鷹山復元図 作図:中川未子<よろずでざいん>
2018年6月21日、京都にお住まいの方はもちろん、他府県からも注目を集める「祇園祭」のビックニュースが飛び出しました。
それが『2022年、鷹山(たかやま)巡行復帰!』
今回は、今もっとも注目されている「鷹山」について紹介したいと思います。
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「鷹山」ってどんな山?
鷹山の御神体 左から、鷹遣(たかつかい)、樽負(たるおい)、犬遣(いぬつかい)
日本三大祭のひとつ「祇園祭」において、絢爛豪華な懸装品(けそうひん)が飾られた山鉾は祭を象徴する存在。現在、前祭・後祭あわせて33基の山鉾が登場していますが、巡行に参加していない「休み山」が2基あります。そのうちのひとつが後祭の山「鷹山」です。
その歴史は古く、応仁の乱(1467)以前に存在が確認できるほど。「鷹狩」の様子を表現する、鷹遣、樽負、犬遣の3体の御神体人形と、鷹、犬、雉(きじ)の人形が乗せられていたといいます。
ところが、文政9年(1826)の大風雨と元治元年(1864)の大火の被害を受けて山車(だし)や懸装品を失い、「休み山」となっていました・・・
復興に向けての活動が始まる
2階囃子の様子(2015年7月撮影)
近年、復興を望む声が高まり、巡行復帰を目指して活動が始まりました。2014年には祇園囃子(ぎおんばやし)を奏でる囃子方(はやしかた)が結成され、2015年には保存会も発足。2017年6月には、焼け残った鉦(かね)をもとに15丁の鉦が復元され、各所で祇園囃子の音色を響かせるようになりました。
そんな鷹山が、2018年、巡行に向けて大きな一歩を踏み出したということで、早速、公益財団法人鷹山保存会理事長の山田純司さんにお話を伺いました。
巡行復帰に向けてまた一歩
山田さん「今年一番の出来事は、鷹山の山車を建て直すための基本設計図が完成したことです」
いきなりのビックニュース! なんでも、2016年から祇園祭山鉾連合会が専門家による調査を実施し、古文書や絵図などをもとに、鷹山の復元図や基本設計図を完成させたそうなのです。
再建する山車は、長さ約6メートル、幅約4メートル、高さ約15メートル、総重量500~600キロという大がかりなもの。北観音山や南観音山のような鉾に近い形状になるそうです。
巡行復帰は2022年。そして来年は・・・
後祭に向けての準備(2018年7月撮影:鷹山保存会提供)
山田さん 「今回の基本設計図をもとに山を再建し、後祭巡行への復帰は2022年7月を目指しています」
1826年を最後に巡行を休止している「鷹山」にとって、約200年ぶりとなるお披露目。それが、あと4年後に迫っているというから驚きです。本来は2026年の復帰を目指していたそうなのですが、4年も復帰目標を前倒しされたところに熱い想いを感じます。さらに・・・
山田さん 「“必ず復興を成し遂げる”という覚悟を示すためにも、来年の後祭から3年間、唐櫃巡行(からびつじゅんこう)を行います」
唐櫃巡行とは巡行に出られない山鉾に代わって、御神体や鉾頭(ほこがしら)を唐櫃に入れて巡行に参加することをいいます。そういえば、2014年に復興したことで話題となった大船鉾も同じように、復興前に唐櫃巡行を行っていました。鷹山は巡行の順番が決まっている「くじ取らず」で、その進行順は大船鉾の前。“復興を目指す山”と“復興を達成した鉾”が並ぶ来年の夏は、見逃せませんね!
2018年も注目! 鷹山に会いに行こう
日和神楽(2017年7月撮影:鷹山保存会提供)
でもその前に、今年の鷹山にも注目です。巡行にこそ参加しないとはいえ、お囃子や会所飾りは今年も各所で披露されます。鷹山に出会える催しは以下の通り。
■ 奉納囃子
【日程】2018年7月19日(木)19:00~21:00
【場所】四条御旅所(四条通寺町東入 貞安前之町)Google map
■ 会所かざり(居祭)
【日程】2018年7月22日(日)~23日(月)13:00~
【場所】衣棚町町家(三条通室町西入 衣棚町)Google map
■ お囃子披露
【日程】2018年7月21日(土)~23日(月)19:00~
【場所】山音(株)前(三条通新町東入 衣棚町)Google map
■ 授与品販売
【日程】2018年7月21日(土)~23日(月)10:00~
【場所】山音(株)前(三条通新町東入 衣棚町)Google map
■ 日和神楽(ひよりかぐら)
【日程】2018年7月23日(月)21:30~
【場所】三条烏丸から三条西洞院間
たくさんあって、どれに行こうか迷ってしまいますね。私のおすすめは、21日から23日のお囃子披露と、23日夜の日和神楽です。やはりお囃子と提灯の組み合わせは、祭情緒を一番感じられます♪ 気になる方は、旅の予定と合わせて、訪ねてみてくださいね♪
大人気! 鷹山オリジナル授与品
鷹みくじ(左)、粽みくじ(中央)、犬みくじ(右)
各山鉾オリジナルの趣向を凝らした授与品を集めるのも、祇園祭の楽しみのひとつ。鷹山の授与品はヒット商品が多く、毎年新作が登場するので目が離せません。今年もたくさんの新作があるそうなのですが、イチ押しを山田理事長に教えていただきました。
山田さん 「全部といいたいところですが、まずは“粽(ちまき)みくじ”です。犬と鷹に続く3つめのおみくじで、犬遣、鷹遣、樽負の3体の御神体に対応するおみくじがついに揃いました」
まさに、鷹山みくじフルセット。これは、すべて揃えて飾りたい!
山田さん 「新作の扇子もおすすめです。京都市立芸術大学の学生がデザインしてくれたのですが、3体の御神体が今にも動き出しそうに生き生きと描かれているのが素敵でしょう?」
柔らかく、どこかコミカルな表情に、ユニークかつ躍動感のある構図。開くたびに、ついついニヤリとしてしまいそうです。芸術大学の学生らしい、センスある扇子です!
マル秘情報! 前祭でも鷹山に会える?
「素敵な授与品が気になるけど、今年は前祭にしか行けない・・・」とお嘆きの方に情報を。2018年7月16日(月・祝)に「そうだ 京都、行こう。」エクスプレス・カード会員様限定のひとやすみスペース「町家でひとやすみ2018」を開催します。会場1階では鷹山保存会の皆さまが授与品を販売する出張授与所をオープン! さらに、鷹山の歴史を紹介するパネル展示も行います。
今回ご紹介した授与品以外にも、すぐに売り切れてしまうという貴重な粽をはじめ、愛らしい犬みくじなどを先行販売。「そう京」カード会員の方はこの特別な機会ぜひご利用くださいね!
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山車復活が目前に迫ってきたことから、注目と期待が集まること間違いなしの「鷹山」は、ますます目が離せない存在となりそうです! 皆さまも、どうぞご注目くださいね。
\参加申込みは不要!/
⇒「町家でひとやすみ2018」イベントの詳細はこちら
\鷹山が参加する後祭にも「そう京」イベント盛りだくさん!/
⇒祭本来の古き良き情緒漂う、後祭の宵山「祇園祭 夕刻の宵山ウォーク~後祭編~」
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※すでにキャンセル待ちとなっている場合もございます。