“日本の白”、胡粉(ごふん)をご存知ですか

  • その他・お知らせ
胡粉イベント1
 

 

2017年11月11日(土)実施イベント!

 

 

ふっくら可愛らしい、伝統的な御所人形。お肌の柔らかな白色には、日本古来の顔料である胡粉(ごふん)が使われています。お人形の他にも日本画や社寺建築など、日本で“白”を表現するのに胡粉は欠かすことのできない存在です。しかし、いったい胡粉は何で出来ていて、どうやって作られているのでしょうか。

 

 

「そう京イベント」では、宇治で胡粉を製造しているナカガワ胡粉絵具株式会社(通常非公開)を訪ね、その魅力に迫るイベントを11月11日(土)に実施します! 気になるイベント内容を、胡粉の解説を交えつつご紹介しましょう♪

 

⇒「そう京イベント」 は、会員限定で京都の伝統や文化に親しむ催しです。詳しくはこちらをご覧ください。

⇒11月11日(土)実施イベント「白き芸術 胡粉のめくるめく世界」の詳細はこちらをご覧ください。

 

あの白色は、年代物の貝で出来ている!

 

 

胡粉イベント2

 

 

胡粉の正体、それは貝! ナカガワ胡粉絵具では瀬戸内海産の天然のイタボガキだけを使用しています。数ある貝のなかでも、上質な白が表現できるのはイタボガキだけ。今では環境問題などにより採取しづらくなり、貴重な資源となっています。しかも、そのまますぐに使えるというわけでもないのです。

 

 

胡粉イベント3

 

 

顔料にするにはイタボガキを粉砕しなければなりません。しかし硬い貝殻を細かく砕くのは至難の技。そこで、貝殻をもろくするために天日干しが行われるのですが、その期間は驚きの10年~15年! ナカガワ胡粉絵具の敷地では、大量の貝殻が天日干しされています。写真ではひと山しか写っていませんが、周りも貝殻の山だらけ。ぜひイベントで圧巻の光景をご覧ください。

 

 

工場見学はいくつになってもワクワクします

 

 

胡粉イベント4

 

 

天日干しされた貝殻は工場に運ばれて、さまざまな段階を経て細かくなっていきます。ご覧の写真は、重さ60kgの柱が上下に動き、その衝撃で砕く「スタンプミル」という作業です。柱は全部で14本あり、ドスンドスンという大きな音に圧倒されます。

 

 

胡粉イベント5

 

 

次に登場するのは石臼。宇治といえばお茶の産地ですが、抹茶の原料である碾茶を挽く際にも石臼が使われますね。「胡粉も石臼を使うなんて、宇治らしい! 」と感じたのですが、お茶が「乾式粉砕」であるのに対して、胡粉は水で冷ましながら砕く「湿式粉砕」。「水」と「石臼」というキーワードは、なぜ宇治が胡粉の産地なのかという問いにも繋がります。詳しくはイベントで教えていただきましょう。

 

 

薄く伸ばすことが難しい!

 

 

胡粉イベント6

 

 

さまざまな工程を経て、最終的にはとろ~りとした状態に。硬い貝殻がここまで変化する驚きの製造工程についても、イベントでは詳しく解説していただきます。ここから、またもや屋外で天日干しへ。

 

 

杉の板に薄く伸ばす様子から「板流し」と呼ばれる工程で、約10日間乾燥させます。この均一に薄く伸ばす作業が、まぁ難しい! 私も挑戦したのですが、部分的に盛り上がってしまって、最後は泣く泣く職人さんに手直しをお願いしました…。さすがの職人技、ぜひご覧いただきたい光景です。

 

※「板流し」は屋外で行うため、イベント当日が雨天の際はご覧いただけません。あらかじめご了承ください。

 

最高級の胡粉の出来上がり♪

 

 

胡粉イベント7

 

 

貝殻から胡粉になるまで、なんと月日の長いことでしょう。手塩にかけて作られたナカガワ胡粉絵具の商品は有名な日本画家にも愛用されているそうです。

 

 

胡粉イベント8

 

 

ナカガワ胡粉絵具では、岩絵の具の製造も行っています。ご覧ください、色とりどりの岩絵の具! 「若葉」、「水浅黄」、名前の美しさもさることながら、やはり色のグラデーションに見とれてしまいます。イベントでは岩絵の具の陳列棚も見学させていただきます。

 

 

企画者のちょっとした「こだわり」をご紹介

 

 

胡粉イベント9

 

 

工場見学のあとは、胡粉や岩絵の具を使う体験の時間をご用意。下絵が描かれたハガキ大のボードに塗り絵をするだけなので、どなたでも安心してご参加ください。じつは企画当初のイラストはゆりの絵だったのですが、せっかくの“芸術の秋”ということで、無理をいって秋らしい紅葉の塗り絵に変更していただきました。(なんと、イベントのためにイチからイラストを手書きしていただきました! )希望者は専用の額を購入することができますので、素敵な京都旅行のお土産になりそうですね。

 

 

ナカガワ胡粉絵具は、美術系の学校など特定の見学しか受け入れていらっしゃいません。今回は本当に特別な機会ですので、どうぞお見逃しなく!

 

⇒11月11日(土)実施イベント「白き芸術 胡粉のめくるめく世界」の詳細はこちらをご覧ください。

Written by. シュガー

おすすめコンテンツ