京の和菓子の玉手箱 26
11月になると「今年はどんな紅葉の和菓子に出会えるのかな」とワクワクしてきます♪ 今回、“和菓子ライフデザイナー”の小倉夢桜(ゆめ)さんにご案内いただいたのは、紅葉の始まりから終わりまで、まるで“紅葉シーズンを俯瞰するような”和菓子たち! 見ているだけでも紅葉が恋しくなってきて、「早く京都の紅葉に会いたい!」と心がトキメキますよ♪ ひと足はやい“和菓子のもみじ狩り”。どうぞお楽しみください。
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11月となりました。
今年の京都は9月、そして10月に入っても例年にないほどの暑さが続きました。10月中旬以降からようやく秋めいた気候となりましたが、長く続いた暑さが、これから迎える木々の紅葉にどのような影響をもたらすのかが気になるところです。
月末に向けて気温が一段と下がり、“錦秋の京都”となることを祈るばかりです。
金戒光明寺(撮影:「そう京」編集部)紅葉情報はこちら
今年の「そうだ 京都、行こう。」盛秋キャンペーンのテーマは、「秋は夕暮れ」。色づいた木々たちが、夕日を浴びてさらに真っ赤に色づく光景を見ることができる時間帯は、ほんのわずか。古都と自然が織りなす、新たな“京都の秋”を見つける旅に出かけてみませんか。
■千本玉壽軒(せんぼんたまじゅけん)
【深山(みやま)の錦】
神護寺(撮影日:2018年11月19日「そう京」編集部)紅葉情報はこちら
市街地よりもひと足早く色づき始める、山々の紅葉。色づいた山々のことを「山粧う(やまよそおう)」と表現します。日々変化していく山を目にすると、山が生きていることを改めて感じます。
深山の錦 400円(11月上旬~中旬販売予定、事前にお問合せください)
紅葉を表現する色合いの“こなし”に、型押しされたモミジ。階調のあるところに型押しすることによって、多彩な色が絡み合う“自然美”が表現されています。
【錦秋】
善峯寺(撮影日:2018年11月29日「そう京」編集部)紅葉情報はこちら
「錦秋」とは、“紅葉が錦の織物のように美しい”ということを意味する言葉です。これからの時季、京都はまさに「錦秋」となります。
錦秋 400円(11月上旬~下旬販売予定、事前にお問合せください)
華やかでありながらも品を感じる光景。こちらは、まさに錦秋を映したような、素敵な意匠。秋の京都には欠かすことのできない、“きんとん”で仕上げられたお菓子です。
■千本玉壽軒
【営業時間】8:00~18:00
【定休日】水曜日
【電話】075-461-0796
【アクセス】市バス「千本今出川」バス停から徒歩約1分 Google map
【公式ホームページ】http://sentama.co.jp/
■御菓子司 亀屋則克(かめやのりかつ)
【紅葉(もみじ)】
真如堂(撮影日:2018年11月30日「そう京」編集部)紅葉情報はこちら
夕日を浴びた美しい紅葉を目にすることができるのは、やはり京都市街地の東側・洛東エリアです。その中でも、私のお気に入りは「真如堂」。赤門からご本堂に向かってのびる石畳の階段の両脇には、モミジが植えられています。まるで紅葉のトンネルのようになった色づいた葉が夕日を浴びる光景は、まさに絶景です。
紅葉 380円(11月上旬~下旬販売予定、事前にお問合せください)
木型を使用してモミジを模った、“こなし”製のお菓子。仕上げに寒天を塗り、艶が出るようにしています。色づいたモミジの葉が夕日によって照り輝いているような、情緒あるお菓子です。
【梢(こずえ)の錦】
北野天満宮(撮影日:2018年12月2日「そう京」編集部)紅葉情報はこちら
晩秋の季語として用いられる、「梢の錦」。“樹木の先”を意味する「梢」に纏う、錦。紅葉を指す言葉としてとても相応しい、美しい表現です。
梢の錦 380円(11月上旬~下旬販売予定、事前にお問合せください)
その言葉通りの色合いで作られた、綾錦のような村雨(むらさめ、米粉と餡をまぜて蒸したもの)。その下には、小豆の形を残した小倉羹。村雨と小倉羹、ふたつの食感を楽しめる、見た目にも美しいお菓子です。
■御菓子司 亀屋則克
【営業時間】9:00~17:00
【定休日】日曜日・祝日、第3水曜日
【電話】075-221-3969
【アクセス】地下鉄烏丸線「烏丸御池駅」から徒歩約7分 Google map
【公式ホームページ】https://www.kameyanorikatsu.com/
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今回は、これからはじまる紅葉シーズンにちなんだお菓子をご紹介させていただきました。錦秋の京都を散策した後に、お菓子からもう一度素敵な風景を思い浮かべてみてはいかがでしょうか。
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文・写真:小倉夢桜 —Yume—
和菓子ライフデザイナー/ライター/フォトグラファー。京都五感処・京都Loversフォーラム代表。2012年よりホームページ『きょうの「和菓子の玉手箱」』を運営し、毎日京都の和菓子を紹介し続けている。現在は『月刊京都』(白川書院)で「月刊京都版・きょうの『和菓子の玉手箱』」を連載中。
【きょうの『和菓子の玉手箱』】https://kyoto-lovers-forum.com
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