晩秋の眼福、「散りもみじ」の美しいスポット6選

  • 紅葉情報

宝筐院(撮影日:2020年12月2日)

宝筐院(撮影日:2020年12月2日)

紅葉で賑わった京の街も、秋から冬へと季節が移り変わる頃には少しずつ穏やかさを取り戻します。とはいえ、例年、12月になっても京都には“名残の紅葉”を楽しめるスポットがあり、ゆっくりと紅葉を観賞したい方にはおすすめの時季といえます。

今回は、「名残の紅葉スポット」のなかでも、「散りもみじ」に注目。昨年(2020年)「京都紅葉情報」で撮影した写真のなかから、美しいスポットを集めてみました。見上げるのではなく“足下を見つめるもみじ狩り“、どうぞ楽しんでみてください。

★掲載写真は、昨年(2020年)撮影のものとなります。
紅葉の色づき状況は年によって異なり、2021年は例年より早く紅葉が進んでいるスポットもあります。
現在の状況は下記よりご確認ください 。

⇒「京都紅葉情報2021」
※2021年の紅葉情報は、12月12日(金)まで更新予定です。

★名残の紅葉スポットはこちらでもご紹介しています。
⇒晩秋の京 「名残の紅葉」名所5選+1
※新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、京都旅行の際は、政府およびお住まいの都道府県と京都府の要請をご確認ください。京都にお越しの際は、マスクの着用・手指のアルコール消毒など、感染拡大防止の徹底にご協力をお願いいたします。日々、状況は変化しておりますので、事前に最新情報をご確認ください。

【東福寺】珠玉の紅葉スポットは、散ってなお美しい

東福寺(撮影日:2020年12月4日)

東福寺(撮影日:2020年12月4日)

京都随一の紅葉スポットとして人気を集める東福寺。たくさんの人で賑わう11月を過ぎ12月に入れば、訪れる人も比較的少なくなります。渓谷を埋め尽くした真っ赤な紅葉は降り積もる“散りもみじ”となり、辺り一面、深紅の絨毯に。境内がモノクロームになる冬を前に、最高に艶やかな秋のラストシーンが訪れます。

東福寺(撮影日:2020年12月4日)

東福寺(撮影日:2020年12月4日)

“散りもみじ”は、散り始めから散り終わりまで、少しずつ異なる雰囲気が楽しめるのが魅力。ほぼ落葉した光景もまた、絵になります。

⇒現在の色づき状況は? 東福寺の紅葉情報はこちら

【祇王寺】奥嵯峨の晩秋に浸る

祇王寺(撮影日:2020年12月5日)

祇王寺(撮影日:2020年12月5日)

平清盛に愛された白拍子・祇王が出家・入寺し、悲恋の舞台として知られる祇王寺。奥嵯峨の晩秋は、清盛の寵愛を失った祇王の悲しみを思い起こさせるように、紅葉が儚く散り落ち、境内に降り積もります。

祇王寺(撮影日:2020年12月5日)

祇王寺(撮影日:2020年12月5日)

特に朝や夕方、樹木の影が長く地面に伸びるとき、終わりゆく秋のもの悲しさが感じられます。喧騒から離れ、ひとり静かに訪れたくなる場所です。
※2021年の散りもみじは、12月12日(日)までを予定。

⇒現在の色づき状況は? 祇王寺の紅葉情報はこちら

【常寂光寺】仏の住む安穏の地に思いめぐらす

常寂光寺(撮影日:2020年12月5日)

常寂光寺(撮影日:2020年12月5日)

小倉山 峰のもみぢ葉 心あらば 今ひとたびの みゆき待たなむ
『百人一首』など多くの和歌に詠まれる紅葉名所・小倉山の中腹に位置する常寂光寺。高低差のある境内に200本以上ものカエデが植わり、境内を赤く染め上げた後、晩秋には落葉が苔生した山肌に降り積もります。

常寂光寺(撮影日:2020年12月5日)

常寂光寺(撮影日:2020年12月5日)

「常寂光寺」の名の由来は、『法華経』に説かれた「常寂光土(仏陀の住む壊れることのない安穏な世界)」から。その名の通り、桜、新緑、青もみじと四季折々に浄土のように美しい世界が広がり、儚さとうら悲しさに包まれる晩秋もまた、格別の美しさを感じられます。

⇒現在の色づき状況は? 常寂光寺の紅葉情報はこちら

【光明寺】“散りもみじ狩り”を心ゆくまで

光明寺(撮影日:2020年12月5日)

光明寺(撮影日:2020年12月5日)

京都盆地の西側・長岡京市にある光明寺は、石畳の道をモミジが覆う「もみじ参道」の美しさで知られるお寺。例年紅葉の時季には「紅葉の特別入山」としてもみじ参道やお庭の特別拝観を実施されていて、11月下旬から参道脇の散りもみじも楽しめるようになります。

光明寺(撮影日:2020年12月5日)

光明寺(撮影日:2020年12月5日)

寺紋入りの山門幕が絵になる薬医門付近は、境内でも一番遅く色づくエリアですが、今年(2021年)は例年よりもだいぶ早く色づきが進んでいるとのこと。「紅葉の特別入山」期間は12月5日(日)までとなり、それ以降はもみじも掃き清められ掲載写真のような光景は見られなくなってしまうようです・・・ 今年最後のもみじ狩り、ぜひ12月5日までに訪れてみてください。

⇒現在の色づき状況は? 光明寺の紅葉情報はこちら

【宝筐院】知る人ぞ知る嵐山の紅葉スポットは、晩秋も素晴らしい

宝筐院(撮影日:2020年12月2日)

宝筐院(撮影日:2020年12月2日)

嵯峨野・嵐山エリアのなかでも知る人ぞ知る紅葉名所である、宝筐院(ほうきょういん)。白河天皇の勅願寺で室町幕府二代将軍・足利義詮(よしあきら)の菩提寺となった歴史あるお寺ですが、今はこぢんまりとした境内に、たくさんのモミジやドウダンツツジが植わる、静かなお寺です。色づきは遅く、例年11月下旬から。今年(2021年)は少し早く色づきが進んでいる模様。

宝筐院(撮影日:2020年12月5日)

宝筐院(撮影日:2020年12月5日)

見頃を過ぎれば、境内一面を散りもみじが覆います。拝観は石畳の上を歩き、お庭の中には立ち入り禁止。だからこそ、誰にも踏まれていない美しい状態の散りもみじを楽しむことができます。撮影目的の訪問はお断りされているため、必ず本堂でお参りされてから、お庭を拝観してくださいね。

⇒現在の色づき状況は? 宝筐院の紅葉情報はこちら

【真如堂】“散りもみじ”の名所中の名所

真如堂(撮影日:2020年12月8日)

真如堂(撮影日:2020年12月8日)

2019年秋の「そう京」キャンペーンの舞台となった、真如堂。総門から三重塔へと向かう参道は早くに色づきますが、本堂裏の見頃は例年12月上旬。色づいた後に散った葉は、あたりを真っ赤に染め上げます。拝観者は入れない区画となっていて、踏まれることなく降り積もった紅葉がふかふかの絨毯となり、見事な晩秋の景を見せてくれます。

真如堂(撮影日:2020年12月8日)

真如堂(撮影日:2020年12月8日)

本堂裏は東側に面しているため、日当たりの良い写真を撮影するならば午前中から正午頃に訪れるのがおすすめです。

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昨年の紅葉写真でお送りした“散りもみじ”スポット。見頃の紅葉も美しいですが、散ってしまった紅葉もときには感動的な風景となります。「今年はまだ京都の紅葉が見られていない・・・」という方も諦めずに、これから足を運んでみてくださいね。
※掲載内容は2021年11月29日時点の情報です。最新情報は各掲載先へご確認ください。

Written by. みさご

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