
真如堂(撮影日:2023年12月4日)
紅葉で賑わった京の街も、冬へと季節が移り変わる頃には少しずつ穏やかさを取り戻します。とはいえ、例年12月になっても、京都には“名残の紅葉”を楽しめるスポットがあり、ゆっくりと紅葉を観賞したい方にはおすすめの時季といえます。
晩秋から初冬にかけて注目したいのが“散りもみじ”。近年では、“敷きもみじ”とも言われるようになり、晩秋から初冬にかけての楽しみのひとつです。今年(2025)は、すでに“散りもみじシーズン”を迎えているスポットもありますが、「京都紅葉情報」の掲載スポットの中から、おすすめの名所をご紹介します。
\現在の紅葉状況をチェック!/
【東福寺】珠玉の紅葉スポットは、散ってなお美しい

撮影日:2024年12月5日
今秋の「そう京」キャンペーンの舞台である東福寺。例年であれば、12月に入ると、訪れる人も比較的少なくなっていきます。通天橋エリアでは、渓谷を埋め尽くした真っ赤な紅葉は降り積もる“散りもみじ”となり、辺り一面、深紅の絨毯に。境内がモノクロームになる冬を前に、最高に艶やかな秋のラストシーンが訪れます。

撮影日:2024年12月5日
通天橋を額縁のように見立てて眺める“散りもみじ”の光景は、晩秋だけに鑑賞できる珠玉のアート作品のよう。“見頃”が過ぎていたとしても、この時にしか目にすることができない風景を存分に楽しみましょう。

撮影日:2018年12月5日
通天橋エリアの紅葉が落葉する頃、ひっそりと紅葉が見頃になるのが本坊庭園の北庭です。切り石と苔でデザインされたお庭を囲むかのようなモミジが最盛期を迎えます。青々とした苔に、雨や風に散った赤や黄色の葉が彩りを添える様もまた一興。通天橋のモミジが落葉をしていたら、こちらに足を運んでみるも良いかもしれません。
【祇王寺】奥嵯峨の晩秋に浸る

撮影日:2011年12月5日
平清盛に愛された白拍子・祇王が出家・入寺し、悲恋の舞台として知られる祇王寺。奥嵯峨の晩秋は、清盛の寵愛を失った祇王の悲しみを思い起こさせるように、紅葉が儚く散り落ち、境内に降り積もります。

撮影日:2019年11月30日
【常寂光寺】仏の住む安穏の地に思いめぐらす

撮影日:2020年12月5日
小倉山 峰のもみぢ葉 心あらば 今ひとたびの みゆき待たなむ
『百人一首』など多くの和歌に詠まれる紅葉名所・小倉山の中腹に位置する常寂光寺。高低差のある境内にはたくさんのカエデが植わり、境内を赤く染め上げた後、晩秋には落葉が苔生した山肌に降り積もります。
『百人一首』など多くの和歌に詠まれる紅葉名所・小倉山の中腹に位置する常寂光寺。高低差のある境内にはたくさんのカエデが植わり、境内を赤く染め上げた後、晩秋には落葉が苔生した山肌に降り積もります。

撮影日:2020年12月5日
「常寂光寺」の名の由来は、『法華経』に説かれた「常寂光土(仏陀の住む壊れることのない安穏な世界)」から。その名の通り、桜、新緑、青もみじと四季折々に浄土のように美しい世界が広がり、儚さとうら悲しさに包まれる晩秋もまた、格別の美しさを感じられます。
⇒現在の色づき状況は? 常寂光寺の紅葉情報はこちら
⇒現在の色づき状況は? 常寂光寺の紅葉情報はこちら
【光明寺】“散りもみじ狩り”を心ゆくまで

撮影日:2020年12月5日
京都盆地の西側・長岡京市にある光明寺は、石畳の道をモミジが覆う「もみじ参道」の美しさで知られるお寺。例年紅葉の時季には「紅葉の特別入山」としてもみじ参道やお庭の特別拝観を実施されていて、11月下旬から参道脇の“散りもみじ”も楽しめるようになります。

撮影日:2019年12月5日
寺紋入りの山門幕が絵になる薬医門付近は境内で一番遅く色づくエリアですが、今年は今が見頃といった状況(12月1日現在)。お寺の方によると、写真のような見頃のモミジと散ったモミジが織りなす風景は、12月7日(日)頃まで楽しむことができそうです。
【宝筐院】知る人ぞ知る嵐山の紅葉スポットは、晩秋も素晴らしい

撮影日:2023年12月5日
嵯峨野・嵐山エリアのなかでも知る人ぞ知る紅葉名所である、宝筐院(ほうきょういん)。白河天皇の勅願寺で室町幕府二代将軍・足利義詮(よしあきら)の菩提寺となった歴史あるお寺ですが、今はこぢんまりとした境内に、たくさんのモミジやドウダンツツジが植わる、静かなお寺です。色づきは遅く、例年11月下旬から。

撮影日:2023年12月5日
見頃を過ぎれば、境内一面を“散りもみじ”が覆います。拝観は石畳の上を歩き、お庭の中には立ち入り禁止。だからこそ、誰にも踏まれていない美しい状態の“散りもみじ”を楽しむことができます。撮影目的の訪問はお断りされているため、必ず本堂でお参りしてから、お庭を拝観してくださいね。
⇒現在の色づき状況は? 宝筐院の紅葉情報はこちら
⇒現在の色づき状況は? 宝筐院の紅葉情報はこちら
【真如堂】“散りもみじ”の名所中の名所

撮影日:2023年12月4日
2019年秋の「そう京」キャンペーンの舞台となった、真如堂。本堂前から三重塔付近にかけては早くに色づきますが、本堂裏の見頃は例年12月上旬。色づいた後に散った葉は、あたりを真っ赤に染め上げます。拝観者が立ち入れない区画は踏まれることなく降り積もった紅葉がふかふかの絨毯となり、見事な晩秋の景を見せてくれます。
本堂裏とあわせて注目したいのが、総門からのびる参道の両脇エリア。例年、本堂裏の散り紅葉と時を同じくして、こちらでも晩秋の絶景を目の当たりにすることができます。
⇒現在の色づき状況は? 真如堂の紅葉情報はこちら
⇒現在の色づき状況は? 真如堂の紅葉情報はこちら
【南禅寺 天授庵】水面を彩る紅葉風景

撮影日:2023年12月7日
南禅寺の塔頭寺院の中で、年間を通して公開されている天授庵。例年11月上旬に見頃を迎える方丈東庭が有名ですが、“ひと味異なる散りもみじスポット”としてご紹介したいのが書院南庭です。
こちらで見られるのが、水面をキャンバスに描かれるドラマチックな紅葉風景。優雅に泳ぐ鯉も相まって、“生きた絵画”のようではありませんか。訪れる人も少ない時季なので、時間が経つのも忘れて、ついぼんやりと見入ってしまいそうです。
⇒現在の色づき状況は? 南禅寺 天授庵の紅葉情報はこちら
⇒現在の色づき状況は? 南禅寺 天授庵の紅葉情報はこちら
【妙心寺 大法院】“散りもみじ”を見られる大チャンス到来!

撮影日:2022年11月28日
春と秋に特別公開が行われる妙心寺の塔頭寺院、大法院。書院の前に広がる露地庭園にはモミジが多く、苔に落ちる“散りもみじ”も風情たっぷり。しかし例年、秋の公開は11月いっぱいで終わり、“散もみじの見頃”前に門は閉ざされてしまいます。

撮影日:2025年12月3日
ところが、今年はJR東海が主催する「秋の特別拝観」が12月7日(日)まで行われており、“散りもみじ”を堪能するチャンスなのです!
本日3日(水)現在の模様がこちら。良い感じで散ってきていますね♪ 近年ではなかなかお目にかかる機会がない“秘蔵の散りもみじ”を見に、大法院を訪ねてみてはいかがでしょうか。
※ご購入には「エクスプレス予約」・「スマートEX(年会費無料)」の会員登録が必要です。スマートEXについて詳細はこちら
※掲載内容は2025年12月3日時点の情報です。最新情報は各掲載先へご確認ください。
