります。
京都生まれらしい、季節感あふれるでにぐまちゃん。しかも、ひとつひとつが手づくりで作られています。いったいどんな風に作られているのかな? と思い、「私もつくってみたい!」と、京都デニムの店長・宮本さんにお願いをしたところ「いいですよ~、やってみます?」とのお返事。通常は手づくり体験はされておらず、ブログでのレポート用に特別実施していただくことになりました♪
このミッションにチャレンジするのは、裁縫が苦手な(!)“みさご”と“とらみ”。さて、いったいどんな結果になったのでしょうか♪
\京都デニムの代表でデザイナーの桑山豊章さんにインタビューしています/
⇒京都xデニム? 京都デニムの想い
そもそも、“でにぐま”ちゃんってどんな子でしょう?
でにぐまファミリー。色柄もさまざま。4,700円~
今回、でにぐまちゃんづくりを教えてくださるのは、でにぐまの製作当初から携わっているという職人の田中さん。
田中さん 「最初は、“小物づくりができる人を探している”と言われたので来てみたら、このぬいぐるみを渡されて(笑) びっくりしましたよ。他に誰かできる人がいないか、聞いて回りました(笑)」
でにぐまちゃんが登場したのは、約8年前(2010年頃)。代表の桑山さんがアイデアを思いつき、型紙のパターンをつくるパタンナーさんや、田中さんを含めた製作チームと協力して現在の形に作り上げたそうです。
宮本さん 「元々は、残った布地を再利用する目的でつくりはじめたものでした。口の部分は、昇苑くみひもさんの組紐ですが、これも長さが足りなかったりして使われなかった部分を活用していました。おかげさまで人気が出てきて、今では、でにぐまのために布を染めたりしています(笑)」
最近では、うさぎやぶた、かえる、さるなど、くま以外の「でに○○」も登場し、ずいぶんファミリーが増えました。今回挑戦するのは、シンプルに「くま」。小サイズで高さ11センチほどです。
\愉快なでにぐまファミリー。詳細はこちらを見るデニ!/
⇒「でにくまワンダーランド」サイトへ
でにぐまを形作るパーツは、前身頃や後身頃など、約11の型紙からつくられています。つまり、11枚の布を組み合わせてつくっているということ。こんなに小さなぬいぐるみなのに、手が込んでいますね・・・
布地は伝統技法の友禅染で染められ、口ひもは京くみひも。使われている金糸・銀糸も、金銀糸の生産量日本一の本場・城陽市の業者さんから着物に使う糸を仕入れているという、本格派。・・・かわいい顔をして“京都”を背負う、でにぐまちゃんです。
これらのパーツをミシンを使って縫い合わせていくそうなのですが、今回は体験ということで、あらかじめ身体部分はご用意いただき、口・目・手足を付ける作業をさせていただくことに。
ボタンと組紐で表情が決まる!
作業前のでにぐまちゃん。まずは、口を金糸・銀糸で完成させていきます。組紐を金銀糸でバッテンに縫い合わせていくことで、表情が生まれてきます。
簡単そうに見えますが、「意外に難しいねん!」と、早速とらみさんの悲鳴が。バッテンがきれいに見えるように縫うのが、大変のよう。
「針を持つのも久しぶりやし・・・ まず、針に糸を通すのができひんねん~(涙)」
・・・前途多難です。
口が完成したら、次は目。まち針で大体の目の位置を決めます。
かわいいでにぐま作ってね☆ ボクらも応援してるデニ~♪
でにぐまちゃんの体内には、綿がぎっしり。顔や身体がつぶれたりしないよう、かたくて頑丈に作られています。そのため、針を通すのも一苦労・・・
田中さんはスイスイと針を通していくのですが、とらみさんは悪戦苦闘・・・ 目を縫い付けるために使う金糸・銀糸を何度も刺したり引いたりしていると、箔が落ちてきてしまうのです。糸が緩んでいると目が飛び出してしまうので、最後までしっかりと縫い付けていきます。
左がとらみ作、右は田中先生作。
「かたい!」と叫びながらも、なんとか目を付けることができました。すでに表情が出てきていますね。
手足パーツにさらに苦戦! 手芸って大変だ・・・
今度は、手足パーツに綿を詰めていくのですが、これもまた大変! しっかりかたくするには、かなりの量の綿を詰め込まねばなりません。そして、かたく仕上げるために、やわらかな綿ではなく、より丈夫な“再生綿“を使用されています。となると、腕、胴体を重ねていく作業の困難さは、想像に難くありません・・・
手足は、稼働できるように一本の糸でつなげて縫います。身体を横切って糸を通されるでにぐまちゃん。これが・・・ かたいっ! そして、手足にも装飾用のボタンを付けるのですが、ボタンの穴に針を通すのが、これまた難しい作業だったのです。
再生綿、デニム地を貫くのは大変な力がいります。なので、ペンチを使って針を抜く! この作業を繰り返します。
苦心の末に、手足を付けられました! 何度も針を突き刺してしまった私。・・・でにぐまちゃん、痛くしてごめんね~(涙) 本来であれば、手足の布地は別の柄にしたり工夫されているのですが、今回はそんな余裕もなく同じ黄色を付けてしまいました。配色まで考えるのは、経験が要りますね!
ようやく完成の2体です♡ 実はこの子たち、背中に・・・
「京都デニム」のロゴと、特別に「そう京」ロゴも付けていただきました! 先生に手伝っていただきながら完成したでにぐまちゃんは、愛着もひとしおです♡ ひょっとしたらこれから、ブログのどこかに登場するかも・・・?(笑)
でにぐまちゃんづくりは、慣れた職人さんでもひとつ作るのに半日はかかるそう。なるほど、体験してみてよくわかりました・・・ この作業は大変です! そりゃあ、時間がかかります! そして、職人さんたちがひとつひとつのパーツを丁寧に作り上げているからこそ、でにぐまちゃんの愛嬌のある表情も生まれてくるのだなぁと実感・・・
店長の宮本さんと、でにぐま職人・田中さん。
宮本さん 「でにぐまちゃんは、少し難しかったですかね~(笑)」
そうですねぇ(泣) でも、久しぶりの手芸に、私もとらみさんも、大興奮! ひたすら針先に集中することで、気持ちがリセットできました♪ これ、働いている女性にいいかもしれません!?
田中さん 「もし、体験してみたいという方がいらっしゃれば、中の綿を柔らかいものに替えたら、作りやすくなるかも」
宮本さん 「実はこれから、京都デニムでは“体験”を重視していこうと思っています。6月頃から、友禅染めの手染め体験ができるように準備を進めているところなんですよ♪」
手染め体験! 京都駅から歩いて行ける距離で手染めの体験ができるのは貴重なことです。ショップのそばに工房の準備もされているそうなので、今後の動きに乞うご期待! です♪
そして、もし力がいらずにでにぐまちゃんづくりができるようであれば、もう一回体験してみたいな~、と思いました。宮本さん、田中さん、ぜひお願いいたします!(笑) ありがとうございました♪
【営業時間】10:00~20:00
【定休日】無休
【電話】075-352-1053
【アクセス】JR「京都駅」烏丸口から徒歩約5分 Google map
【公式ホームページ】http://kyoto-denim.jp
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\「昇苑くみひも」で組紐体験もしています!/
⇒「宇治の町家で、体験! 京くみひもの世界」