
家守堂
京都NEW SPOT 11
京都の酒どころ「伏見桃山」は、豊臣秀吉が築城した伏見城の城下町として整備され、幕末の志士たちが駆け抜けた歴史ある町。今も活気に溢れるこのエリアでは、ここ数年、大人が楽しみたいステキなグルメスポットが続々とオープンしています。そのなかでスタッフが気になった2つのお店、フレンチレストラン「水ノ雅(みずのみやび) KYOTO FUSHIMI」と、クラフトビールと日本茶のお店「家守堂(やもりどう)」を訪ねました。
酒造会社社長の旧邸をリノベーションした、隠れ家フレンチ
【水ノ雅 KYOTO FUSHIMI】

築約150年の町家をリノベーションした「水ノ雅 KYOTO FUSHIMI」は、2019年5月にオープンしたフレンチレストラン。近鉄「桃山御陵前駅」・京阪「伏見桃山駅」から徒歩約5分、京町通に面した立地にありますが、観光の方はあまり通らない道のため、知る人ぞ知る隠れ家レストランです。

趣ある外観、そしてアンティークをそこかしこに配した重厚な内装は、大人ムードたっぷり。元は、伏見の酒造会社・齊藤酒造の社長邸であったそうで、趣はそのままにレストランとして利用しやすいようにリノベーションされています。席数は30席ほど。4人用個室や大個室(最大8名)も用意され、それぞれ庭に面した風情あるシチュエーションです。

お昼は、Dejeuner A(2,800円税別)、Dejeuner B(4,000円税別)、Dejeuner Special(要予約、6,000円税別)の3種類。夜も3コース(5,500円~)があります。2月上旬、私がランチにいただいたのはDejeuner Aコース。メインディッシュには、魚・ポーク・牛フィレ・サーロインの4つが用意されていて、Aコースはその中からひとつを、Bコースは魚+肉3種の内のひとつをチョイスできます。魚は、高知県宿毛港に仲買人を派遣し、現地から直送されているということで、今回は「魚」を選びました♪

(左上)食前のアミューズ(右上)季節限定・齊藤酒造の純米しぼりたて生原酒
(左下)オードブル(右下)メインディッシュ
※お料理は季節によって異なります。
フレンチレストランではありますが「やはりこちらは外せません」とサービスリーダーの菊澤さんがおすすめしてくださったのは、齊藤酒造の純米しぼりたて生原酒。季節限定のお酒で、1~3月頃のみいただけます。そして、お料理は、地元・宮本ファームから直送されるお野菜をふんだんに使用! 珍しい野菜も多く、アミューズは「カリフローレ」というカリフラワーの一種を使ったムースが。オードブルには菊芋や茎ブロッコリーなどが使われ、齊藤酒造の酒粕を使ったソースが添えられていました。
そして、メインの魚。この日は「ショウガマダイ」という、ショウガを食べて育った鯛のポワレ。
さらに、聖護院蕪のポタージュや自家製デザート、伏見・マルトシ珈琲のコーヒーなどのお飲み物が付き、満足度の高いコースです。お料理には昆布や鰹のお出汁も使用し、和の食材がフレンチに活かされ、素材も味も安心していただけました♪

山本茂シェフ
そのお料理を手がけるのは、地元・伏見出身のシェフ・山本茂さん。京都市内やフランスなどで腕を磨き、伏見でシェフを務めるのはこちらが初めてだそう。「だからこそ、より伏見の良さを活かしたお料理を作りたいという気持ちが強くて」と山本さん。酒粕をソースに使うなど、試行錯誤しながら日々お料理に取り組まれているそうです。
・・・ところで、シェフがいらっしゃるのは、店内にある「バー」。玄関横の元台所がスタンティング・バーに改装されていて、大きな“おくどさん”を眺めながら、お酒やワインを楽しむことができます。「ディナータイムのみの営業になりますが、バーだけの利用もできるので、気軽に立ち寄っていただければ」とのこと。天井には大きな梁、歴史を感じるお札や人形が、なんともいえない味わい深さです。

玄関
齊藤家住宅は、鳥羽伏見の戦い(1868)で罹災。明治初期に主屋・屋敷棟・長屋の順で再建され、建築的にも重要な町家だそう。時代の息吹、そして伏見という土地を感じられるまたとないシチュエーションで、贅沢な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
■水ノ雅 KYOTO FUSHIMI
【営業時間】11:00~15:00(ラストオーダー14:00)、17:00~22:00(コース料理ラストオーダー20:30)
【定休日】水曜日
【電話】075-574-7482
【アクセス】近鉄京都線「桃山御陵前駅」・京阪本線「伏見桃山駅」から徒歩約5分 Google map
【公式ホームページ】https://mizunomiyabi.jp/
「古いを楽しみ、新しいをつくる」
家守酒造(ビール)x 安本茶舗(日本茶)が紡ぐ新しい世界
【家守堂】

(左)茶かぶきSmall 200ml 480円、(右)牛ごろし Regular 400ml 680円
坂本龍馬の定宿・寺田屋があった場所にほど近い「竜馬通り商店街」は、石畳の風情ある通り。その商店街の入り口に店を構える「家守堂」は、京町家を改装し2019年6月にオープンしたブリューパブ(醸造所併設のビアパブ)です。

カウンター席など、店内から醸造所が見られます。
“オープンしたばかり”とはいえ、実力は折り紙付き。というのも、家守堂はクラフトビールなどの醸造設備を設計・施行するラフ・インターナショナル(有)が運営。京都でも「一乗寺ブリュワリー」や「京都醸造」などの人気醸造所を手がけられてきた、プロ集団です。これまで設計を担当してきた会社が満を持してオープンしたのが、この「家守堂」です。
では、どうしてこの場所にお店を作られたのか。・・・実は家守堂は、明治時代から続くお茶屋「安本茶舗」の店舗兼住宅だった建物を改装しています。
「“家守堂”という店名は、この町家と出会い、この家や、文化を守りたいという想いから生まれました」
と、スタッフの飯野さん。

醸造所は希望すれば見学も可能。
飯野さん 「私たちがお店を出そうと探していたとき、安本さんはお茶屋をたたみ、町家を保存する道を探されていました。そんなときに私たちと安本さんは出会い、可能な限り町家の建物を残しながらビールの醸造所を作ることはできないかとチャレンジをしました」
醸造所内は、古い梁の間を縫うように配管が張り巡らされ、まるで日本酒や味噌を醸す古い蔵のような佇まい。近代的な醸造設備と古い町家の融合。なるべく昔のままに建物を保全したいという思いから生まれた、不思議な景色です。

安本茶舗の安本さん
お店では今も安本さんのお茶がいただけるとともに、お店の一角で茶葉の販売もされています。笑顔で対応してくださるのは、安本さんご本人。ほぼ毎日、日中はお店にいらっしゃるそうです!「こんなすてきに残していただけて、良かったですよ」と安本さんは嬉しそうにおっしゃいます。

ハウスビール4種テイスティングセット 1,250円
クラフトビールの定番銘柄は、「デスティーノ」や「牛ごろし」、「クーデグラ」、「茶かぶき」など6種類。お店では、定番銘柄の2~3種類と、随時醸造する数種類のハウスビールがいただけます。初めての方には「ハウスビール4種テイスティングセット」がおすすめ。モルトとホップが織り成す味の違いを楽しめます。

家守7号一合とっくり 700円、ボトルビール 600円
飯野さん 「家守酒造のコンセプトとして、“ビールに旅をさせないこと”があります。この土地でしか飲めない、最高の状態のビールを提供したい。だから、家守堂のビールは、京都以外では出会えないんですよ」
京都市内のクラフトビール店などには出荷されることもあるそうですが、“旅”をするのはそこまで。お店ではボトルも販売されているため、おみやげとして持ち帰ることは可能。私は「牛ごろし」をおみやげに。お店でいただいた際にはホップの爽やかな苦みが感じられ、ボトルではホップらしさはありつつ少しマイルドに感じられました。繊細なものなのだ・・・ と改めて実感・・・

家守7号 日本酒セット 1,300円
ランチやアテも充実していて、なんとオリジナルの日本酒(一合800円)もあり、竜馬通り商店街に店を構える田中漬物店の「竜馬漬」などおつまみとセットでいただくこともできます。
この土地でしか出会えない味との出会い。ぜひ皆さまも楽しんでくださいね。
■家守堂
【営業時間】11:00~22:00 ※土曜日・日曜日・祝日は7:00~22:00
【定休日】無休
【電話】075-603-3080
【アクセス】近鉄京都線「桃山御陵前駅」から徒歩約10分、京阪本線「伏見桃山駅」から徒歩約8分 Google map
【公式ホームページ】https://yamorido.jp/