北野天満宮の“天神市”に行ってみた。

天神市

取材日:2017年12月25日(月)

東寺で開かれる“弘法市(弘法さん)”とともに、京都の“二大骨董市”の一つとして知られる北野天満宮の“天神市”。地元では、神社の愛称と同じく“天神さん”の名で親しまれ、大勢の人で賑わいます。が! 実は私“カツオ”は、じっくりと楽しんだことがありません… 「“弘法さん”は行ったことがあるけど、“天神さん”は行ったことがない」という私のような方はきっといらっしゃるはず。その実態はどのようなものなのかを覗いてきました!


まずは基本情報のおさらい



御祭神である菅原道真の命日にちなみ、毎月25日に開かれる“天神市”。なかでも、その年の最後、すなわち12月25日に開かれる“終い天神”と、年初(1月25日)に行われる“初天神”は、ひときわたくさんの人でにぎわいます。神社の方によると、境内に立ち並ぶ露店の数は多いときで1,500軒ほど! 朝の5時ごろから密かに始まっているらしく、知人の鉄道グッズ収集家にして自称古物商の“Y田さん”は「陽が昇る頃には(目ぼしい物が)なくなっとるよ(名古屋弁)」と。これは“知る人ぞ知る”の楽しみ方とでもいうところでしょうか。

縁日ならではの雰囲気が漂う参道



訪れたのは2017年最後の“天神さん”。一の鳥居から楼門にのびるメインの参道はご覧のような賑わい。から揚げや焼きそばなどの“縁日グルメ”の良い香りに包まれます。それにしても凄い人出ですね~。まずは本殿にお詣りしてから、さあ、気になる骨董市を覗いてみましょう。

“ナゾ”なモノもたくさん(笑)



参拝者用の駐車場にあたるエリアと境内の東に面する御前通(おんまえどおり)が骨董市のメイン会場。ぐるっと見て回ると、お皿やカップ、古銭、茶道具に着物などなど… “いかにも”な商品が盛りだくさん。まったくもって“用途不明”なものも並びます(笑) あるお店で勇気を出して「これって何に使うんですか?」と聞いてみたところ、「何やろな~、よくわからへんわ」と… え~…(汗) 明らかにパーツの足りていないプラモデルや、縄文土器(!?)のカケラなどなど、色々なものが出てきて、見ているだけでもワクワクしてきます♪

価値を決めるのは…



だんだんと“ガラクタ”が“オタカラ”に見えてくるから不思議なものです。年代もののマッチケースや牛乳瓶までもが、オシャレに映ります。「部屋に飾れば雰囲気良いかも」など、用途不明なものの“再生術”を考えながら露店めぐりをすると、ついつい時間が経つのも忘れてしまいます♪

青空市やフリーマーケットでよくあるのが、商品に値札がついていないということ。気になるものがあったら、お店の人に値段を聞く以外に方法はありません。すぐに「3つで1,000円でかまへんで」と答えてくれる人もいれば、「それはなあ… (微妙な間があく)… 3,000円や」と言う人も。そもそも「3つで1,000円」が安いのか高いのかすらも分かりませんが、それを決めるのは、そう、買い手である私たち次第。高いと思ったら「もう少し安かったらなぁ…」とかつぶやいてみると、希望が叶うことだってあるかもしれません。

小腹が空いても大丈夫♪



境内には、定番のたこ焼き、焼きそば、から揚げなど“ちょい食べ系”の露店も並びます。店によってはイートインも可能なので、休憩を兼ねて利用することができるのも嬉しいポイント。この日は、昼食を済ませてきたので、豚まん(肉まん)と玉こんにゃくをいただきました。出汁のしみた、ほくほくこんにゃくがハマル~~♪

“手作り市”としても楽しめます



露店めぐりを始めてすぐに感じたことが、実は手作りのものを出されているお店が多いということ。財布やカバン、アクセサリーなど、若者受けしそうなアイテムも豊富なんです。こちらはレトロ柄が目を引くトートバッグ。作りもしっかりしていて、良い感じじゃないですか♪ ひとつ買っちゃおうかな~。

進化する“天神市”



年代もののお皿や器もあれば、作家さんが作ったオシャレなものも。“コテコテの骨董市”のつもりで訪れた天神市でしたが、そのイメージは見事に覆されました。すれ違った年配のご夫婦も、「(天神市も)だいぶ雰囲気が変わってきたねぇ」と、その表情は楽しげ♪ 今までに何度か“天神さん”に来られたことがある方も、改めて訪れると、新しい発見があるかもしれません。

ビビビッ! 即断でお買い上げ♪



この日一番の衝撃がコチラ。お皿やブリキ缶などが並びますが、よ~く見てください。すべてに何かがついていますね。そう、時計なんです! 「こういうふうに再利用したら“よみがえる”やろ?」と、お店のおっちゃん。アイデアがなかなかオモシロイ!! ひと目惚れして、この中のひとつをお買い上げしてしまいました♪

気になる方はお早めに!



おおよそ19時頃まで開かれている“天神さん”ですが、この日は、あいにくの空模様ということもあってか14時半ぐらいから撤収されるお店がちらほら。天候や人出などによっては、更に早い時間帯から撤収が始まることもあるそう。ガラクタの中に眠るオタカラ探しも“早い者勝ち”なわけですから、午前中の早い時間帯から訪れるのが良さそうです!

“天神さん”は毎月25日の開催。2018年には土曜日や日曜日に重なる月もありますので、気になる方は、ぜひ一度、訪ねてみてくださいね♪ 今度は(自称古物商の)Y田さんに案内してもらおうかな~。
 

Written by. カツオ

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