2018年秋・特別公開! アートな京都のお寺5選

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妙心寺 大雄院

アートを感じたい秋、京都のお寺で襖絵鑑賞はいかがですか? 昨年(2017年)は“撮影可能”なSNSにアップしてみたい襖絵や天井画をご紹介しましたが、今回は、この秋“特別公開”される襖絵に注目してみました。狩野派などの歴史あるものから、現代アーティストによる華やかなものまで、どれも個性豊か。今だけの特別な機会をお見逃しなく!



【9/1~12/16】大徳寺 真珠庵「特別公開」
マンガにアニメ・・・ 鬼才のクリエーターが手がけた襖絵


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北見けんいち「楽園」


一休さんゆかりの大徳寺 真珠庵(しんじゅあん)では、2018年9月1日(土)より特別公開が行われています。見どころは、約400年ぶりに新調された襖絵。マンガやゲーム界から鬼才のクリエーター6人が集結し、“なんでもあり”をコンセプトに多彩な作品が描かれました。

一休禅師木像(重文)を祀る室中にはまるのは、『釣りバカ日誌』でお馴染みの漫画家・北見けんいちさんによる「楽園」16面。鹿児島県与論島を舞台にした賑やかな情景が描かれ、一休さんも微笑ましく眺めていらっしゃることでしょう。数多くの人々のなかには、実は、真珠庵のご住職の姿も描かれているそう! どの人物か気になる方は、現地スタッフさんに尋ねてみて。


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伊野孝行「オトナの一休さん」


テレビアニメ『オトナの一休さん』のイラストレーター・伊野孝行さんは、大書院にある5面の襖絵を担当されました。驚くことにこちらの一休さん、かなり気持ち良さげにカラオケに興じています! ちなみに歌われているのはテレビアニメのテーマソングなのだとか♪ 事前に歌を聴いてから訪れるとイメージしやすいかもしれません(笑)

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土佐光起「花鳥図」


新しい襖絵だけでなく、滅多に入ることのできない書院「通僊院(つうせんいん)」(重文)も要チェック! 室内では狩野元信筆と伝わる水墨山水画や、土佐光起筆とされる金碧画など、お寺ならではの歴史を感じる襖絵にお目にかかれます。古今のさまざまな襖絵を楽しみたい方は、ぜひ訪ねてみてください。

■大徳寺 真珠庵 「特別公開」
【日程】2018年9月1日(土)~12月16日(日)
9:30~16:00(受付終了)
※10月19日(金)~21日(日)は拝観休止
※書院「通僊院」と茶室「庭玉軒」は未就学児の拝観不可
【料金】1,200円
【場所】大徳寺 真珠庵 詳細情報はこちら
【問合せ】075-231-7015(京都春秋)
【公式ホームページ】 http://kyotoshunju.com/?temple=daitokuji-shinjuan-2

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【9/15~11/25】聖護院「特別公開」
皇室ゆかりのお寺を彩る、絢爛豪華な襖絵


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平安神宮の北に位置する聖護院。明治まで代々、皇族が門主(住職の意)を務め、一時は「仮御所」にもなった皇室ゆかりのお寺です。その格式の高さを物語るように、建物内部は絢爛豪華な金碧障壁画100余面に彩られ、毎年秋に行われる特別公開でご覧いただくことができます。


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障壁画を手がけたのは、江戸中期を代表する絵師、狩野益信と狩野永納。大玄関から宸殿まで、老松や孔雀、鶴など、部屋ごとに異なる題材の襖絵が待ち受けています。色彩が美しいこちらの障壁画、実は300年以上前に描かれた現物がそのまま飾られているのです! それだけでも驚きなのですが、間近に拝見できる部屋もあり、襖絵好きにはたまらない特別公開となっています。


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そのほか、ぜひ注目いただきたいのが、書院(重文)。後水尾天皇の女院御殿を移築したもので、床の間や欄間などに女性らしさを感じる工夫がされています。私のお気に入りはこちらの釘隠し。ラブレターを表す、可愛らしい折文になっているんですよ。細部まで凝られたお部屋も、じっくり鑑賞してみて。

■聖護院「特別公開」
【日程】2018年9月15日(土)~11月25日(日)
10:00~16:00(受付終了)
※10月11日(木)~15日(月)、29日(月)は拝観休止
【料金】800円
【場所】聖護院 詳細情報はこちら
【問合せ】075-771-1880
【公式ホームページ】http://www.shogoin.or.jp/
【特別公開ホームページ】http://kyotoshunju.com/?temple=shogoin



【10/6~12/9】宝厳院「秋の特別拝観」
エキゾチックな襖絵。微笑ましい引き手にも注目♪


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嵐山・渡月橋のそばにたたずむ宝厳院(ほうごんいん)は天龍寺の塔頭で、毎年春秋に特別公開されています。江戸時代の京都ガイドブック『都林泉名勝図会』に掲載された「獅子吼(ししく)の庭」が有名ですが、平成に描かれたエキゾチックな襖絵にも注目したいところ。


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それがこちらの「風河燦燦 三三自在(ふうがさんさん さんさんじざい)」。洋画家・田村能里子さんが描いた58面におよぶ大作で、2008年の本堂再建の際に奉納されました。襖絵といえば水墨画や日本画が一般的ですが、アクリル絵の具で描かれ、“タムラレッド”と呼ばれる独特の赤が特徴。引き手にはウマやゾウといった、微笑ましいモチーフがはめられています。眺めていると、なんだか絵本の世界に入りこんだような気分になりそう♪


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■宝厳院「秋の特別公開」
【日程】2018年10月6日(土)~12月9日(日)
    9:00~17:00(受付終了16:45)
【料金】500円、本堂500円 ※弘源寺割引共通券は900円
【場所】宝厳院 詳細情報はこちら
【問合せ】075-861-0091
【公式ホームページ】http://www.hogonin.jp/



【10/6~12/9】弘源寺「秋の特別拝観」
竹内栖鳳一門ゆかりのお寺。季節感あふれる襖絵&天井画


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続いてご紹介するのも天龍寺の塔頭、弘源寺(こうげんじ)。天龍寺の総門をくぐり参道の右手にあります。宝厳院と同時期に特別公開され、お得な共通券も発行されているので、2ヵ所合わせて訪れるのがおすすめです。

第1回文化勲章を受章した日本画家・竹内栖鳳(せいほう)をはじめ、その一門の作品を多数所蔵する弘源寺。特別公開では日本画をはじめ、栖鳳の画塾「竹杖会」のメンバー総勢24名による「扇面貼交屏風」「嵯峨野名所色紙貼交屏風」をご覧いただけます。ちいさな扇には、松茸や柿といった秋の味覚をはじめ、紅葉、四季折々の花が描かれ、心を和ませてくれます。


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特別公開では、境内にある毘沙門堂の毘沙門天立像(重文)もご開帳されます。仏像はさることながら天井画にもご注目を! 「嵯峨面」の名手として知られる日本画家・初代藤原孚石(ふせき)による、色とりどりの四季草花48面が描かれているのです。ぜひ、堂内を覗きこんでみてくださいね。

■弘源寺「秋の特別公開」
【日程】2018年10月6日(土)~12月9日(日)
    9:00~17:00(受付終了16:45)
【料金】500円 ※宝厳院割引共通券は900円
【場所】弘源寺 詳細情報はこちら
【問合せ】075-881-1232
【公式ホームページ】http://kogenji.jp/



【11/9~24】妙心寺 大雄院「秋の特別拝観」
写真撮影OK! 「襖絵プロジェクト」で誕生した襖絵


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臨済宗妙心寺派の大本山・妙心寺の塔頭、大雄院(だいおういん)。創建は慶長8年(1603)、江戸末期から明治初期に活躍した“知る人ぞ知る天才絵師”柴田是真(ぜしん)による72面もの襖絵が遺ることで知られています。そんな大雄院では現在、是真が「明治宮殿」(かつての皇室の中心的施設。戦火で消失)の千種の間に描いた傑作「花の丸図」を復活させる「襖絵プロジェクト」に取り組まれています。


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千種の間は、100種を超える草花が格天井(ごうてんじょう)いっぱいに描かれ、とても華やかなお部屋だったそう。「花の丸図」も戦火で消失しましたが、残された下絵を元に襖絵制作を進められています。描くのは、日本で唯一の宮絵師・安川如風(にょふう)さん。「秋の特別拝観」では、全18面のうち完成した10面が公開されます。四季折々の美しい“花の丸”のそばには、惹きつけられるように集まる可愛らしい鳥や虫。写真撮影も可能ですので、京都旅の思い出の1ページにいかがですか。


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■妙心寺 大雄院「秋の特別拝観」
【日程】2018年11月9日(金)~24日(土)
    10:00~16:00(受付終了)
【料金】600円
【場所】妙心寺 大雄院 詳細情報はこちら
【問合せ】075-463-6538
【公式ホームページ】https://www.daiouin.com/

Written by. かりー

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