改元前に訪れたい! 皇室ゆかりの仁和寺へ

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当日レポート ~2019年1月13日実施~

 

 

今年(2019年)の5月に改元が行われるとあって、世間も新しい時代の到来に期待が高まりつつあるようです。「そうだ 京都、行こう。」ではそのムードにのって、「改元を前に京都で学ぶ」と題したシリーズイベントを実施。第1回は元号をお寺の名前に用いた「元号寺」であり、門跡寺院としての格式を誇る仁和寺を訪れました。

当日のイベントの様子とともに、仁和寺が“皇室ゆかり”であることが分かる拝観ポイントをご紹介します♪ これから仁和寺の拝観を考えている方も、ぜひご覧ください。

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御殿 玄関

 

 

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御殿

 

 

お寺をご案内いただいたのは、僧侶の幡山(はたやま)さん。まずは白書院・黒書院・宸殿からなる御殿へ。お庭を目指してすぐに奥へと進みたくなりますが、じつは玄関を入ったところに見どころがあります。

 

 

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ひとつめは、玄関の正面に飾られたいけばな。立て札に書かれている御室(おむろ)流とは、仁和寺を創建した初代門跡の宇多法皇を流祖とする華道の流派です。いけばなにはたくさんの流派がありますが、天皇ゆかりの流派が受け継がれていると聞くと、あらためて仁和寺の格式の高さを感じますね。

さらに、玄関には見どころがもうひとつ。いけばなから時計回りに90度方向転換して目を上に向けると、世界遺産登録の認定証が飾られています。仁和寺は平成6年(1994)に「古都京都の文化財」のひとつとして登録されました。「こんなところに飾ってあったなんて!」仁和寺に何度も訪れているという方も、見逃していたと驚きの表情。

 

 

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“元号の歴史”については、講義時間をとって、しっかりと学びます。講師は京都産業大学 法学部 准教授の久禮旦雄(くれ あさお)先生にお務めいただきました。

日本で初めて用いられた元号は「大化」。教科書で習った「大化の改新」で馴染み深いですね。「時代を区切る、特徴づける、という意味でも元号は重要な役割を果たしています」と久禮先生。確かに、西暦を使って“645年の改新”といわれても、なんだか味気ないですよね。

また、今でこそ天皇の即位ごとに改元する「一世一代」が浸透していますが、じつはこのルールが決められたのは明治になってからのこと。それまでは、天皇の即位に加えて、良い兆しがあらわれたことにちなんだ「祥瑞(しょうずい)改元」、暦にあわせて定期的に行われる「革年改元」、天変地異による「災異改元」というように、改元の理由が複数あり、平成にいたるまでなんと247の元号があります。「いくつ言えるかな・・・」と内心ひやり。

「中国に始まった元号が現代においても用いられているのは、世界でも日本だけ。だからこそ、この文化を大切にしていきたいですね」久禮先生の言葉に、あらためて新元号への期待が募るひとときになりました。

 

 

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御殿 北庭

 

 

ふたたび、幡山さんのご案内で拝観へ。御殿では、宸殿の北側と南側で雰囲気の違うふたつのお庭を鑑賞することができます。昨年(2018年)9月の台風21号によって宸殿の屋根が破損してしまったため、現在工事のための足場が組まれていますが、その間から五重塔(重要文化財)を望みました。

注目ポイントは五重塔の手前に見えるお茶室「飛濤亭(ひとうてい)」(重要文化財)。江戸時代、仁和寺第28世の深仁法親王の在位中に、光格天皇が仁和寺に行幸することになり、光格天皇の好みにあわせて建てられたそうです。

通常、お茶室というと頭を下げて入る“にじり口”がありますが、光格天皇に頭を下げさせるわけにはいかないということで、「飛濤亭」にはにじり口がありません。

じつは深仁法親王は光格天皇の異母兄。「天皇という大変な立場にある弟が少しでもくつろげるように。そんな想いでお茶室が作られたと伝わっています」と幡山さん。ふたりがお茶室でどのような会話を楽しんだのか、遠くに見えるお茶室を見ながら想像するのも良いですね。

 

 

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霊明殿

 

 

続いて、“皇室ゆかり”の拝観ポイントは御殿奥にある霊明殿です。仁和寺の歴代門跡のご位牌が祀られているのですが、こちらは明治維新とも関わりの深い場所。

最後の皇族出身門跡であった第30世純仁法親王は、王政復古に伴い還俗し、「鳥羽伏見の戦い」では征夷大将軍を務められました。その際に、かの有名な“錦の御旗”が登場するわけですが、なんと、この旗はもともと霊明殿の水引として使われていた布を旗に仕立てたものだそうです。

「“錦の御旗”と聴くと“赤地に菊の御紋”を連想する人が多いと思いますが、実際に使われた水引は白地に金糸で雲の模様が描かれたものでした」と教えていただきました。今でも御旗は仁和寺で大切に保管されているといいます。昨年、明治150年を記念して特別公開されたということですが、次の機会が待ち遠しい限りです。

 

 

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勅使門

 

 

御殿を出て御室桜が植えられたエリアに向かう途中、勅使門をご案内いただきました。勅使門は皇室の方が参拝する時と、年に1度、福王子神社のお神輿が渡御する時以外は固く門が閉ざされています。

その事情を知っている会員様が「あれ! 今日は開いている!」とびっくり。こちらも台風21号の影響で細工が破損したため、修復期間中のみ扉が開けられているということでした。普段見られない光景を写真に収める会員様。その時々の出会いがあるからこそ、同じお寺でも何度も足を運びたくなりますね。

 

 

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金堂

 

 

中門を通ると、その先には仁和寺のご本尊を祀る金堂があります。現在、第53回「京の冬の旅」で経蔵とあわせて特別公開中ということで、イベント当日もたくさんの方がお越しになっていました。

金堂は現存最古の紫宸殿の遺構として国宝に指定されています。御所にあった際は檜皮葺だったそうですが、仁和寺に移されると瓦葺きに。さらに、内部には須弥壇が設けられ、壁面には色鮮やかに浄土図が描かれています。

しかし、紫宸殿の時から変わらない点も。たとえば、建物の正面に取り付けられ、上下に開く蔀戸(しとみど)。2018年12月に修理が行われたばかりとあって、金具は美しく輝いているのが写真でもお分かりいただけるはず。他にも、堂内の天井板が張られていないということなど、ポイントを教えていただきました。

2019年3月18日(月)まで特別公開が行われていますので、気になる方はぜひ拝観を(期間中、拝観除外日がありますので、ご注意ください)。

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観音堂

 

 

イベントは金堂で終了の予定でしたが、急遽サプライズで通常非公開の観音堂も特別に拝観させていただきました。

観音堂は約5年にわたる半解体修理が終わったばかり。近くで見ると、瓦や金具の美しさがよく分かります。さらに中に入ると、色鮮やかな壁画にうっとり。「昨年、金堂の裏堂の壁画が公開されて、その美しさに驚きましたが、観音堂もこんなにキレイに色が残っているとは」と驚く会員様。「そう京」イベントならではの特別感を大いに満喫していただけたようです。

ここで「堂内の様子が気になる!」という方に朗報です。今年の春、観音堂の落慶法要が行われたあと、一般向けに特別拝観が実施されます! 5月15日(水)~7月15日(月・祝)と9月7日(土)~11月24日(日)に2回に分けて公開されるそうですので、詳細が気になる方は仁和寺 拝観課(075-461-1155/9:00~17:00)にお問合せください。

講義と拝観を通して、新元号への想いが募るばかり。京都には皇室ゆかりの場所がたくさんありますので、ぜひ皆さまもこの機会に訪ねてみてくださいね。

特別な機会を設けていただいた仁和寺の皆さま、幡山さん、久禮先生、そして、ご参加いただいた皆さま。どうもありがとうございました! 次回のレポートもお楽しみに♪

 

 


これから拝観を考えている方におすすめ! 仁和寺特別プランのご案内

■京都の世界遺産 いちばん乗りツアー
~世界に愛される禅寺「龍安寺」と五大明王壁画が眠る「仁和寺」巡り【貸切バスツアー】~
現在、仁和寺 金堂は京の冬の旅で公開されていますが、五大明王壁画が描かれている金堂の裏堂は見ることができません。このプランでは、なんと、参加者限定で金堂の裏堂へご案内♪ あわせて龍安寺の早朝特別拝観もお楽しみいただけます。

【日程】2019年3月10日(日)
【旅行代金】おひとり様3,500円(おとな、こども共通)
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■「そう京」会員様におすすめ♪ 仁和寺 御室桜苑ライトアップ
一般拝観終了後、約230本の御室桜をライトアップ! ぜひ、今年の春は仁和寺へお越しください♪

【日程】2019年4月13日(土)・14日(日)<計2日間>
【参加料】1,000円 ※当日、「そうだ 京都、行こう。」エクスプレス・カードのご提示が必要です
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Written by. シュガー

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