“京トレの聖地” 大文字山を登る。

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山の日ボード
 

気軽に行く、京トレ 2


三方を山に囲まれた町、京都。「京都の山に登りたい!」という山好きスタッフによる「京トレ」シリーズが、さっそく2回目の登場です♪ ※第1回目の「愛宕山登山」はこちらから
(「京トレ」は“京都トレッキング”の略称です。けして“京都トレーニング”ではございません・・・ )


さて、第2回目の「京トレ」は、東山にある「大文字山」を登ります!


東山? 大文字山? という方のために。


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東山」は、新幹線で京都駅に到着したとき、東に見える山々のことです。 ちなみに、京都の町の北に連なるのが「北山」で、西に連なる山々が「西山」。わりとそのまんまの名称ですね。


東山は「東山三十六峰」と総称され、その名の通り、北は比叡山から南は伏見稲荷大社のある稲荷山まで36の山々が連なっています。なだらかな稜線が美しいこんもりとした連山で、今回挑戦した「大文字山」は、そのちょうど真ん中くらい。東山連峰の主峰である如意ヶ嶽(472m)の西峰になります。


毎年8月16日には「五山の送り火」が行われ夏の風物詩となっているので、「あ~、あの山ね」と、言わずもがな、かもしれませんね。ところで、くっきりと山肌に浮かぶ「」の文字。いったい、いつ頃から山に描かれているのかといえば、実は、正確なことはわかっていないそうなのです。平安時代の空海の書を元にしているとか、室町時代に足利義政が発案したとか、江戸時代・寛永の三筆と称された近衛信尹(このえのぶただ)の筆であるなど、諸説あるようです。現在では、山麓の住民によるNPO組織「大文字保存会」の方々によって山の保全と送り火の運営が行われています。


標高は466m。あまり高い山ではないこと、市街地から近いこと、銀閣寺の北側から登る登山道が整備されていることなどから、気軽に登ることのできる京都トレッキングのメッカとして親しまれています。毎日登っているという方や、犬の散歩をしている方も見かけます♪


蹴上駅から日向大神宮を越えて、大文字山へ。


登山決行日は「山の日」、8月11日です。それだけに登山者が多いだろうなぁ、ということで、今回は正攻法のルート(銀閣寺の北側から登る道)をとらずに、南側からいくつかの山を越えて大文字山へと至る縦走ルートを歩くことにしました。


★9:30 出発


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集合は「蹴上(けあげ)駅」。ここから南へ山科方面へと少し坂を上ると、「日向(ひむかい)大神宮」の鳥居が見えてきます。日向大神宮は“京の伊勢”とも呼ばれ、天照大御神をお祀りしています。まずはこちらの神社の境内を目指して歩きます。Google map


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山に抱かれた静かな境内では、ちょうど外宮の茅葺き屋根の葺き替え作業中。なかなか見られない光景です♪


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内宮の横手に「天の岩戸」へと向かう山道があり、そこから山の奥へと続く「京都一周トレイル」の登山道があります。
「京都一周トレイル」は、 京都の東山・北山・西山を巡る全長約83.3キロのコースと京北地域を巡る全長約48.7キロのコースからなり、京都府山岳連盟が整備されています。もし、京都の山に興味をもたれたら、下記サイトをご覧になってみてくださいね♪
■京都一周トレイル https://kanko.city.kyoto.lg.jp/trail


一瞬にして山道に!


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いよいよトレイルコースに入り、登山開始です! 街なかに近い山だからって油断は禁物。いきなりの山道です。といっても、なだらかな道が続くので、足下に気をつけつつサクサク進んでいきます。なんとなく、お散歩気分になってきます♪


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とはいえ、やっぱり坂道もあります。でも、急坂は比較的少ないので、それほどしんどくなることもなく登っていけます。途中には、山科を見下ろす眺めのよい場所もありました♪ 穏やかなアップダウンを繰り返し、大文字山の山頂に着いたのは、出発から約2時間後。暑い盛りの登山であり、水分補給休憩も多く取ったので、わりと時間がかかりました。


★11:30 山頂に到着!


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山頂

山頂には、シニアの登山者グループや、お父さん・お母さんに連れられた子どもたちのグループなど、山の日らしく、たくさんの方が訪れていました。私たちもここで、お昼休憩です♪


“かりー”さんが用意してくれた「山の日ボード」を持って、ハイチーズ♪ 曇り空の日だったのですが、このときは少し晴れ間が出て、のんびりごはんを楽しめました♪(カップラーメンでしたが)
さて、ここは山頂であり、「大」の字が灯る“火床(ひどこ)”はここよりも約130メートルほど下の場所になります。早々に荷物を担いで、出発です!


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なだらかな山道を下っていくと、なんと、野生の鹿に遭遇! 夏毛らしく「斑点がありますね」と、“きのこ”部長。食害の被害があるなど、けっしてかわいいとばかりはいえないのですが、それでも山道で野生の鹿に出会えるなんて! と、嬉しい気持ちになりました。・・・これがもしクマやイノシシだったら・・・ と思うと、背筋が寒くなりますが・・・ 今回のルートの途中でもイノシシの掘った穴があったので、万が一にも遭遇しないとは限りません。街が近いからといっても、山は山。ある程度の心構えも必要ですね。


★12:30 火床に到着!


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ご覧ください、この爽快感あふれる景色! どんより曇ってしまいましたが(笑) それでも、この見晴らしはすばらしい! 木々がないので、京都市街をすっきり見渡せるのが、大文字山の特徴ですね。とんぼの群れが飛び交い、つばめが目線より下を飛んでいき、まるで空に浮かんでいるかのような気持ちに。じっと見ていると落ちていきそうで、少し怖くなります(笑)



火床から京都の街を堪能したら、あとは一目散に下るだけ。銀閣寺の北側に出る正規のルートに入ると、これから火床へと向かうたくさんの人に出会います。サークルで登っているとおぼしき大学生たちや、法螺貝をふきながら(!)登る人も。その方たちに「こんにちは!」とご挨拶すると、向こうも「こんにちは! 」と返してくれます。こんなやり取りができるのも、山登りの醍醐味です♪ 人里が近づくにつれ、車の音や、吹奏楽部の演奏の音、様々な音が聞こえてきます。


★12:50 登山終了!



銀閣寺脇の山道から、銀閣寺正門前の参道へ。汗だくの身体で観光地を歩くのは少し気恥ずかしいですが、なんとなく「やってやったぜ」感が出てしまいます(笑) ついつい、道行く人に「こんにちは!」と声をかけそうになるのもご愛敬。



そして、白川通まで辿り着いたら、名物の「銀閣寺キャンデー」をパクリ! この美味しさを実感するために、この暑い盛りに山に登ったといっても過言ではありません!


約4時間ほどの、大文字山トレッキング。初めての方は、正攻法のルートを辿って、まずは大文字山の景色を楽しまれることをおすすめします! 火床でのんびりするとして、おそらく初めての方でも3時間ほどで登って下りてこられるかと思います。いよいよ9月、トレッキング向きの気候となりますので、ぜひ京都旅行のついでにチャレンジしてみてくださいね♪


■大文字山
【アクセス】市バス「銀閣寺道」バス停から徒歩約10分で登山口へ Google map


■日向大神宮
【参拝時間】境内自由、授与所9:00~17:00
【参拝料】境内無料
【電話】075-761-6639
【アクセス】地下鉄東西線「蹴上駅」から徒歩約15分 Google map
【公式ホームページ】http://www12.plala.or.jp/himukai/


■銀閣寺キャンデー店
【営業時間】11:00~19:00(土曜日は20:00まで、日曜日は13:00~20:00)
【定休日】火曜日、第2日曜日・月曜日
【電話】075-771-5349
【アクセス】市バス「銀閣寺道」バス停から徒歩約1分 Google map



【参加スタッフからのひとこと】
◆きのこ隊長「山の中にはいろいろなきのこが生えていますが、写真を撮るだけにしてくださいね♪ 」
◆かりー部長「山の日ボードは、“いいな”と思ったサイトの画像をコラージュしています。許可なしでゴメンナサイっ! 」
◆みさご平部員「いつもの登山ルートとは違う縦走ルートでしたが、山並みも穏やかで楽しめました♪ 毎回これくらいだといいのですが・・・ 」

Written by. みさご

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