
京の和菓子の玉手箱 番外編
「気配を察知したのでは・・・?」と思うほど、あっさりと過ぎ去った2020年の紅葉シーズン。落葉し、北風吹く冬が来ると、心も寂しくなりがちですが、そんな時だからこそ「気持ちを和らげてくれる、丸くて可愛い和菓子に会いたい!」と、“和菓子ライフデザイナー”の小倉夢桜(ゆめ)さんにお伺いしてみました。見た目にも可愛らしい2種と、冬にちなんだ2種の和菓子をご覧ください♪
雪夜のお月見にいかが?
■亀屋良長 【雪うさぎ】

雪うさぎ 400円(12月1日~25日販売予定)
12月になると、「今年の冬は寒くなるのかな?」と気になります。いつ初雪が降るのか。雪景色の京都を見られる日が、今から待ち遠しくもあります。
こちらは、雪でできた“雪うさぎ”をモチーフとした、求肥(ぎゅうひ)製のお菓子。南天の葉を象った耳と、赤い目が可愛らしい、冬の和菓子です。寒い冬の日、お月様がきれいに輝く夜には、雪うさぎとともにお月見をされてみてはいかがでしょうか。
■亀屋良長
【営業時間】9:00~18:00
【定休日】1月1日、1月2日
【電話】075-221-2005
【アクセス】市バス「四条堀川」バス停から徒歩約3分 Google map
【公式ホームページ】https://kameya-yoshinaga.com/
遊び心に笑顔が生まれる
■二條若狭屋本店 【雪遊び】

雪遊び 432円(12月中販売予定)
雪が降ったら、雪だるまを作って、雪合戦をして・・・ 雪が降る日が待ち遠しいのは、そんな子どもの時の楽しかった記憶が蘇るからかもしれません。近頃では京都市内で雪が積もる日は珍しくなってしまいましたが、和菓子から“雪”を感じることもできます。
きりっとした表情の、外郎(ういろう)製の雪だるま。ひとつひとつ顔つきが違うため、2つ並べてみれば、何かのお話をしているかのよう。心和む、冬の日にいただきたいお菓子です。
■二條若狭屋本店
【営業時間】8:00~17:00
【定休日】水曜日(1/1~3は休み)
【電話】075-231-0616
【アクセス】地下鉄東西線「二条城前駅」から徒歩約5分 Google map
【公式ホームページ】http://www.kyogashi.info/
事始めの風習にちなむ、縁起の良い和菓子
■御菓子司 聚洸(じゅこう) 【事始め】

事始め 400円(税別、12月1日~19日まで販売、3日前までに要予約)
12月13日は「事始めの日」。“何かを始めるのに適した日”で、この日からお正月の準備を始める風習があります。例年であれば京都の花街では、芸舞妓さん達が今年一年の感謝と新年に向けた挨拶を、お師匠さんやお茶屋さんに行うのですが・・・ 今年はその様相も変わってしまうのでしょうか。
こちらの和菓子は、事始めに行う「松迎え」という習慣にちなみ、作っていただきました。緑は門松用の「松」、白は正月料理を準備する「薪」、赤は“難を転じて福と成す”「南天の実」を表現した、縁起の良い和菓子です。こちらのブログをご覧になっている皆さまにも、12月1日(火)より19日(土)までの期間限定にてお作りいただけるとのこと。良い年を迎えられるよう、和菓子で気持ちを整えてみてはいかがでしょうか。
※お求めの際には、事前にご予約をお願いいたします。
【予約販売期間】2020年12月1日(火)~19日(土)
※5個から購入可能。3日前までに電話にてご予約ください。
■御菓子司 聚洸
【営業時間】10:00~17:00(予約販売のみ)
【定休日】日曜日、水曜日、祝日
【電話】075-431-2800
【アクセス】地下鉄烏丸線「鞍馬口駅」から徒歩約15分、市バス「天神公園前」バス停から徒歩約4分 Google map
冬を乗りきる元気を、和菓子でチャージ!
■紫野源水 【冬至る】

冬至る 450円(12月1日~27日頃まで販売予定、事前にお問合せください)
2020年の冬至は、12月21日(月)。冬至に柚子湯に入るのは、「冬至」と「湯治」をかけているそうですが、爽やかな柚子の香りのお風呂に入れば、悪い病気もどこかに飛んでいくような気分になりますね。今年はなかなか大浴場での柚子湯を楽しむのは難しいかもしれませんが、おうちで試されてみてはいかがでしょうか。
丸いフォルムが愛らしい、見た目も柚子の形をした和菓子。薯蕷(じょうよ)の生地を淡く黄色に色づけ、中には甘く煮詰めた柚子の皮が入っています。甘さの中にもほろ苦さが広がり、柚子らしさを存分に味わえます。季節の味をいただく口福を、ぜひ感じてください。
■紫野源水
【営業時間】10:00~18:00
【定休日】日曜日・祝日
【電話】075-451-8857
【アクセス】地下鉄烏丸線「北大路駅」から徒歩約8分 Google map
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小倉夢桜 —Yume—
和菓子ライフデザイナー/ライター/フォトグラファー。京都五感処・京都Loversフォーラム代表。2012年よりホームページ『きょうの「和菓子の玉手箱」』を運営し、毎日京都の和菓子を紹介し続けている。現在は『月刊京都』(白川書院)で「月刊京都版・きょうの『和菓子の玉手箱』」を連載中。
【きょうの『和菓子の玉手箱』】https://kyoto-lovers-forum.com/
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