錦秋の京都を味わう、11月の和菓子 6選

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京の和菓子の玉手箱 14


秋が深まる、京の街。今月も、和菓子ライフデザイナーの小倉夢桜(おぐら ゆめ)さんに、美しい和菓子の数々をご紹介いただきました。どうぞ、ご覧ください♪

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11月となり、朝晩がぐっと冷え込むようになってきました。いよいよ紅葉の色づき具合が気になる時季です。
⇒「京都紅葉情報2018」はこちら


紅葉のイメージ(酬恩庵 一休寺)


紅葉には温度と日光、そして雨量の、3つの条件が重要であるといわれています。

最低気温が5度以下の日が続き、日中の気温が20~25度くらい。昼夜の寒暖差があり、日光を適度に浴びて適度な湿気があると、鮮やかに紅葉するそうです。特に重要なのが、雨量。近年は集中豪雨が多く、適度な雨がしとしとと降ることが少なくなってきました。

この集中豪雨の原因が温暖化にあるともいわれています。夏場の猛暑だけが報じられますが、9月から11月にかけての気温上昇はあまり注目されることがありません。果たして今年はどのような紅葉シーズンになることでしょう。

美しくモミジが色づくことを願い、今回は錦秋の京都をイメージしたお菓子をご紹介します。


紅葉(こうよう) 【京菓匠 游月(ゆうづき) 本店】


紅葉 360円(11月上旬~下旬販売予定)


琳派を代表する尾形光琳(おがた こうりん)は、お菓子の世界にも多大なる影響を与えました。有名なのが「光琳菊」と呼ばれる意匠。無駄を省いたデザインは京菓子を代表するもので、白い上用饅頭の中ほどをくぼませて菊の花と見立てることが多いようです。

こちらは、その光琳のデザインを意識し、色づいたモミジを表現した外郎(ういろう)製のお菓子。斬新で、和菓子の新たな楽しみを感じる意匠に仕上げています。

■京菓匠 游月 本店
【営業時間】9:00~19:00
【定休日】水曜日
【電話】075-711-1110
【アクセス】叡山電鉄叡山本線「修学院駅」から徒歩約2分 Google map
【公式ホームページ】http://kyoukasyou-yuuduki.com/


錦秋 【二條若狭屋本店】


錦秋 378円(10月~11月下旬販売予定)


モミジが錦のように色づく美しい秋、という意味の「錦秋」。西陣織が盛んな京都に馴染む、秋の表現です。

秋の味覚である栗を練り込んだ羊羹の上に“みじん羹”を薄くのせ、“秋”を閉じ込めた錦玉羹(きんぎょくかん)で仕上げた和菓子。色づいたモミジの葉から季節の移ろいが感じられます。

■二條若狭屋本店
【営業時間】8:00~18:00/日祝8:00~17:00
【定休日】無休(1/1~3は休み)
【電話】075-231-0616
【アクセス】地下鉄東西線「二条城前駅」から徒歩約5分 Google map
【公式ホームページ】http://www.kyogashi.info/


秋の山 【鍵甚良房(かぎじんよしふさ)】


秋の山 240円(11月上旬~下旬販売予定)


京都市街をぐるりと取り囲む山々。京都に暮らす人々にとって山はとても身近な存在です。

毎朝、山を見て季節の移ろいを感じながら和菓子を作る。これは、和菓子職人が職人になってはじめて教えられることなんだそうです。秋の深まりとともに変化していく秋の山を“きんとん”で表現したお菓子です。


秋の山路 (やまみち)【鍵甚良房】


秋の山路 260円(11月上旬~下旬販売予定)


抽象的な曲線と季節の色合いで山並みを表現する、こなし製の“山路”というお菓子。こちらも、京菓子を代表する意匠のひとつです。

春夏秋冬、それぞれの色を用いて季節を表し、今の時期は色づいた木々の色あいをイメージ。赤く染まる山の様子を表現しています。

■鍵甚良房
【営業時間】8:00~18:00
【定休日】水曜日
【電話】075-561-4180
【アクセス】市バス「四条京阪前」バス停から徒歩約5分、京阪本線「祇園四条駅」から徒歩約5分  Google map
【公式facebook】https://www.facebook.com/鍵甚良房-829429737253961/
【公式Twitter】https://twitter.com/kagijin_kyoto


売茶翁(ばいさおう) 【長久堂(ちょうきゅうどう) 北山店】


売茶翁 454円(11月上旬~下旬販売予定)※事前にご予約いただきますと確実です


「売茶翁」という文字を見て“とある人物”をイメージできた方は、かなりの京都通です。江戸中期に生まれ萬福寺で修行した禅僧で、後に東山で煎茶を売り、煎茶道を広めた人物が「売茶翁」です。

この人物の名を銘とする和菓子。とっても可愛らしい急須を模したこなし製の菓子のなかに、ほうじ茶餡が入っており、思わずほっこりしてしまいます。気取らず気楽に、暖かいお番茶で召し上がっていただきたいお菓子です。


保津の秋 【長久堂 北山店】


保津の秋 454円 ※事前にご予約ください


深まる京都の秋。洛中洛外で、色づいた木々が私たちを魅了します。景勝地のひとつ「保津川」では、川の流れと色づいた木々の競演が、心に残る美しい風景を見せてくれます。

保津川に舞い散り、水面を流れるモミジ。秋に別れを告げ、厳しい冬の到来を予感させる、その情景を表現したお菓子です。

■長久堂 北山店
【営業時間】9:00~18:00
【定休日】不定休
【電話】075-712-4405
【アクセス】地下鉄烏丸線「北山駅」から徒歩約10分 Google map
【公式Facebook】https://www.facebook.com/chokyudo/

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錦秋の京都を、お菓子から感じていただけたでしょうか。京都観光の際には、紅葉狩りとともにお気に入りの和菓子を探し歩いてみてください。きっと、新たな京都と出会えることと思います。

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文・写真:小倉夢桜 —Yume—
和菓子ライフデザイナー/ライター/フォトグラファー。京都五感処・京都Loversフォーラム代表。2012年よりホームページ『きょうの「和菓子の玉手箱」』を運営し、毎日京都の和菓子を紹介し続けている。現在は『月刊京都』(白川書院)で「月刊京都版・きょうの『和菓子の玉手箱』」を連載中。
【きょうの『和菓子の玉手箱』】http://kyoto-lovers-forum.com
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Written by. みさご

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