晩秋の眼福、「散りもみじ」の美しいスポット7選

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真如堂(撮影日:2023年12月4日)

真如堂(撮影日:2023年12月4日)

紅葉で賑わった京の街も、秋から冬へと季節が移り変わる頃には少しずつ穏やかさを取り戻します。とはいえ、例年、12月になっても京都には“名残の紅葉”を楽しめるスポットがあり、ゆっくりと紅葉を観賞したい方にはおすすめの時季といえます。

これから特に注目したいのが「散りもみじ」。近年では、「敷きもみじ」とも言われるようになり、晩秋から初冬にかけての楽しみのひとつです。今年(2024年)は、まだまだ見頃のスポットも多くありますが、“散りもみじの見頃”もこれからが本番。見上げるのではなく“足下を見つめるもみじ狩り“も楽しんでみてください。

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★名残の紅葉スポットはこちらでもご紹介しています。
⇒晩秋の京 「名残の紅葉」名所5選+1

【東福寺】珠玉の紅葉スポットは、散ってなお美しい

東福寺(撮影日:2020年12月4日)

東福寺(撮影日:2020年12月4日)

京都随一の紅葉スポットとして人気を集める東福寺。たくさんの人で賑わう11月を過ぎ12月に入れば、訪れる人も比較的少なくなります。通天橋エリアでは、渓谷を埋め尽くした真っ赤な紅葉は降り積もる“散りもみじ”となり、辺り一面、深紅の絨毯に。境内がモノクロームになる冬を前に、最高に艶やかな秋のラストシーンが訪れます。

東福寺(撮影日:2020年12月4日)

東福寺(撮影日:2020年12月4日)

“散りもみじ”は、散り始めから散り終わりまで、少しずつ異なる雰囲気が楽しめるのが魅力。ほぼ落葉した光景もまた、絵になります。

東福寺(撮影日:2018年12月5日)

東福寺(撮影日:2018年12月5日)

通天橋エリアの紅葉が落葉する頃、ひっそりと紅葉が見頃となるのが本坊庭園の北庭です。切り石と苔でデザインされたお庭を囲むかのようなモミジが最盛期を迎えます。青々とした苔に、雨や風に散った赤や黄色の葉が彩りを添える様もまた一興。通天橋のモミジが盛んに落葉をしていたら、こちらに足を運んでみるも良いかもしれません。

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【祇王寺】奥嵯峨の晩秋に浸る

祇王寺(撮影日:2011年12月5日)

祇王寺(撮影日:2011年12月5日)

平清盛に愛された白拍子・祇王が出家・入寺し、悲恋の舞台として知られる祇王寺。奥嵯峨の晩秋は、清盛の寵愛を失った祇王の悲しみを思い起こさせるように、紅葉が儚く散り落ち、境内に降り積もります。

祇王寺(撮影日:2019年11月30日)

祇王寺(撮影日:2019年11月30日)

特に朝や夕方、樹木の影が長く地面に伸びるとき、終わりゆく秋のもの悲しさが感じられます。喧騒から離れ、ひとり静かに訪れたくなる場所です。

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【常寂光寺】仏の住む安穏の地に思いめぐらす

常寂光寺(撮影日:2020年12月5日)

常寂光寺(撮影日:2020年12月5日)

小倉山 峰のもみぢ葉 心あらば 今ひとたびの みゆき待たなむ
『百人一首』など多くの和歌に詠まれる紅葉名所・小倉山の中腹に位置する常寂光寺。高低差のある境内に200本以上ものカエデが植わり、境内を赤く染め上げた後、晩秋には落葉が苔生した山肌に降り積もります。

常寂光寺(撮影日:2020年12月5日)

常寂光寺(撮影日:2020年12月5日)

「常寂光寺」の名の由来は、『法華経』に説かれた「常寂光土(仏陀の住む壊れることのない安穏な世界)」から。その名の通り、桜、新緑、青もみじと四季折々に浄土のように美しい世界が広がり、儚さとうら悲しさに包まれる晩秋もまた、格別の美しさを感じられます。

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【光明寺】“散りもみじ狩り”を心ゆくまで

光明寺(撮影日:2020年12月5日)

光明寺(撮影日:2020年12月5日)

京都盆地の西側・長岡京市にある光明寺は、石畳の道をモミジが覆う「もみじ参道」の美しさで知られるお寺。例年紅葉の時季には「紅葉の特別入山」としてもみじ参道やお庭の特別拝観を実施されていて、11月下旬から参道脇の散りもみじも楽しめるようになります。

光明寺(撮影日:2019年12月5日)

光明寺(撮影日:2019年12月5日)

寺紋入りの山門幕が絵になる薬医門付近は境内で一番遅く色づくエリアですが、今年(2024年)は今がまさに見頃といった状況(12月2日現在)。写真のような、見頃のモミジと散ったモミジが織りなす風景は、12月8日(日)頃まで楽しむことができそうです。

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【宝筐院】知る人ぞ知る嵐山の紅葉スポットは、晩秋も素晴らしい

宝筐院(撮影日:2023年12月5日)

宝筐院(撮影日:2023年12月5日)

嵯峨野・嵐山エリアのなかでも知る人ぞ知る紅葉名所である、宝筐院(ほうきょういん)。白河天皇の勅願寺で室町幕府二代将軍・足利義詮(よしあきら)の菩提寺となった歴史あるお寺ですが、今はこぢんまりとした境内に、たくさんのモミジやドウダンツツジが植わる、静かなお寺です。色づきは遅く、例年11月下旬から。

宝筐院(撮影日:2023年12月5日)

宝筐院(撮影日:2023年12月5日)

見頃を過ぎれば、境内一面を散りもみじが覆います。拝観は石畳の上を歩き、お庭の中には立ち入り禁止。だからこそ、誰にも踏まれていない美しい状態の散りもみじを楽しむことができます。撮影目的の訪問はお断りされているため、必ず本堂でお参りされてから、お庭を拝観してくださいね。

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【真如堂】“散りもみじ”の名所中の名所

真如堂(撮影日:2023年12月4日)

真如堂(撮影日:2023年12月4日)

2019年秋の「そう京」キャンペーンの舞台となった、真如堂。本堂前から三重塔付近にかけては早くに色づきますが、本堂裏の見頃は例年12月上旬。色づいた後に散った葉は、あたりを真っ赤に染め上げます。拝観者は入れない区画となっていて、踏まれることなく降り積もった紅葉がふかふかの絨毯となり、見事な晩秋の景を見せてくれます。
  • 真如堂(撮影日:2023年12月4日)

    真如堂(撮影日:2023年12月4日)

  • 真如堂(撮影日:2023年12月4日)

    真如堂(撮影日:2023年12月4日)

本堂裏と合わせて注目したいのが、総門からのびる参道の両脇エリア。例年、本堂裏の散り紅葉と時を同じくして、こちらでも晩秋の絶景を目の当たりにすることができます。

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【南禅寺 天授庵】水面を彩る紅葉風景

南禅寺 天授庵(撮影日:2023年12月7日)

南禅寺 天授庵(撮影日:2023年12月7日)

最後にご紹介するのは、南禅寺の塔頭寺院である天授庵。例年11月上旬に見頃を迎える方丈東庭が有名ですが、散り紅葉スポットとしてご紹介したいのが書院南庭です。
  • 南禅寺 天授庵(撮影日:2023年12月7日)

    南禅寺 天授庵(撮影日:2023年12月7日)

  • 南禅寺 天授庵(撮影日:2023年12月7日)

    南禅寺 天授庵(撮影日:2023年12月7日)

こちらで見られるのが、水面をキャンバスに描かれるドラマチックな紅葉風景。優雅に泳ぐ鯉も相まって、“生きた絵画”のようではありませんか。訪れる人も少ない時季なので、時間が経つのも忘れて、ついぼんやりと見入ってしまいそうです。

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見頃の紅葉も美しいですが、散ってしまった紅葉も時には感動的な風景となります。「今年はまだ京都の紅葉が見られていない・・・」という方も諦めずに、これから足を運んでみてくださいね。
※掲載内容は2024年12月2日時点の情報です。最新情報は各掲載先へご確認ください。

Written by. 「そう京」編集部

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