天才絵師 伊藤若冲の“最晩年の傑作”を貸切で鑑賞!

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当日レポート ~2018年2月25日実施~


京都有数の文化エリアである岡崎に堂宇を構える信行寺(しんぎょうじ)。本堂の天井には、世界中から注目を集める人気絵師、伊藤若冲の最晩年の作品と伝わる「花卉図(かきず)」が遺ります。通常非公開の天井画を、「そうだ 京都、行こう。」エクスプレス・カード会員の皆さまだけの貸切で鑑賞するイベントを、去る2月25日に実施しました。当日の様子をご覧ください。

鑑賞前に行われた“伊藤若冲を知る”事前学習では、今日の若冲ブームを牽引してきた細見良行(ほそみよしゆき)さんが特別講師として登場! 細見さんが館長を務める細見美術館は多彩な若冲コレクションを所蔵することで知られ、長年作品を見つめ続けてきた細見さんならではの視点は、絵師に対する印象が一変するような興味深い話ばかり。時に笑いを交えながらの講義はあっという間に時間が過ぎ、参加者からもたくさんの質問が出ていたのが印象的でした。

続いては、信行寺の本多孝昭(ほんだこうしょう)住職にお寺のご由緒と「花卉図」についてお聴きしました。驚くべきことに、「花卉図」は最初から信行寺にあったわけではないといいます。若冲が晩年を過ごした伏見にある石峰寺(せきほうじ)の観音堂に描かれた天井画が江戸末期に人の手に渡り、信行寺へ寄進されたそう。失われていたかもしれない傑作が、多くの人の手によって守られてきたという事実に感動を覚えますね。

いよいよ、「花卉図」の鑑賞へ。ここで登場したのが、特製のLEDライトです。薄暗がりの中でぼんやりとしか見えていなかった絵が、点灯によって色彩豊かに細部までくっきりと浮かび上がり、参加者からも驚嘆の声が! しかもこのLEDライトは、光量や、光の色も切替えられる優れもの。時間帯や天気に左右されることのない最高の照明で鑑賞させていただきました。

格子状の天井に描かれた絵は全部で167枚。直径33センチという小さな円のなかに、若冲らしい緻密さと大胆な構図で、さまざまな草花が描かれています。当時日本に伝わったばかりのサボテンや向日葵(ひまわり)に、オモダカやコウホネといった水生植物まで、驚きのラインアップに参加者も夢中で天井を見上げていました。時間を忘れて見ていられそうです!

本イベントの特別拝観は「花卉図」だけではありません。平安時代に比叡山天台宗第3代座主(ざす)となった慈覚大師円仁(えんにん)の手によると伝わる木造観音菩薩立像も間近でお参りさせていただきました。普段はご尊顔を拝することの叶わない貴重な仏様に、ひとりずつゆっくりと手を合わせます。またとないご縁が結べましたね。

思い出に残るようにと、物販コーナーも設けられました。花卉図をモチーフにしたグッズの数々に参加者も興味津々。さらに、ご住職のご厚意で、普段は受け付けていないご朱印を授与していただくことに。まさに、特別づくしの素敵なひとときになりましたね。本多住職、細見館長、参加者の皆さま、ありがとうございました!

会員限定オリジナルイベントでは、今回ご紹介したような、特別な京都に出会えるイベントを毎月企画しています。「ちょっと興味あるかも・・・」と思っていただいた皆さま、毎月1日更新のオリジナルイベント情報も、ぜひ、ご確認ください♪

Written by. きのこ

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