小学校の跡地に開館! 「立誠図書館」に潜入!

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京都NEW SPOT 3


今年(2018年)4月1日、新しい図書館が京都市の中心部にオープンしました。それが、立誠小学校の跡地を利用して作られた「立誠(りっせい)図書館」です。突如として街中に現れたこの図書館、いったいどんなところなのかな? と気になり、運営に携わる「文(ぶん)まち」の事務局長・柏(かしわ)さんに早速お話を伺ってきました!


「立誠図書館」ってどんなところ?


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元・立誠小学校校舎 ※現在は耐震改修中のため、校舎を見ることはできません


立誠図書館があるのは、京都の繁華街・木屋町通に建つ元・立誠小学校の敷地内(旧校舎南側)。目の前には角倉了以(すみのくらりょうい)が開削した高瀬川がながれ、周辺には歴史的な史跡が数多く遺る場所です。昭和3年(1928)に建てられた立誠小学校の校舎は、アーチ型の玄関やレトロな装飾を施した外観が特徴的で、平成5年(1993)の閉校後も自治会の行事や、演劇、音楽、フリーマ-ケットなどのイベント拠点として活用されてきました。

閉校後も“地域の顔”でありつづけた小学校ですが、2017年11月にホテルや商業施設などが併設した複合施設としてリニューアルすることが決定! 校舎の姿は残されるということで、2020年の竣工を目標に旧校舎の耐震改修などの工事が行われています。この事業の一環として造られたのが「立誠図書館」。地域文化を発信する施設として、この春にいち早くオープンすることになったのです♪


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立誠図書館内


本棚には、魅力ある本がずらり! 京都ならではの3つのカテゴリとは?


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本棚には約500冊もの本が並びますが、一般の図書館と比べるとこぢんまりとした印象。どのような本が所蔵されているのでしょうか。

柏さん「この図書館では、本棚を3つのカテゴリに分類して書籍を所蔵しています。ひとつが“京都歩きの本棚”。京都の観光情報や美しい風景の写真集など、思わず京都を散策したくなるような内容の本を集めています。“食べる本棚”には、京都に限らず、あらゆる“食”に関する本、そして“立誠小学校DNAの本棚”には、この周辺地域の歴史などを扱っているものを並べました。もちろん、海外の方も気軽にお越しいただけるように、英語のものも揃えていますよ」

所蔵図書のセレクトは、京都市動物園やワコールスタディホール京都の本棚などをプロデュースする「BACH(バッハ)」の幅允孝(はば よしたか)氏によるもの。本屋さんでもあまりみかけないような珍しい本も並んでいるので、どれを読もうか迷ってしまいそうです!

柏さん「ここでは、施設内のみで読んでいただいています。ボリュームのある本ではなかなか読み切れないと思うので“余白の多い本”を中心に揃えています。サラッと読めてしまうので、皆さん何冊も読んで行かれますよ」

確かに! ブックカフェなどに行くと、本が読み切れなくて「続きが気になる~!」ということもしばしば。読みやすい本のセレクトはとても嬉しいですね♪


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本だけでなく、散策に便利なマップも置かれています


随所に見られる、懐かしい“小学校の名残”


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立誠小学校の名残が感じられますね♪


柏さん「ぜひ注目していただきたいのが、ここで使用している調度品。実は、立誠小学校で実際に使われていたものを再利用しているんですよ! たとえば、この本棚。これはもともと理科室の実験道具などが入っていた棚なんです。椅子は音楽室や保健室にあったものを利用しています」

よ~く見ると、実験道具が書かれたシールがそこかしこに貼られていますね! 顕微鏡や三球儀・・・ なんて懐かしい響きでしょう(笑) 棚やテーブルについた傷やパイプ椅子のサビも味があって、懐かしさを感じられます。


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ところで、館内に入ったときからずっと気になっていたのが、天井から下げられたこちらの幕。なにやら文字が書かれていますが・・・ これはいったい何ですか?

柏さん「これは、立誠小学校の卒業生が彫った校歌額の文字を使って作った幕です。調度品だけでなく、校歌も形として残したいなぁと。書かれているのは、校歌の三番。“なんで一番じゃないの?”とよく言われるんですけど、三番の歌詞まで“立誠”の文字がでてこなくて・・・(笑)」

たしかに、せっかくなら“立誠”は入れたいところ(笑) よく見ると、左下に「立誠校」の文字を見ることができます。


外でも自由に本が楽しめる“図書館ボックス”


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北東・北西・南西角の図書館ボックス。北側の壁には、立誠小学校出身のイラストレーター・中川学氏が描いたイラストが!


ここまでお伺いしただけでも、“ひと味違う”立誠図書館。でもさらに特徴的なところがあるそうで・・・?

柏さん「館内だけでなく、“外にも”本を置いているんですよ。元・立誠小学校敷地の北東・北西・南西角の3ヵ所に“図書館ボックス”を設けていて、お天気の良い日に開放しています。そばに椅子も用意しているので、座って読書をしていただけますよ。通りがかりに気軽に読めるので、とても好評なんです」

外で読書ができる図書館なんて、新しい試みですね! でも外に置いてしまうと、そのまま持って帰ってしまう人もいるのでは・・・ と心配になってしまいますが「いや、これが意外と大丈夫なんです。それに、スタッフもちゃんと見回りしていますしね」と柏さん。本に親しみやすくなるような配慮が嬉しいですね。ますます読書が進みそうです♪


ハンドドリップのコーヒーを読書のおともに♪


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館内にはカフェ「TRAVELING COFFEE(トラベリングコーヒー)」が併設されていて、あたりにはコーヒーのいい香りが漂います。なんと、こちらではカフェのドリンクを飲みながら読書が楽しめるのだとか!

柏さん「このカフェはもともと、前の校舎の職員室で営業していたんです。ハンドドリップのコーヒーだけでなく、ビールやワインなどのお酒やスイーツまでこだわりのメニューが揃っているので、ぜひ読書のおともにご利用ください!」

本を片手にコーヒーを堪能する時間・・・ まるで自分の家のようにくつろいでしまいそう(笑) お天気の良い日にはテラス席でもいただけ、いまの季節は高瀬川沿いの緑が青々としていてとても綺麗です♪ 春には目の前に桜が咲くそうなので、四季折々の美しい景色が楽しめそうですね。


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コーヒーは300円~。その他、さらさ焼き菓子工房の焼き菓子や清水 竹之内商店のアイスキャンデーなどのスイーツも


複合施設の完成後、図書館は・・・


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柏さん「2020年に複合施設がオープンするとき、この建物は無くなってしまうんです。ここにはグラウンドができる予定なんですよ」

ええ!?!?
突然告げられた衝撃の一言。ということは、この図書館はあと数年でなくなってしまうということですか!?

柏さん「そういうことになりますね。実はこの建物自体、仮設なのです。でもご安心ください。現状の図書館はなくなってしまいますが、2020年の複合施設オープン時には、カフェとともに校舎へ移る予定です」

ホッ、それを聞いて安心しました(笑)

仮設とはいえ、見どころがいっぱい詰まった立誠図書館。2020年に開館される際には、カテゴリや所蔵する本の数を拡大するなど、さらにパワーアップする予定だそう。これからの立誠図書館にますます期待が膨らみますね♪

■立誠図書館
【開館時間】11:00~20:00
※図書館ボックスは、晴れの日の~17:00まで
【休館日】不定休
【電話】075-585-5561
【アクセス】京阪本線「祇園四条駅」・阪急京都線「河原町駅」から徒歩約5分 Google map(旧立誠小学校)
【公式ホームページ】https://www.bunmachi.org/




 

Written by. ち〜たら

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