江戸時代創業の鳩居堂がリニューアルオープン! 老舗の歴史、注目の新商品とは!?

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京都の繁華街・寺町商店街にある創業357年の老舗「鳩居堂(きゅうきょどう)」が、2020年11月28日(土)にリニューアルオープンしました。お香・書画用品・はがき・便箋・金封・和紙製品を中心に取り扱い、お店には2,000点以上もの商品が揃います。お店の前を通るたび、心安らぐお香の香りに、つい立ち止まってしまう・・・ という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな鳩居堂の歴史や、リニューアルでの変化、そして新商品などをご紹介します♪

※新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、京都旅行の際は、政府およびお住まいの都道府県と京都府の要請をご確認ください。京都にお越しの際は、マスクの着用・手指のアルコール消毒など、感染拡大防止の徹底にご協力をお願いいたします。日々、状況は変化しておりますので、事前に最新情報をご確認ください。

リニューアル後の鳩居堂


創業はなんと江戸時代。“向かい鳩”の商標でお馴染みです

筆が並ぶ商品棚の上に「筆研紙墨皆極精良」の文字。
頼山陽揮毫のもので、“筆も硯も紙も墨も皆すばらしいもの”という意味だそう。


鳩居堂の歴史は、なんと江戸時代まで遡ります。寛文3年(1663)、熊谷直心(くまがい じきしん)が漢方薬や薬の原材料などを取り扱う「薬種商」として現在の場所に創業。薬種には「お香」の原材料と共通するものが多かったことから、1700年頃になると薫香や線香を製造・販売するようになりました。同時に、薬種原料の輸入先である中国より、書画用文具の輸入・販売をはじめ、寛政元年(1789)頃から、頼山陽(らい さんよう)や池大雅など文人墨客と深く親交するようになり、筆・墨の研究、そして製造が始まったそうです。


ちなみに、屋号は儒学者の室鳩巣(むろ きゅうそう)により『詩経』に書かれている「鳩居」から命名されました。鳩居堂でお馴染みの「向かい鳩」の商標は、ご先祖様であり『平家物語』に登場する熊谷直実(なおざね)が、軍功によって源頼朝から賜った家紋「向かい鳩」に由来するそう。お店の屋根にある“双鳩”の鬼瓦には、「瓦師 甚兵衛 天保四年八月彫」と記され、江戸時代から現代まで守り継がれています。そんな昔から京の人を見守り続けていたかと思うと、なんだか感慨深いですね。


106年ぶりのリニューアル。その思いとは?

明治41年頃(1908)の鳩居堂

大正3年(1914)の鳩居堂


106年ぶりの建て替え工事となった鳩居堂。平成26年(2014)頃より計画され、平成28年(2016)から始動されました。まず寺町通東側の建物を整備し、仮店舗として移転。その後、本店の建て替え工事が行われました。

「立て替えの正確な資料は読み取れていませんが、明治頃と大正頃の建物の写真から、最低でも3回は建て替えを行ったことがわかります」と、鳩居堂の12代目・熊谷直久さん

リニューアル後の店内。以前より広々とした印象です。


以前は1階にお店、2階は倉庫となっていたのですが、建て替えに伴い、天井が高い1階のみに。東西の壁はガラス張りとなり、明るく開放的な空間となりました。
でも、なんだか以前と変わらない感じ・・・ というのも、店舗のレイアウトや商品の配置をできるだけ以前と同じように、また、什器も6割以上、昔から使用しているものを修繕し、使用されているとのことです。

シルク刷りの絵はがき。昭和53年(1978)にオリジナル商品として登場したそう。


熊谷さん 「時代の流れにおいて、百貨店や大型複合施設とECサイト(オンラインショップ)が主流となってきています。中小企業の小売店として、また全国の商店街の現状と課題を考え、いかに店に足を運んでいただけるか・・・ などを考えながら、今回、建て替えを行いました。もちろん建物は新しくなったのですが、それに気づかないほど街に馴染み、お客様や寺町通を通行される方から“以前と変わらないね”と言っていただけるのも嬉しいです」

令和3年(2021)の干支。季節商品も豊富に揃っています♪


鳩居堂のお香は、“秘伝の調香法”で作られています


店内中央にお会計カウンターがあり、その側にお香や匂い袋など、香りにまつわる商品が並びます。お店の看板ともいえる商品です。鳩居堂において、お香の製造技術が飛躍的に進歩を遂げたのは明治10年(1877)のことだそう。

熊谷さん 「歴代の店主らが行ってきた社会奉仕や国事事業への貢献が認められ、当時の太政大臣・三条実美より平安時代から900年間、宮中だけで伝えられてきた“秘伝の調香法”を全て伝授していただきました。この時に授けられた調香法は、“一子相伝の秘方”として今日まで大切に守り伝えられており、現在の鳩居堂のお香作りにおいてもその技術が存分に活かされています」

お香セット 六種の薫物(スティック) 2,750円


お香の原点ともいえるのが「六種(むくさ)の薫物」。平安時代より伝わる薫物の代表的な香りである黒方(くろぼう)・梅花(ばいか)・荷葉(かよう)・菊花(きっか)・侍従(じじゅう)・落葉(おちば)の6つの香りからなり、源氏物語にも登場する雅やかなお香です。

熊谷さん 「練香は現在、気軽に焚いていただくことが少なくなりましたので、スティックタイプのお香にも仕上げております」

たしかにお香なら、気軽に焚いてみることができそうですね。ぜひおうち時間に、平安貴族も愛した香りを体験してみてくださいね。


リニューアルにあわせて、たくさんの新商品が登場!


店内には数多の商品が並んでいるのですが、通年1万点以上の商品が登録されているそう。リニューアルに伴い、新商品も登場しています。そえぶみ箋シリーズにも新しく「はとぶみ箋」2種類(各330円)が仲間入り♪

香立 ロゴ 880円、香立 ディズニー 1,100円


真鍮製のお香立てとお香皿も新商品です。“向かい鳩”デザインの商品がいままでなかったというのが意外な発見でした。そしてこちらも意外なのが、ディズニーとのコラボレーション商品。

KYUKYODO INCENSE ディズニー各種 1,320円


箔押しの箱がお洒落な「KYUKYODO INCENSE」シリーズにもディズニーデザインが登場しています。

熊谷さん 「このコラボをきっかけに、新しいお客様にも鳩居堂が手がけるこだわりの“ものづくり”(伝統工芸)を伝えられれば、と思っています」

ブロックキューブメモにもドナルドダックデザインが登場♪ 1,980円


その他にも、人気のある「大人のメモノート」専用の皮製「大人のメモノートカバー」や、シンプルなデザインが目を惹く天然木の塗り箱「無柄」などの新商品も続々。
写真左下のオブジェのようなこちらは、なんとモジュール式のお香立。「KYU」という名前で、ミラノサローネで発表されたデザイナーとのコラボレーションにより生まれたそう。写真右下の「伽羅 10year old」は数量限定販売なので、気になる方はどうぞお早めに♪


これからの鳩居堂

仮店舗として営業していた本店東側の建物

                    

これまで仮店舗として営業をしていた東側の建物では、今後、喫茶や気軽に聞香・香道体験ができるスペースとして、お客様にゆっくりしてもらえるような活用を考えているそう。

鳩居堂が目標にしているのは、日本の伝統文化を守り伝え、育てていくこと。お店にあるさまざまな商品を手に取り、体験することで、その文化を少しでも知っていただけたら、と改めて思いました。

これからの展開も楽しみな鳩居堂、ぜひ足を運んでみてくださいね。

リニューアル後、新たに中庭ができました♪

                    

鳩居堂
【営業時間】10:00〜18:00
【定休日】1月1日〜3日
【電話】075-231-0510
【アクセス】地下鉄東西線「京都市役所前駅」から徒歩約3分 Google map
【公式ホームページ】http://www.kyukyodo.co.jp/

Written by. オパン

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