好奇心を刺激する! 京都の“大学ミュージアム”に注目♪

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京都大学総合博物館 常設展「化石から見た進化」エリア

2019年9月1日(日)から7日(土)まで、日本で初開催となる「ICOM(アイコム/国際博物館会議)京都大会 2019」(以下、ICOM京都大会)が行われています。世界141の国と地域から4,000人を超えるミュージアム関係者が集まり、京都の町はいつも以上にグローバルで文化的な空気に包まれています。

京都国立博物館京都文化博物館など京都には数多くのミュージアムがあり、そのなかで今回注目するのは、“大学ミュージアム”。総合大学や単科大学などバラエティに富んだ学校が集まる“大学のまち”京都には、大学が運営するミュージアムもたくさんあるんですよ♪ 各大学の特色に沿った個性的なミュージアムを訪れてみませんか。


スタンプラリー開催中!



京都市内の14の大学ミュージアムが連携する組織「京都・大学ミュージアム連携」では、第8回となる「京都・大学ミュージアム連携スタンプラリー」を開催中! 今回は、14のミュージアムとともに、京都工芸繊維大学で9月21日(土)に行われる国際シンポジウム「京都の近代化と伝統の形成-歴史資料の保存と活用」を加えた15ヵ所にスタンプが設置されます。抽選で、大学ミュージアムのグッズなどがいただけますので、ぜひ利用しながらめぐってみましょう!

⇒スタンプラリーの詳細はこちら


【京都大学総合博物館】
ワクワクがとまらない! “知の遊び”を体感しよう



明治30年(1897)に創立し、120年余の歴史を誇る京都大学。“自由の学風”を理念に掲げ、様々な分野で世界的に活躍する人材を輩出してきました。その京都大学が開学以来収集してきた貴重な学術標本資料260万点を収蔵・保管・展示するのが「京都大学総合博物館」です。日本初の本格的な「社会に開かれた大学の窓口=ユニバーシティ・ミュージアム」として、京大の研究成果を世界に向けて発信しています。


常設展「熱帯雨林の生態多様性と共生系~ランビルの森の自然~」エリア

常設展は「自然史」「文化史」「技術史」にわかれて展示されていて、常設展のなかでも「自然史」の分野の充実度はすばらしく、ナウマンゾウの化石から、京大が誇る「霊長類学」研究の成果、京大の研究林がある「芦生の森」の動物や昆虫・植物の標本など、驚くほどの量の標本が飾られています。特に「ランビルの森」は、館内に熱帯雨林の森が再現されていて、その壮大さに驚いてしまいます。


企画展「地の宝Ⅱ 比企鉱物標本」

2019年度の企画展「地の宝Ⅱ 比企鉱物標本」では、比企忠(ひき ただす)博士が世界中から集めた鉱物標本が展示され、今では閉山となった佐渡金山などの鉱石を見ることが出来ます。


特別展「洛中洛外図屏風を愉しむ 絵画史料に親しむ方法の開発」

また、ICOM京都大会関連特別展として、「洛中洛外図屏風を愉しむ 絵画史料に親しむ方法の開発」展を開催中。岩佐又兵衛が手がけた「国宝舟木本洛中洛外図屏風」(東京国立博物館蔵)のデジタル画像を、どのように活用できるのか。凸版印刷との共同研究の成果の一部を公開しています。高精細なデジタル画像だからできる、「人物探し」クイズなど遊びながら洛中洛外図を楽しめます。同期間中は入館料無料となりますので、この機会にぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

■京都大学総合博物館
【開館時間】9:30~16:30(受付終了16:00)
【休館日】月曜日・火曜日、年末年始(12/28~1/4)
【料金】400円 ※2019年8月28日(水)~9月29日(日)は入館料無料
【電話】075-753-3272
【アクセス】市バス「百万遍」バス停から徒歩約2分 Google map
【公式ホームページ】http://www.museum.kyoto-u.ac.jp/

◆「洛中洛外図屏風を愉しむ 絵画史料に親しむ方法の開発」
【日程】2019年8月28日(水)~9月29日(日)

◆「地の宝Ⅱ 比企鉱物標本」
【日程】2019年7月31日(水)~11月3日(日・祝)

【ハリス理化学館同志社ギャラリー】
明治モダン香る、ゴシック様式の建物がすばらしい



明治8年(1875)、新島襄が開校した同志社英学校を祖とする同志社大学。今出川キャンパスの中にある「ハリス理化学館同志社ギャラリー」は、新島襄の志と同志社の歴史を紹介するギャラリーで、元は同志社の理化学教育の拠点となった建物。理化学教育への襄の熱意に共感したアメリカの実業家・J.N.ハリスの寄附によって明治23年(1890)に建てられ、国の重要文化財に指定されています。


8月31日(土)から始まった特別展「中世末期の京-洛中洛外図屏風の世界を掘る-」は、京都大学総合博物館で行われる「洛中洛外図屏風を愉しむ 絵画史料に親しむ方法の開発」展との連携展示。こちらは、国立歴史民俗博物館が所蔵する現存最古の「洛中洛外図屏風(歴博甲本)」の複製品を展示。16世紀中頃の京都の様子が描かれた屏風とともに、京都市内から出土した同時代の出土品も陳列され、中世末の京都を感じられる工夫がされています。

■ハリス理化学館同志社ギャラリー
【開館時間】10:00~17:00(受付終了16:30)
【休館日】月曜日、祝日、日曜日(企画展開催期間中は開館)、ゴールデンウィーク、夏期・冬期休暇の一部
【料金】無料
【電話】075-251-2716
【アクセス】地下鉄烏丸線「今出川駅」から徒歩約3分(同志社大学今出川キャンパス内) Google map
【公式ホームページ】https://harris.doshisha.ac.jp/doc/index.html

◆ICOM京都大会関連特集展示「中世末期の京-洛中洛外図屏風の世界を掘る-」
【日程】2019年8月31日(土)~9月28日(土)
※企画展ではないため日曜日は閉館しています。ご注意ください。

【京都工芸繊維大学美術工芸資料館】
“もの”を生み出す“デザイン力”について考えてみよう



洛北・松ヶ崎にある国立の工科系単科大学である京都工芸繊維大学は、“ものづくり”を基盤とした「実学」重視の大学。明治35年(1902)に前身校のひとつ京都高等工芸学校が創立。創設時の教授陣に洋画家の浅井忠や建築家の武田五一が名を連ねるなど、建学当初からデザイン教育に力を入れ、「科学と芸術の融合」を掲げてユニークな教育カリキュラムを実践しています。


1階展示室


「美術工芸資料館」は、昭和55年(1980)設立。浅井や武田がパリ・ドイツで収集したポスターを中心にしたポスターコレクションが充実していることで知られています。


企画展「図案家の登場-近代京都と染織図案Ⅲ」


常設展の他、年に数回企画展が行われていて、現在は「図案家の登場-近代京都と染織図案Ⅲ」展が開催中。友禅染や型友禅の図案を描いた人々に焦点を当て、着物に欠かせない図案家の仕事について、実際の資料を展示しながら解説されています。普段はあまり意識しない図案の仕事について、深く知る機会となりそうです。

■京都工芸繊維大学美術工芸資料館
【開館時間】10:00~17:00(受付終了16:30)
【休館日】日曜日・祝日、展示替え期間、臨時休館あり
【料金】200円 ※2019年8月26日(月)~10月6日(日)は入館料無料
【電話】075-724-7924
【アクセス】地下鉄烏丸線「松ヶ崎駅」から徒歩約10分 Google map
【公式ホームページ】http://www.museum.kit.ac.jp/index.html

◆「図案家の登場-近代京都と染織図案Ⅲ」展
【日程】2019年8月26日(月)~10月6日(日)

【龍谷大学 龍谷ミュージアム】
キャッチーでポップ!? 新感覚の仏教ミュージアム♪



寛永16年(1639)、西本願寺の僧侶教育機関として設立された「学寮」を前身とする龍谷大学。その創立370周年記念事業の一環として、平成23年(2011)、“街に開かれた仏教総合博物館”をコンセプトに「龍谷ミュージアム」が開館しました。


ベゼクリク石窟大回廊復元展示


シリーズ展では仏教の誕生からアジアへの広がり、日本の仏教の展開を紹介するとともに、“近世京都の寺社参詣”“仏教美術のいきものがたり”といった毎回異なる特集展示を併設しています。また、年に数回行われる特別展や企画展では、仏教に関する特定のテーマに基づく展示を開催。“お釈迦さんワールド”“地獄絵ワンダーランド”などキャッチーなタイトルなども用いて、仏教ビギナーさんにも親しみやすく、わかりやすい展示をされています。

秋季特別展「日本の素朴絵 -ゆるい、かわいい、たのしい美術-」
(左)《雲水托鉢図》南天棒筆 大正時代 個人蔵(右)大津絵《鬼の三味線引き》江戸時代(19世紀) 大津市歴史博物館


2019年の秋季特別展では「日本の素朴絵」に着目。“ゆるい かわいい たのしい美術”をサブタイトルとして、日本絵画史を彩る“ゆるカワ・アート”を展観します。白隠などの禅僧や庶民が描いてきた“素朴絵”。とぼけた味わいの良さを、じっくりと鑑賞くださいね♪

■龍谷大学 龍谷ミュージアム
【開館時間】10:00~17:00(受付終了16:30)
【休館日】月曜日(祝日の場合は翌日)、その他ミュージアムの定める日(展示替え期間、年末年始など)
【料金】シリーズ展500円、企画展・特別展会期中は異なる
【電話】075-351-2500
【アクセス】JR「京都駅」から徒歩約12分、市バス「西本願寺前」バス停から徒歩約2分 Google map
【公式ホームページ】https://museum.ryukoku.ac.jp/
★「そうだ 京都、行こう。」エクスプレス・カード特典協力先です。特典内容はこちら。

◆秋季特別展「日本の素朴絵 -ゆるい、かわいい、たのしい美術-」
【日程】2019年9月21日(土)~11月17日(日)
【料金】1,200円
★会期中は記念講演会やナイトミュージアムなどのイベントを開催。展覧会やイベントの詳細は、公式ホームページをご確認ください。

Written by. みさご

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