京都であったか~♪ 八瀬の里で「かまぶろ」と鶏鍋を満喫!

  • グルメ・スイーツ
  • 体験
かまぶろ

(撮影日:2018年1月15・16日)

京都のお風呂探訪 1


雪の舞うような寒~い日のお楽しみといえば、「お風呂」。京都は、温泉施設や銭湯など、お風呂文化を楽しめるスポットがいくつもあります。学生時代に銭湯でアルバイトもしていたお風呂好きのわたし“みさご”が、京都の気になるお風呂スポットをご紹介いたします!


雪の積もる、八瀬の里へ!


寒い日が続き、先週・今週と京都市内でも雪が降りました。寒い日にこそ、あったかいお風呂がうれしい! ということで、今回向かったのは、洛北・八瀬(やせ)の里。八瀬でお風呂といえば、名物の「かまぶろ」です。名前だけは知っていながら実際に入ってみたことがなかったため、「どんなお風呂なのかな?」と気になり、同じくかまぶろ未体験のスタッフ“とらみ”さんを誘って体験してみることにしたのです♪

八瀬までは、京都駅前バスターミナルから、京都バス17系統「大原行き」で約60分。地下鉄烏丸線を利用するならば、「京都駅」から「国際会館駅」まで約20分、「国際会館駅前」バス停から京都バス19系統で約13分。どちらの場合も「ふるさと前」バス停で下車します。



民芸調のお部屋にうっとり♡



市街地では溶けてしまった雪も、八瀬トンネルを抜けると、屋根の上や道の両脇に残っています。雪を見ながらバス停からの道を5分ほど歩き、八瀬川にかかる、その名も「窯風呂橋」を渡ると、本日の目的地「八瀬かまぶろ温泉 ふるさと」に到着です。

「ようこそ! 寒かったでしょう!」

と出迎えてくれたのは、この宿の奥様です。



大きな「ふ」「る」「里」の提灯に、暖かに燃える石油ストーブ。奥には、“洛北の奇祭”と呼ばれる「八瀬の赦免地(しゃめんち)踊り」の人形も飾られています。そして、どっしりとしたアンティークな椅子が時代を感じさせますね~。本当に、まるで雪国の旅館に来たようです! でも、京都駅から1時間ほどの場所なんですよ。驚いてしまいますね。



「さあ、どうぞ~」
と、案内していただいたのは、「ほたる」の間。床の間には、その名のとおりホタルの絵が飾られています。レトロな室内に、わたしもとらみさんもテンション↑↑。太い柱に風格のある調度品。奥の障子戸を開けると応接セットが置かれ、その向こうには雪の積もるお庭が。

「(夜なので)今は暗くて見えませんけど、この向こうに現存最古の“窯風呂”があるんですよ。さあ、ではお風呂にどうぞ」

現存最古の窯風呂は明日のお楽しみにして、稼働中の「かまぶろ」へと向かいます。



念願の「かまぶろ」とご対面!


ロビーに戻り浴室へ向かいます。がらりと引き戸を開けると・・・


右奥の引き戸が浴室の入り口です。


「かまぶろだーーーー!」
と、思わず声をあげてしまったわたしたち。それほどの衝撃がありました! 奥様のご案内を聞きながら、右から眺め左から眺め、触ってみたり(外壁は熱くありません!)、なでてみたり。そして気になる、扉の上にある翁の面・・・ 吹き出しの中にアップにしてみましたが、若干怖さを感じるお顔ですね・・・ 魔除けの意味があるそうで、男湯には角の生えた般若の面が飾られているそうです。

「かまぶろ」の前の壁には、「かまぶろ四訓」という紙が貼られています。



縦読みすると、「不老長寿」・・・ おお~! 地元のお年寄りもよく入りに来られるということで、ステキな教訓が書かれていました。


「かまぶろ」の入り方とは?


いざ、「かまぶろ」へ。でも、どうやって入ったらいいんでしょうか?

「まずは、隣の浴室でかかり湯をしてくださいね。そうしたら、ここ(「かまぶろ」の扉の横)にある陶器製の枕を持って、中に敷いてあるムシロの上に寝転んでください。奥の方は熱くなりますよ。じんわり汗がでてきたら、また隣の浴室で水をかけてくださいね」



なるほど・・・ さっそくとらみさんと、かかり湯を浴び、枕を持って「かまぶろ」の中へ。荒ムシロの上に敷いてあるバスタオルに横になると、背中がじんわり、暖かくなります。和風サウナのような感じですが、サウナと違って湿度はなく、熱気が顔に来ることもありません。呼吸もスムーズなので、とらみさんと「すごいね~」と話しながら汗が出るのを待ちます。土の壁に囲まれて圧迫感がありそうですが、寝転んでいるからか狭さは感じません。かえって土の暖かみ(実際の熱ではなく)が感じられて、ヒーリング効果も抜群です。

少しずつ汗ばんできて、いい感じ~と思っていると・・・ 熱い・・・ 背中が、焼けるように熱い・・・ 一番奥に陣取っていたわたし。慌てて手前側に移動すると、熱さが全く異なります。なるほど、「一番奥は熱い」。その通りでした(ボイラーの熱の関係だそうです)。

15分から20分ほどで汗だくになり、初めてのかまぶろ体験は終了。サウナというか岩盤浴のような感じで、なんといっても息苦しくないのが嬉しいですね! コンタクトレンズ派のわたしも安心でした。「じ~っくり汗を流してデトックスしたから、今日の夜はビールが美味しいぞ~♪」と微笑むわたしたち。



お風呂にもゆっくり浸かって、心身共にリフレッシュ!



とらみさんの大興奮ポイントは、このマッサージ器。100円で動きますが、宿の御主人によると「いま、壊れてます」とのこと。でも、この昭和感あふれるたたずまいに、心惹かれずにはいられません!



はじまりは、大海人皇子!? 「かまぶろ」と「八瀬」の由来とは


ではここで、「かまぶろ」についてのお話を。その起源は、なんと1300年以上前にさかのぼるというから驚きです! 壬申(じんしん)の乱の際、後の天武天皇となる大海人皇子(おおあまのおうじ)がこの地で流れ矢を背に受け、その傷を癒やすために村人の献じた窯風呂に入った、と伝わっているそうです。

矢を背に受けたことから、このあたりが「矢背(やせ)」と名付けられたと村の伝承に遺されているとか。実際のところはわかりませんが、八瀬には「八瀬童子(やせどうじ)」という、天皇の輿を担ぐ役割を担った人々がいたこともあり、古来、皇室との関係は深いようです。


現存最古の窯風呂


明治時代までは数戸の窯風呂が残されていたそうですが、徐々に利用する人も少なくなり廃墟化・・・ 戦後になり、満州から引き上げてきたのが東則正(ひがし のりまさ)氏。持病のリウマチを治療するために小さな頃に見た「窯風呂」を思いだし利用したところ、その治癒効果に驚いてしまったのだとか。「こんなにいいものであるならば、新しく、利用しやすい近代的な窯風呂を作ってはどうだろうか」と、改良に乗り出します。

元々は室内で直接火を燃やし、塩水をかけてサウナとしていたのですが、それでは空気が汚れ、暗く、息苦しかったそうで・・・ そこで、床を熱して壁の反射熱を利用する「熱気風呂」にしてみたところ、呼吸が楽で、顔が熱くならない、「かまぶろ」が誕生しました! 東氏のお孫さんにあたるのが、三代目の御主人さん。

「お祖父さんが開業したのは昭和29年(1954)。今の叡山電車の『八瀬駅』近くで営業していたんですよ。八瀬遊園(1964年開業・2001年閉園)ができるということで、昭和36年(1961)にこの場所に移って。多いときには6つのかまぶろ施設を運営していましたが、今はここが最後になりました」

懐かしそうに語る御主人さん。歴史ある「かまぶろ」だけに、長く続いていってほしいですね。
 

旅行の醍醐味はお料理! 夜も朝も、舌鼓♪


「ふるさと」は、料理旅館でもあります。入浴だけの利用もできますが、せっかくならばお料理も楽しみたいところ。今回わたしたちは、1泊2食付きで利用したので、夜ごはんと朝ごはんをいただきました♪ ※料金・利用時間等は文末をご確認ください。

夜のメインはお鍋。特にこの時季は、洛北名物の「ぼたん鍋」がおすすめです! が、とらみさんがイノシシ肉が苦手なため、今回は「鶏のみそ鍋」をお願いしました。



「鶏は、百日地鶏。もも肉と砂ズリ、つくねをご用意していますよ」
と、奥様。滋養あふれる地鶏だけに美味しさは格別です。特に砂ズリに感動! やわらか~いんです♡ お餅は自家製ということで、もっちり伸びの良いお餅でした。ここには写っていませんが、御主人のお姉さんの実家という小出石(大原のさらに奥)産のお米もとても美味しかったんですよ。たっぷりのボリュームで、大満足でした♪



そして、朝ごはんが、こちら!
「THE 日本の朝ごはん」ですね~♪ 朝からぺろりといただいて、幸せな一日のはじまりとなりました!



短い滞在時間でしたが、本当にゆっくりできました。冬には雪景色、春には桜、夏には清流の流れ、秋には紅葉と、四季折々に楽しめる、隠れ里・八瀬。そして、その地で受け継がれる伝統の「かまぶろ」。この魅力を、皆さまも感じていただければ幸いです♪

■八瀬かまぶろ温泉 ふるさと
【電話】075-791-4126
【アクセス】京都バス「ふるさと前」バス停から徒歩約5分 Google map
【公式ホームページ】http://www.kamaburo.co.jp
【利用時間、料金】
日帰り入浴/11:00~15:00、1,000円 ※タオルはご持参ください。
お弁当タイム/11:00~15:00、「ふるさと御膳」+入浴3,500円
御夕食/16:00~21:00(入館18:00)、各鍋料理+入浴(百日地鶏すき焼き・みそ鍋6,000円~、ぼたん鍋7,000円~は冬季のみ)
宿泊/1泊2食付きおひとり様14,000円~
※詳細はお電話にてお問合せください。
 

Written by. みさご

おすすめコンテンツ