京都でも続々登場中! 話題の「御城印」を集めよう♪

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近ごろ、じわじわと人気が上がっているのが、御朱印ならぬ「御城印(ごじょういん)」。登城証明として一部のお城で販売されている御朱印風の記念符で、“城好きさん”のみならず、様々な方が収集を楽しまれているそう。京都でもいただけるお城が増えてきたとのことで、「どんなお城でいただけるのかな?」と思い、現地を訪ねてきました!


御城印とは?


「御城印」は、お城を訪ねたことの証として販売される記念証。神社仏閣をお参りした証として拝受する“御朱印”とは異なります。気を付けるべきポイントは以下。

【名称】朱印との混同を避けるため、「御城印」ではなく「記念証・記念符」など名称が異なることがあります。気を付けていないと見過ごしてしまうかも・・・
【販売箇所】お城内の売店であることが多いのですが、天守が現存しない場合には資料館やゆかりの場所などで販売されていることも。販売箇所は事前にチェックを。
【“集印帳”は別々に!】似ているとはいえ、社寺の御朱印を集める「御朱印帳」に御城印を一緒に集めてしまうことは、NG! 専用の“御城印帳”はまだあまり販売されていませんが、御朱印帳とは別の集印帳をご用意くださいね♪

それでは、京都の御城印集めに出かけましょう!


京都の御城印、ことはじめ!
世界文化遺産・二条城の「入城記念符」


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二条城 入城記念符 300円


まず訪れたのは、「京都のお城といえば」で真っ先に思い浮かぶ、世界文化遺産の元離宮二条城。こちらでは「入城記念符」として、2016年9月から大休憩所の売店にて販売されています。城を築いた徳川家の“葵の紋”に「元離宮二条城」と書かれ、“世界文化遺産”の文字も堂々としたもの。昨年(2019年)には、改元を祝した慶祝入城記念符が登場したことでも話題を集めました(慶祝入城記念符は販売終了しています)。


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集印帳 1,980円


「これから御城印を集めたい」という方におすすめなのが、二条城本丸御殿の「松鶴の間」障壁画をデザインした「集印帳」。絢爛豪華な装丁が、「全御城印制覇!」のコレクター魂に火をつけてくれそうですね♪


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大休憩所売店で販売される二条城グッズいろいろ。消しゴムは2月2日(日)から新発売!


販売箇所:大休憩所売店(京都市観光協会二条城売店

■二条城
【開城時間】8:45~16:00(閉城17:00)※7~8月は8:00~17:00(閉城18:00)、9月は8:00~16:00(閉城17:00)
【休城日】12月29日~31日
  ※二の丸御殿は12・1・7・8月の毎週火曜日、1月1日~3日、12月26日~28日休
【入城料】入城・二の丸御殿1,030円、入城のみ620円
【アクセス】地下鉄東西線「二条城前駅」から徒歩すぐ、市バス「二条城前」バス停から徒歩約3分 Google map
【公式ホームページ】http://nijo-jocastle.city.kyoto.lg.jp/

通常版・限定版、2種類の御城印が登場!
光秀の盟友・細川幽斎の居城跡、勝竜寺城公園


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勝竜寺城公園


次に訪ねたのは、京都市のお隣「長岡京市」。「京都駅」からはJR京都線で4駅・約10分の「長岡京駅」で下車、徒歩約10分というアクセス便利な場所に、勝竜寺城公園があります。ここは、明智光秀の盟友・細川藤孝(幽斎)が居城し、藤孝の息子・忠興と光秀の娘・玉(ガラシャ)が新婚時代を過ごした「勝龍寺城」があった場所。「本能寺の変」後、光秀が最期の夜を過ごした城とも伝えられる地で、現在は公園・資料館として整備されています。


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(左)限定版御城印(右)通常版御城印 各300円


こちらの御城印は、2019年11月2日(土)、勝竜寺城公園のリニューアルオープンを記念して作成。限定版と通常版の2種類があり、限定版は勝龍寺城城主の細川藤孝(幽斎)の書状から文字を書き起こし、藤孝の花押入り。通常版は城名の基になった勝龍寺の現ご住職筆によります。


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公園内にある、忠興・ガラシャ夫妻像


JR「長岡京駅」・阪急「長岡天神駅」「西山天王山駅」すぐにある観光案内所で常時販売。資料館は光秀や細川幽斎・忠興・ガラシャの生涯がわかりやすく説明されているので、ぜひ立ち寄ってみてくださいね。(資料館での御城印販売は、当面の間休止)

販売箇所:JR「長岡京駅」長岡京市観光情報センター・阪急「長岡天神駅」長岡京市観光案内所・阪急「西山天王山駅」長岡京@Navi(各9:00~17:00、1~3・7~10・12月は水曜日休み)

■勝竜寺城公園
【開城時間】9:00~18:00(11~3月は~17:00)
【休城日】12月28日~1月4日
【入城料】無料
【電話】075-963-5510(長岡京市観光協会)
【アクセス】JR京都線「長岡京駅」から徒歩約10分 Google map
【公式ホームページ】http://www.nagaokakyo-kankou.jp/html/sightseeng/s04.html

2020年1月1日(水・祝)、御城印販売スタート!
大河ドラマに沸く、明智光秀ゆかりの福知山城


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福知山城


「京都駅」に戻り、JR山陰本線(嵯峨野線)に乗車し約2時間強。放映中の大河ドラマゆかりの地として注目を集める「福知山市」にやってきました! 駅から徒歩約15分、由良川を見下ろす小高い丘の上に「福知山城」があります。“臥龍城”の別名にふさわしい威容を誇る三層四階の天守閣がそびえていますが、こちらは昭和61年(1986)に再建されたもの。中は資料館となっていて、福知山の歴史や光秀について展示されています。なんといってもすばらしいのはその景色! 福知山盆地が見渡せます♪


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復元された釣鐘門からの眺め


福知山城は天正7年(1579)頃、光秀が丹波平定の折に築城した城郭で、江戸時代には主として朽木家の居城として栄えました。光秀が福知山を治めたのはわずか3年ほどのことでしたが、名君として今も市民に親しまれているそう。それだけに、市民の方の大河ドラマへの思いは熱く、2020年1月11日(土)から1年間限定で「福知山光秀ミュージアム」がオープン。光秀ゆかりのおみやげも続々と登場し、見逃せないスポットとなっています。


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福知山城御城印 300円


こちらの御城印は、2020年1月1日(水・祝)から販売を開始。天守1階のチケット売り場にていただくことができます。江戸時代の文書に残る「福智山城」の文字を写し、光秀の家紋・桔梗紋が大きく入れられています。お城とのショットも映える御城印です♪

販売箇所:天守1階 チケット売り場

■福知山城 天守閣
【開城時間】9:00~17:00(入館16:30)
【休城日】12月28日~31日 ※令和2年度は無休
【入城料】330円、福知山光秀ミュージアム共通券700円
【電話】0773-23-9564
【アクセス】JR山陰本線「福知山駅」から徒歩約15分、京都交通「福知山城公園前」バス停から徒歩約4分 Google map
【公式ホームページ】https://www.city.fukuchiyama.lg.jp/soshiki/7/2014.html

■福知山光秀ミュージアム
【開館日程】2020年1月11日(土)~2021年1月11日(月・祝)
【開館時間】9:00~17:00(最終入館16:30)
【休館日】無休
【入館料】500円
【電話】0773-48-9108(福知山光秀プロジェクト推進協議会)
【アクセス】JR山陰本線「福知山駅」から徒歩約15分、京都交通「福知山城公園前」バス停から徒歩約4分 Google map
【公式ホームページ】https://www.city.fukuchiyama.lg.jp/site/mitsuhidemuseum/

2020年1月19日(日)、御城印販売スタート!
関ヶ原合戦・前哨戦の舞台となった、田辺城(舞鶴城)


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田辺城


JR「福知山駅」に戻り、JR舞鶴線で約35分。「西舞鶴駅」から徒歩約5分の場所には、細川家の居城であった「田辺城」の跡があります。幽斎・忠興親子が築城した城は“舞鶴(ぶかく)城”とも呼ばれる優美な城で、その名から「舞鶴(まいづる)」の地名が採られたそう。歴史的にはとても重要な場所で、「関ヶ原合戦」の2ヵ月前、石田三成方の西軍15,000の大軍に、細川軍はわずか500で対抗。田辺城に籠城し、時の天皇・後陽成天皇の勅命によって和議が成立、開城したという、その舞台となりました。

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舞鶴市のゆるキャラ「ゆうさいくん」。「古今伝授」の傑物がかわいい姿に♪


もともと、天守閣は建てられず、資料館のある立派な城門は平成4年(1992)に、隅櫓「彰古館」は昭和15年(1940)に再建されました。城内は公園となり、市民憩いの場として親しまれています。


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田辺城御城印 300円


「田辺城」の御城印は、2020年1月19日(日)に販売がはじまったばかり。城内にある資料館で販売され、細川家の“九曜紋”とともに、細川家以後、田辺城の城主を務めた京極氏の“隅立四つ目紋”、牧野氏の“丸に三つ柏紋”も押印されています。

販売箇所:田辺城資料館

■田辺城資料館
【開館時間】9:00~17:00
【休館日】月曜日(祝日の場合はその翌々日)、祝日の翌日、12月29日~1月3日
【入館料】200円
【電話】0773-76-7211
【アクセス】JR舞鶴線「西舞鶴駅」から徒歩約7分 Google map
【公式ホームページ】https://www.city.maizuru.kyoto.jp/kyouiku/0000005026.html

藩士の思いを結実した「御城印」
“日本最後の城”、園部城


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南丹市国際交流会館 ※園部城ではありません


京都府南丹市園部町にも「御城印」があると聞き、訪ねてみました。各駅から「園部駅」へのアクセスは以下。

★「京都駅」からJR山陰本線(嵯峨野線)快速で約40分
★「福知山駅」からJR山陰本線で約1時間20分
★「西舞鶴駅」からJR舞鶴線で「綾部駅」乗換・JR山陰本線で約2時間

「園部駅」から徒歩約20分、京阪京都交通バスで約6分にあるのが、「南丹市立文化博物館」。こちらで「園部城」の御城印を販売されています。

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南丹市立文化博物館、園部城御城印 300円


「園部城」は、園部藩藩主・小出氏の居城なのですが、お城が完成したのはなんと明治2年(1869)のこと。というのも、園部藩が誕生した江戸時代、元和5年(1619)は家康により城の築造が禁止されていました。そのため、小出氏の本拠地は城郭の構えではあったものの城の名称が許されず、「園部陣屋」と呼ばれます。しかし、藩主である小出氏の思いは深く、ようやく明治2年(1869)になり櫓などの普請が許され、「園部城」が実現! 園部城は、「日本最後の城」と称されているそうなんですよ。

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ところが、そのわずか2年後、園部城は廃藩置県により廃城となってしまいます・・・ せっかく思いが成就したのに、解体されるお城の姿を見るのは、忍びなかったでしょうね・・・ 一部の建物は現存していて、櫓門は博物館の隣にある園部高校の校門になっています。藩士の思いが詰まった園部城。そして2019年、園部藩立藩400年を記念して御城印が作成されました。

園部には菅原道真存命中に祀られたという「生身天満宮」もあるなど、知られざる見どころが。御城印集めがてら、訪ねてみてはいかがでしょうか♪

販売箇所:南丹市立文化博物館

■南丹市立文化博物館
【開館時間】9:00~17:00(入館16:30)
【休館日】月曜日、祝日・振休、12月27日~1月5日
【入館料】310円
【電話】0771-68-0081
【アクセス】JR山陰本線(嵯峨野線)「園部駅」から京阪京都交通バス乗車、「交流会館前」バス停から徒歩すぐ Google map
【公式ホームページ】http://www.be.city.nantan.kyoto.jp/hakubutukan/index.html

墨塗りの光秀像を祀るお寺で授与される“御城印”とは?
光秀が築城した巨大山城・周山城


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くろみつ慈眼寺


最後に訪ねたのは、京都市右京区、京北エリアの「周山」にある「周山城址」です。「京都駅」からはJRバスに乗り終点の「周山」バス停下車。徒歩10分ほどのところにあります。

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現在の周山城址。兵どもが夢のあと・・・


周山城は天正9年(1581)、明智光秀によって東丹波の拠点として築かれた山城で、京都から若狭へ抜ける周山街道の要所に位置しました。東西約1.3キロ、南北約0.7キロもの城域があり、尾根を中心に60以上の城郭が連なった巨大な山城だったとされますが、築城の翌年、光秀が死去したのちに取り壊され、今は面影もなく、知る人も少なくなってしまいました・・・ 現地を訪ねると石垣に使われていたと思しき石が散乱していて、もの悲しい雰囲気・・・

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(左)特別記念御朱印400円(右)周山城址御城印 300円
どちらも2020年1月18日(土)に授与がはじまりました。


とはいえ、実は周山城址の石垣は、光秀の死後、城が再建されることはなかったため、光秀築城当時の石垣が今も残される貴重な遺構なんだそう。歴史に埋もれてしまった周山城を知ってもらうため、地元の方によってさまざまな取り組みが行われていて、2020年1月18日(土)には、城の麓にある「くろみつ慈眼寺」にて「御城印」が販売されることになりました。

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明智光秀公黒坐像


慈眼寺は、墨で塗られた光秀像「くろみつ大雄尊」を伝えるお寺で、お寺では「くろみつくん」というキャラクターも登場。「周山では名君と親しまれた光秀について、もっと知っていただきたい」とご住職。御城印は、販売開始から話題を集め、現在では地元のきらく食堂、登喜和、亀屋廣清でも販売されています。光秀の思いを伝えてきた土地で、光秀の夢の跡を感じ取ってみてはいかがでしょうか。

■周山 慈眼寺
【拝観時間】土曜日・日曜日・月曜日の10:00~16:00
 ※上記以外を希望の場合は要予約
【拝観料】300円
【電話】075-852-0213
【アクセス】京都駅からJRバス乗車、終点「周山」バス停から徒歩約5分 Google map
【公式ホームページ】http://jigenji.kyoto/
※周山城址は、慈眼寺から徒歩1時間弱。かなりの山道となるため、十分な装備の上、お出かけください。

\「くろみつくん」については、2月6日(木)の「そう京」Facebookでも詳しくご紹介しています/
https://www.facebook.com/soudakyoto/

***
京都の「御城印」、意外にたくさんありました。調べてみるまでは、「京都とお城のイメージがつながらない・・・」と思っていたのですが、実は京都はお城も数多くあった場所。現在「御城印」を販売されている城は少ないですが、歴史に登場してきた数多くの城があるので、これからの展開が楽しみです♪ 皆さまもどうぞ「御城印」にご注目くださいね!

 

Written by. みさご

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