
「一番好きな食べ物はなんですか?」と聞かれた時に、私は「タケノコ!」と即答します。日本一のタケノコ好きを自負している “とらみ” の家の食卓には今の時季、毎日のようにタケノコ料理が並びます。周りは迷惑していますが・・・(笑)
ただ残念なのは旬が短いことです。今年もそろそろ終わりそうなので、最後のタケノコを求めて、長岡天満宮の近くにある山田農園さんに行ってきました。
いつもは店頭に山のように並んでいるのに、今日(5月9日)はやはり少ない・・・「もう終わりですかね?」と尋ねると、「今年は例年より早く終わりです。本当は昨日で販売終了だったんですが、 “しん止め” の作業をしていたら、まだタケノコが出ていたので掘りました」とお店の方。
新止め? 芯止め?? 漢字変換が出来ずに私の頭の中には「?」がいっぱいです。思わず「それって何ですか?」と聞いたところ「親竹が大きくならないように、竹の先を折るんです」とのこと。
タケノコを買いに来たはずなのに、私の興味はすでに「しん止め」に。その作業を見せて欲しいとお願いしたところ快く引き受けてくださいましたので、日を改めてお伺いすることにしました。
簡単そうですが、結構な重労働です

「しん止め」の作業中
竹藪に案内していただき実際の作業をみせてもらいました。この「親竹」というのは、タケノコを生む竹のこと。親竹にするタケノコは、地表に出てきたときに目印をつけられ、掘らずに大きく伸ばします。1ヶ月も経つと10~13メートルくらいに成長するのですが、これ以上放っておくと、どんどん伸びて葉が茂り、日光を遮ったり、強風で竹が倒れやすくなります。それを防ぐために、その竹を揺すって柔らかい先端を折るのが「しん止め」なのでした。先日からの疑問が解けて、スッキリです(笑)
作業風景を撮影しようと近づくと、「折れた竹が体に当たるかもしれないので危ないから、もっと後ろに下がって・・・」と注意されました(笑) 確かに・・・ 私の背丈くらいある竹が真下に落ちてきました。一見簡単そうで楽しそうに見えますが、危険も伴う重労働です。でも、おいしいタケノコを作るために重要な作業なんですね。
「しん止め」が終わった竹には数字を書いておきます

よく見ると、竹に数字が書いてあります。「これ何の数字ですか?」と質問すると、「親竹になった年です。今年は平成30年やから0とマジックで書いています(写真、左から2本目)」
この親竹は来年はまだタケノコを産みませんが、2年目から産み始め、8年ほど経つと産まなくなるそう。そうなると切って処分します。
「今年は平成23年(2011)に親竹になった、“3”と書いてある竹を秋に切ります(写真、中央の黄色い竹)」
そんな話を聞くと少し切なくなりましたが、これも美味しいタケノコを食べるため。親竹が生んでくれるタケノコを、来春、楽しみに待ちたいと思います♪