平安の春を願う、3月の和菓子

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京の和菓子の玉手箱 30


心落ち着かない日々が続くなか、今年は、春も駆け足でやってこようとしています。穏やかに、安らかな春の訪れを、ただひたすらに願うばかりです。そんな私たちの心を和ませてくれるのが、和菓子。3月の京都には、心をときめかせる春らしいお菓子が登場! 今月も、和菓子ライフデザイナーの小倉夢桜(ゆめ)さんのご案内で、ステキな和菓子をご紹介いたします♪

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椿など早春の花から春の訪れを感じた、2月。そしていよいよ3月は、待ちに待った桜の季節です。


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千本釈迦堂(2019年4月4日 撮影:「そう京」編集部)


私の密かな楽しみが、桜シーズンが終わってから京都市内を散策し、今まで知らなかった桜の木を見つけること。新しく見つけた桜が、春にどのように花開くのか。今から楽しみでなりません。皆さんも、自分だけのとっておきの桜の木を見つけられてみてはいかがでしょうか。


■二條若狭屋本店
【しだれ桜】


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京都御苑(2019年3月25日 撮影:「そう京」編集部)


京都には数々の“しだれ桜名所”がありますが、どの桜も気品に満ち溢れ、私たちを非日常の世界へと誘ってくれます。その中でも、京都の桜シーズンを告げるのが、京都御苑・近衞邸跡の糸桜。桜シーズンを待ち望む人々にとっては特別な、早咲きの桜です。私も、こちらの桜が花開く様子を見て、これから始まる桜シーズンに胸を躍らせます。


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しだれ桜 432円(3月初旬~4月中旬販売予定)


京都御苑からもほど近い場所に店を構える、二條若狭屋本店。春の和菓子として登場するのが、京都らしさを感じるしだれ桜を表現した、外郎(ういろう)製のお菓子です。御苑内に設けられたベンチに座り、鳥のさえずりを耳にしながらお菓子をいただいてみてはいかがでしょうか。


【雪佳の嵐山】


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嵐山(2019年4月11日 撮影:「そう京」編集部)


二條若狭屋は、初代が琳派の絵師・神坂雪佳と親交があったことから、包み紙などに雪佳の絵が使われています。秋には「雪佳の秋」という雪佳の紅葉の絵に包まれた栗菓子が登場するのですが、春には「雪佳の嵐山」という、こちらも風流なお菓子が店頭を彩ります。


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雪佳の嵐山 432円(3月上旬~4月中旬販売予定)


みじん羹と錦玉羹(きんぎょくかん)を流し合わせた、透明感のあるお菓子です。見上げれば、いっぱいに広がる満開の桜花。緑色のモチーフは、大堰川を流れる桜の葉のようにも、川面に浮かぶ小船のようにも見えます。華やかなお菓子から、爛漫の春を感じてくださいね。

■二條若狭屋本店
【営業時間】8:00~18:00、日祝8:00~17:00
【定休日】水曜日(1月1日~3日は休み)
【電話】075-231-0616
【アクセス】地下鉄東西線「二条城前駅」から徒歩約5分 Google map
【公式ホームページ】http://www.kyogashi.info/

■茶菓えん寿
【花便り】


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龍安寺(2019年4月9日 撮影:「そう京」編集部)


春の時季にこちらのホームページで日々更新される「京都 桜の名所開花情報」を見ながら、お花見の予定を立てる方もいらっしゃるのではないでしょうか。花便りが気になる、これからの時季。できることならば満開の桜と出会いたいものですね。皆さまがこの春、満開の桜と出会い、素敵な旅の思い出を作られることを願っております。

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花便り 378円(3月上旬~下旬販売予定)


金閣寺、龍安寺から仁和寺へ抜ける街道「きぬかけの路」沿いに植えられている桜を見て創作されたという、こちらのお菓子。桜の花を愛らしくかたどった、オリジナリティ溢れるこなし製のお菓子です。

【野遊び】


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等持院(2019年4月16日 撮影:「そう京」編集部)


人々が桜の花に夢中になっているその後ろでは、モミジの芽吹きが始まっています。柔らかな新緑は、人の心を癒す色。春から初夏へ、季節の移ろいを感じるひとコマです。

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野遊び 378円(3月下旬~4月上旬販売予定)


桜、そして草花の芽吹きを表現した、羊羹製のお菓子です。グリーンの羊羹には、ヨモギが練り込まれ、ひとくちいただけば、春の香りが口の中に広がります。

■茶菓えん寿
【営業時間】10:00~17:00
【定休日】木曜日・第3水曜日
【電話】075-432-7564
【アクセス】嵐電嵐山本線「帷子ノ辻駅」から徒歩約1分、JR山陰本線(嵯峨野線)「太秦駅」から徒歩約8分 Google map
【公式Facebook】https://www.facebook.com/茶菓えん寿-1447430392008273/
【公式ホームページ】http://chaka-enjyu.com

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今回は、桜にちなんだお菓子をご紹介させていただきました。今年は、ひょっとすると例年になく桜の開花時期が早くなるかもしれません。開花情報を有効に活用しながら、桜シーズンの京都を満喫してくださいね。

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文・写真:小倉夢桜 —Yume—
和菓子ライフデザイナー/ライター/フォトグラファー。京都五感処・京都Loversフォーラム代表。2012年よりホームページ『きょうの「和菓子の玉手箱」』を運営し、毎日京都の和菓子を紹介し続けている。現在は『月刊京都』(白川書院)で「月刊京都版・きょうの『和菓子の玉手箱』」を連載中。
【きょうの『和菓子の玉手箱』】http://kyoto-lovers-forum.com
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Written by. みさご

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