京都NEW SPOT 5
6月は梅の収穫シーズン! さらに、6月6日は「梅の日」ということで、今回は梅に注目してみました! 訪れたのは、今年(2018年)4月1日にオープンした、梅体験専門店「蝶矢(ちょうや)」。・・・ん? “ちょうや”ってなんだか聞き覚えがあるような? そうなんです。ここは、梅酒で有名なチョーヤ梅酒株式会社(以下「チョーヤ梅酒」)が運営するお店。なんでも、梅好きさんにはたまらない“ある体験”ができるのだとか。さっそく、大の梅好き“ち~たら”が取材へ行ってきました!
※掲載内容は2018年5月時点の情報です。最新情報は公式ホームページでご確認ください。
どんなお店なの?
和モダンでおしゃれな外観が目をひきます
2千年ほど前に中国から日本へ渡ってきたという“梅”。殺菌作用や整腸作用などがあることから薬として使われたり、戦国時代には兵糧としても食べられていたとか。時代とともに嗜好品として梅干しや梅酒をつくる文化が発達したのですが、チョーヤ梅酒の菅(すが)さんは“あること”を懸念されているそう。
菅さん「40年ほど前までは、梅干しや梅酒は家庭で当たり前のように作られていたのですが、いまの20代・30代はそれらを作った経験がないという方がほとんど。この文化は、いまや消滅の危機にあるかもしれません・・・」
たしかに、私も梅酒などを家で作ったことはなく、いまはスーパーなどで手軽に既製品が手に入ってしまうので、自分で作るという発想はなかなか生まれてきません。でも、昔ながらの日本文化が消えてしまうのは、とても寂しいことですね・・・
菅さん「そこで、若い方にもっと気軽に梅酒などを作ってもらう機会をつくりたい、日本の文化を継承したいと考え、オープンしたのがこのお店なんです。そして、外国の方にも日本文化を知ってもらいたいという思いがあります。実は、梅自体がアジア以外の国にはないんです。ぜひ実際に“梅”に触れていただき、日本を体感していただきたいですね」
“日本の梅文化を次世代に伝える”ためのお店だったのですね! そして、日本のみならず海外にも伝えたい。そんなチョーヤ梅酒の熱い思いがこのお店には込められていました。
組み合わせは100通り以上! 梅体験で使用する素材の味比べ
5種類の梅と氷砂糖で作られたシロップ
こちらでは、こだわりの梅や砂糖など数種類からお好みの素材を選び、自分だけの梅酒や梅シロップを作る体験(1,080円~)ができます。なんと、その組み合わせは100通り以上!
体験するにあたり、はじめに梅や砂糖でどのように味が変わるのかを味比べしていきます。
まずは梅の違い。完熟南高梅・NK14・有機南高・有機古城・パープルクイーンという品種それぞれを氷砂糖に漬けてつくられた梅シロップをテイスティングしました。ひとくちに梅シロップといっても、それぞれ味が全く異なります。フルーティーな味わいだったり、さっぱりとした味わいだったり・・・ 梅の種類が違うだけで、こんなにも味が変わるとは驚きです。
完熟南高梅と5種類の砂糖で作られたシロップ
次は、砂糖に注目。完熟南高梅を氷砂糖・てんさい糖・こんぺい糖・はちみつ・有機アガベシロップに漬けて作られたシロップをテイスティング。こちらも使用している砂糖によって、味わいが全く違います。
菅さん「実は、砂糖にもこだわっています。チョーヤでは添加物は使わないことを大切にしているので、自然派の砂糖を選定しています。たとえば、砂糖大根から作られるてんさい糖や、“健康シロップ”として注目されるアガベシロップ。そしてこんぺい糖は、植物からできた天然色素で色づけをしているんです」
砂糖にもこだわりがあったとは・・・ 身体にも優しくて安心ですね♪
いよいよ、「梅酒作り」スタートです♪
蝶矢梅キット(M:ドリンク3杯分)
今回、梅酒作りに挑戦することに! 梅(上記の5種類)と砂糖(上記の5種類)、お酒(ウォッカ・ブランデー・ホワイトラム・ジンの4種類)それぞれから好きな素材を選ぶのですが、さきほどテイスティングしたものが全部美味しくて・・・ どれにしようか迷ってしまいました(笑)
甘めの梅酒が好みと伝えると、「でしたら、完熟南高梅がおすすめですね。甘さのなかに爽やかな香りが広がって、定番で人気の梅なんですよ」と菅さん。味の好みや要望を伝えると、希望に合う組み合わせを教えてくださるので、とてもスムーズに決められます♪
梅は完熟南高梅、砂糖はこんぺい糖、お酒には、完熟南高梅と相性がいいというウォッカをチョイスしてみました。
完熟南高梅とこんぺい糖
まずは、こちらの専用具で梅のヘタをくり抜きます。梅は冷凍のものを使用しているため、ヘタがとても固く、力が必要で苦戦しました・・・
菅さん「この専用具は、実際に工場でも使っている道具なんです。手作業でヘタをとっているんですよ」
えぇ!? 手作業ですか!?
菅さん「30人で作業していますが、全員、ヘタをとるスピードがとにかく速いんです!」
「梅酒といえば、チョーヤ」といわれるほどの生産量を誇るチョーヤ梅酒。きっと只ならぬ量であろう梅のヘタを、わずか30人でとっているなんて(わたしはたった3粒のヘタをとるのに数分かかりました)・・・ ただただすごいの一言です!
次は、容器に材料を入れていきます。梅ひと粒ひと粒に砂糖が接するように、交互に入れていくのがポイントなのだとか。梅シロップを作る場合はこれで作業終了となりますが、今回は梅酒作りなので、ここからさらにお酒を加えていきます。
ウォッカを注いで・・・ あとは完成を待つのみ! 通常は半年から1年漬け込んで完成する梅酒ですが、たった1ヶ月で完了するように、砂糖やお酒の割合などを工夫されているのだとか。どんな梅酒になるのか、楽しみで仕方がないです♪
でも、今回作ったのは3杯分・・・ 完成したら、すぐに飲み切ってしまいそうです(汗)
菅さん「当店では、梅体験の材料のみ(梅・砂糖・お酒)の販売も行っています。梅ひと粒から購入できますので、飲みきったらまたご自宅で梅酒作りに挑戦してみてくださいね」
それはとても嬉しい! 材料をイチから揃えるのも大変ですし、なんといっても市販の梅は1キログラム単位で売られていたりするので、なかなか気軽に買えないんですよね。これから挑戦してみたいという方も、これなら気軽に始められそうです♪
テイクアウトできる梅ドリンクも見逃せない!
梅ドリンク アイス 緑茶割り
店内では梅シロップを使ったノンアルコールの梅ドリンクも販売されていて、テイクアウトも可能です。メニューはアイスとホットを含め全部で7種類! 迷ってしまったので、おすすめを尋ねてみると…
菅さん「アイスのドリンクには、フローズンの完熟南高梅が入っているので、特におすすめしていますね。途中で梅をクラッシュすると、中から果実があふれ出して、また違った味わいを楽しんでいただけますよ。そして、私が特に好きなのが“緑茶割り”。なかなか味のイメージがつかないと思いますが… ぜひ試してみてください!」
梅シロップの緑茶割りなんて、不思議な組合せだけど合うのかなぁ… と半信半疑ながら飲んでみたのですが、これがとてもさっぱりとした味わい! 甘ずっぱくて、暑い日にゴクゴク飲みたくなります。ほかにも定番の“ソーダ割り”や変わり種の“紅茶割り”などがあるので、いつか全種類試してみたいです♪
梅シロップの完成工程のディスプレイ
日本ならではの梅文化を気軽に楽しめる梅体験専門店「蝶矢」。
大人だけでなく、子供も楽しめるスポットなので、ぜひ京都観光のスケジュールに加えてみてくださいね♪
■梅体験専門店「蝶矢」
【営業時間】11:00~19:00
【体験料】1,080円~
※梅酒、梅シロップ作り体験はホームページから要予約。詳しくはホームページをご覧ください。
【定休日】不定休(年末年始・お盆を除く)
【アクセス】地下鉄烏丸線「烏丸御池駅」から徒歩約7分 Google map
【公式ホームページ】https://www.choyaume.jp/
※掲載内容は2018年5月時点の情報です。最新情報は公式ホームページでご確認ください。