若冲・瑞獣・えんま様も! 京都・初秋の注目展覧会 5選

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重要文化財 《雲龍図》(部分) 海北友松 桃山時代(16世紀) 建仁寺
泉屋博古館「瑞獣伝来」展より

9月を迎え、京都各地のミュージアムで秋の特別展がスタートし始めました。大人気の伊藤若冲と琳派をピックアップした展示や、吉祥をよぶとされる「瑞獣(ずいじゅう)」に焦点を当てた展示など、個性的な展覧会を5つピックアップします! 秋の一日、ソーシャルディスタンスを保ちながら、心静かに美術鑑賞を楽しんでみませんか♪

※各館へのご来館の際には、マスクの着用等、感染症予防対策へのご協力をお願いいたします。
※掲載の情報は2020年9月9日現在の情報です。開館状況につきまして、やむを得ない理由により、日程や内容等が変更、または中止になる場合がございます。お出かけ前には各所にご確認ください。

「そうだ 京都、行こう。」エクスプレス・カード会員様へのチケットプレゼントもご用意しております♪ 詳細は、文末をご確認ください。

企画展「京薩摩」
【清水三年坂美術館】8/22(土)~11/8(日)


幕末から明治期にかけての金工や七宝など、高度な技術で作られた細密・繊細な工芸品を展示する“日本で唯一の美術館”、清水三年坂美術館。2000年にオープンし、20年目を迎えたこの秋は、「京薩摩」が特集展示されます。

(左)《花見図花瓶》 7代 錦光山宗兵衞(高31.5cm)
(右上)《菊尽し菓子鉢》 無銘(9.9x16.7x6.1cm)
(右下)《歌舞伎観覧図皿》 阪錦山(径12.5cm)


「薩摩焼」とは、桃山時代から薩摩藩(現在の鹿児島県)において焼かれたやきもののこと。幕末になると欧米へ輸出されるようになり、金彩色絵の絢爛豪華なやきものは、高評価を得ます。それを知った京都の窯元は「薩摩焼」同様のやきものの制作に着手。こちらも、欧米で人気を博します。鹿児島生まれの「本薩摩」に加え、「京薩摩」、それに続く「神戸薩摩」「大阪薩摩」など、各地で作られたやきものは「SATSUMA」と総称され、明治期輸出工芸品の花形となりました。

《風俗図花瓶 一対》 精巧山(各 高15.4cm)


写真をご覧いただいてもわかるように、その特徴は、色とりどりのまばゆい華やかな装飾と、細密な絵付け。《歌舞伎観覧図皿》の御簾越しの女性たちの着物や表情、《風俗図花瓶》の牛車の細かい金彩、《菊尽し菓子鉢》を埋め尽くすように描かれた無数の菊柄など、圧倒されるほどの妙技を見ることができます。


現在、すでに会期が始まっているということで、実際に展覧会を訪ねてみました。展示ケースの中に並ぶひとつひとつの作品に緻密な細工が凝らされ、じっくり見るほどに驚きが増してきます。時節柄、ギャラリースコープの貸出は休止されているのですが、拡大鏡が設置されている作品もあるので、職人たちが丹精込めた作品の世界を、ぜひじっくりと眺めてみてください。

※ギャラリースコープは、受付にて購入することも可能です。

■企画展「京薩摩」
【日程】2020年8月22日(土)~11月8日(日)
    10:00~17:00(入館は16:30まで)
【休館日】月曜日・火曜日(祝日は開館)
【場所】清水三年坂美術館 詳細情報はこちら
【料金】800円
【問合せ】075-532-4270
【展覧会ホームページ】https://www.sannenzaka-museum.co.jp/kikaku.html
★「そうだ 京都、行こう。」エクスプレス・カード特典協力先です。特典内容はこちら。

2020年秋季特別展「懐石のうつわ -秋・冬のしつらえ-」
【野村美術館】9/5(土)~10/18(日)


閑静な東山エリア、南禅寺永観堂の間に佇む野村美術館では、9月5日(土)から10月18日(日)に特別展「懐石のうつわ -秋・冬のしつらえ-」が開催されます。近代数寄者として名をはせた野村得庵のコレクションの中から、懐石料理にかかすことのできない“うつわ”に注目。得庵愛用の鉢類や椀類などが展示されます。

《祥瑞徳利・燗鍋・盃類》


展示されるのは、秋・冬デザインのうつわたち。茶席飾りも、秋の取り合わせで設えられるとのこと。どのような設えとなるのか、ぜひご注目を。

乾山 《松絵端反鉢》


また、地階では、明治の末に大阪の美術商が図面を送りオーダーしたという、フランス・バカラ社製の懐石具一式も展示されます。数寄者の目をうならせた洋のうつわ。いったいどのような料理が盛り付けられたのか、想像しながら鑑賞するのも楽しそうですね♪

■2020年秋季特別展「懐石のうつわ -秋・冬のしつらえ-」
【日程】2020年9月5日(土)~10月18日(日)
    10:00~16:30(入館は16:00まで)
※2020年秋季の立礼茶席は休席
【休館日】月曜日 ※9/21(月・祝)、22(火・祝)は開館、23(水)は休館
【場所】野村美術館 詳細情報はこちら
【料金】800円
※泉屋博古館との相互割引あり。一館の入館券半券のご提示で、もう一館が割引料金でご覧いただけます。詳細は公式ホームページをご確認ください。
【問合せ】075-751-0374
【展覧会ホームページ】http://www.nomura-museum.or.jp/publics/index/16/
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開館60周年記念特別展「瑞獣伝来 -空想動物でめぐる東アジア三千年の旅」
【泉屋博古館】9/12(土)~10/18(日)


昭和35年(1960)に開館し、今年で60周年を迎える泉屋博古館。記念展覧会では、霊的な力を持ち、吉祥をよぶとされた「瑞獣」から、龍・鳳凰・虎を取り上げます。

「瑞獣」は、古来、東アジアで様々な美術工芸品に表現されてきました。その淵源にあるのが、約三千年前の古代中国。青銅器の文様に、瑞獣の姿を見ることができます。

(左)虎卣 商時代(前11世紀) 泉屋博古館
(右)重要美術品 《虎図》 伝 牧谿 元時代(14世紀) 徳川美術館
©徳川美術館イメージアーカイブ/DNP artcom (展示期間:9/12~9/25)


泉屋博古館が蒐集するコレクションの中でも、圧倒的な収蔵数を誇るのが「中国古銅器」。そのなかから、近年人気を集める「虎卣(こゆう)」が、展示に登場。神に捧げる酒を入れる器で、本体は聖なる動物である虎の姿をし、身体の側面や背面に龍の先祖たちが施され、さらには饕餮(とうてつ、中国神話の妖怪)までもが描かれるなど、盛りだくさん。確かに、よ~く見ると、身体のいろいろなところから、様々な顔が飛び出していますね・・・

青銅器の文様に始まった瑞獣の姿はアジア各地に広がり、様々な姿に進化していきます。

(左)重要文化財 《鳳凰石竹図》 林良 明時代(15世紀) 相国寺
(右)《百鳥図》 伝 辺文進 明時代(16世紀) 鹿苑寺


《桐鳳凰図屏風》 狩野探幽 江戸時代(17世紀) サントリー美術館 (展示期間 右隻:9/12~9/30 左隻:10/1~10/18)


中国で描かれた鳳凰の姿は、狩野探幽の屏風絵にも繋がっていきます。展覧会では、数ある瑞獣のなかから、龍・鳳凰・虎に注目。美術工芸品から変遷を辿ります。人の想像力は、どのような表現を生み出していったのでしょうか。

■開館60周年記念特別展「瑞獣伝来 -空想動物でめぐる東アジア三千年の旅」
【日程】2020年9月12日(土)~10月18日(日)
    10:00~17:00(入館は16:30まで)
【休館日】月曜日(9月21日は開館、23日は休館)
【場所】住友コレクション 泉屋博古館 詳細情報はこちら
【料金】800円(特別展・青銅器館共通)
※野村美術館との相互割引あり。一館の入館券半券のご提示で、もう一館が割引料金でご覧いただけます。詳細は公式ホームページをご確認ください。
【問合せ】075-771-6411
【展覧会ホームページ】https://www.sen-oku.or.jp/kyoto
【公式twitter】https://twitter.com/SenOkuKyoto
【公式Facebook】https://www.facebook.com/SenOkuHakukoKan
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シリーズ展8「仏教の思想と文化 -インドから日本へ-/特集展示:西七条のえんま堂 -十王と地獄の美術-」
【龍谷ミュージアム】9/12(土)~11/3(火・祝)


世界文化遺産・西本願寺の正面に建つ、龍谷大学運営の龍谷ミュージアム。2011年春の開館以降、“日本初の仏教総合博物館”として、様々な視点から「仏教」を取り上げた展示をされています。

この秋、シリーズ展の特集展示でピックアップするのは、「西七条のえんま堂」Google map)。京都市下京区西七条の七条通沿いに建つ、地域に根付いた小さなお堂が主役です。

十王坐像のうち 閻魔王 鎌倉時代 西七条えんま堂


「西七条えんま堂」は、正式には正法寺(真言宗東寺派)の七条別院と称し、地蔵盆などの仏事や、交流の場として、地域の方に親しまれてきました。本尊として「木造不動明王立像」を祀り、その左右には、小ぶりではあるものの、「木造十王坐像」が、なんと11体も安置されています!

このたび、地元の「西七繁栄会」と龍谷ミュージアムが調査したところ、これらの十王坐像が、鎌倉から室町後期にかけて個別に作られた、貴重な文化財であることが判明。今回の展覧会では、その成果が展示されます。
 

(左)地蔵菩薩立像 平安時代後期 京都・鍛冶町町内会
(中央)不動明王立像 鎌倉時代 西七条えんま堂
(右)三宝荒神曼荼羅 南北朝~室町時代 個人蔵


十王坐像とともに、本尊の不動明王立像も、寺外では初の公開となります。また、十王や閻魔にまつわる彫刻や絵画なども展示され、“十王と地獄”について複合的な理解が得られるような展示となっています。

絵因果経(勝利寺本)断簡 鎌倉時代 龍谷大学 龍谷ミュージアム 前期


特集展示の他、8回目となるシリーズ展「仏教の思想と文化 -インドから日本へ-」では、仏教の誕生から日本社会に根付くまでの約2500年の歩みをわかりやすく紹介。写真は、『過去現在因果経』に絵を加えた「絵因果経」の一部。お釈迦様の物語などを、絵入りでわかりやすく伝えています。

■シリーズ展8「仏教の思想と文化 -インドから日本へ-/特集展示:西七条のえんま堂 -十王と地獄の美術-」
【日程】2020年9月12日(土)~11月3日(火・祝)
    10:00~17:00(入館16:30まで)
【休館日】月曜日(9月21日は開館、23日は休館)
【場所】龍谷大学 龍谷ミュージアム 詳細情報はこちら
【料金】550円
【問合せ】075-351-2500
【展覧会ホームページ】https://museum.ryukoku.ac.jp/exhibition/2020/series_08/

「細見コレクション -琳派と若冲-」
【細見美術館】9/12(土)~12/20(日)


国内外屈指の日本美術コレクションを誇り、多方面で日本美術の魅力を発信しつづける、細見美術館。この夏から冬にかけて予定されていた展覧会が変更となり、9月12日(土)から「細見コレクション -琳派と若冲-」展が始まります。

(左)伊藤若冲「花鳥図押絵貼屏風」(部分) 細見美術館
(右)伊藤若冲「雪中雄鶏図」 細見美術館 後期(10/27~12/20)


今や、館を象徴するコレクションでもある「伊藤若冲」と「琳派」の作品を、存分に堪能できる展覧会。若冲作品では、得意の鶏図のほか、水墨で花鳥図を描いた6曲一双の大作《花鳥図押絵貼屏風》や、ユーモラスな《鼠婚礼図》などが展示。

(左)酒井抱一「鹿楓図団扇」 細見美術館
(右)「織部千鳥文手付四方鉢」 細見美術館


「琳派」作品からは、本阿弥光悦書・俵屋宗達が下絵を描いた《忍草下絵和歌巻断簡》や、「江戸琳派」の酒井抱一、鈴木其一の子・守一の作品などが展示されます。あわせて、桃山時代の焼物「桃山陶芸」作品から志野と織部の鉢も並び、日本美術の粋を味わうことができます。

■細見コレクション -琳派と若冲-
【日程】2020年9月12日(土)~12月20日(日)
    前期:9月12日(土)~10月25日(日)
    後期:10月27日(火)~12月20日(日)
    10:00~17:00(入館16:30まで)
【休館日】月曜日(9月21日は開館、23日は休館)
【場所】細見美術館 詳細情報はこちら
【料金】1,300円
【問合せ】075-752-5555
【展覧会ホームページ】https://www.emuseum.or.jp/exhibition/ex070/index.html
★「そうだ 京都、行こう。」エクスプレス・カード特典協力先です。特典内容はこちら。

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京都の多くの美術館も、今年の春には展覧会が中止となり、休館を余儀なくされました。今また、展覧会が再開し、すばらしいアート作品を目の前にできるということに、幸せを感じます・・・ この秋は、各自でのエチケットを徹底しながら、ステキな作品をたっぷり眺めて、心の栄養も補充してくださいね♪

■「そうだ 京都、行こう。」エクスプレス・カード会員の皆さまへ■
1~4のチケットを各5組10名様、5のチケットを4名様にプレゼントします。

1・【清水三年坂美術館】 「京薩摩展」
2・【野村美術館】「懐石のうつわ -秋・冬のしつらえ-」
3・【泉屋博古館】「瑞獣伝来 -空想動物でめぐる東アジア三千年の旅」
4・【龍谷ミュージアム】シリーズ展「仏教の思想と文化 -インドから日本へ-」
5・【細見美術館】「細見コレクション -琳派と若冲-」

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「希望の展覧会名(第2希望まで)・住所・氏名・電話番号・ホームページの感想・今行きたい京都のスポット」
をご記入の上、下記の宛先までご応募ください。2020年9月18日(金)必着。

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【宛先】
〒601-8404 京都市南区八条通堀川西入ル小寺町7-7
JR東海「そうだ 京都、行こう。」デスク
「2020年9月の展覧会」チケットプレゼント係

Written by. みさご

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