事前予約制! お茶の老舗「中村藤吉本店 宇治本店」の“まったりお座敷カフェ”

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お茶処・宇治にある宇治茶の老舗「中村藤吉本店」。宇治茶やお茶製品の販売はもちろん、抹茶スイーツがいただけるカフェ(※)も大人気で、休日ともなればたくさんの方が席待ちをするほど。カフェの予約はできないのですが、昨年(2020年)9月より宇治本店にて、事前予約限定の「まったりお座敷カフェ」(土日祝のみ)を始められました。趣のある空間で人気のスイーツと薄茶をゆっくり味わえるそう・・・ ということで、いったいどんなお座敷カフェなのか、お店の歴史を交えながらレポートします♪
※改修工事に伴い、カフェは2021年1月12日(火)から20日(水)まで休業となります。

※新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、京都旅行の際は、政府およびお住まいの都道府県と京都府の要請をご確認ください。京都にお越しの際は、マスクの着用・手指のアルコール消毒など、感染拡大防止の徹底にご協力をお願いいたします。日々、状況は変化しておりますので、事前に最新情報をご確認ください。

 


宇治の茶商「中村藤吉本店」とは?


JR奈良線「宇治駅」から歩いてすぐの場所に中村藤吉本店 宇治本店があります。安政元年(1854)の創業以来、ずっとこの場所で商いを続けられ、平成21年(2009)には、“明治期の典型的な茶商の姿を今に伝える建物”として、国の「重要文化的景観」に選定されました。のれんに染め抜かれた○に十の「まると」マークは、創業当時「丸屋藤吉」の屋号を名乗っていた名残。それでは、香ばしいお茶の香りに誘われ店内へ進みましょう。


“老舗の歴史”が感じられる“お座敷”へ。


入り口を入ると、右手にはお茶や抹茶スイーツなどを販売する“銘茶売り場”があり、左手には竹の結界が置かれたお座敷が。この奥が「お座敷カフェ」となります。

「どうぞお入りください」とご案内いただいたのは、六代目中村藤吉さんの御次男で取締役の中村真悟さん。靴を脱いでお部屋に上がると茶壺がずらり。襖紙には、その昔古文書に押されていたとされる中村家の落款(らっかん)の模様が散りばめられ、上を見上げると額装が・・・

中村さん 「こちらは、初代・中村藤吉が勝海舟より賜ったもので、『茶煙永日香(ちゃえんえいじつかおる)』と読みます。“子々孫々にわたり、宇治の地で茶の商いに精進し、当家の茶の燻煙を絶やさぬように”という意味です。レプリカではなくホンモノですよ」

お部屋に入ったばかりなのに、貴重なものを拝見し、早くも“老舗の歴史”が感じられます!


元々、お住まいだった場所が「お座敷カフェ」に。


奥の広々としたお部屋が「まったりお座敷カフェ」です。現在は、ご予約の時間帯が4つに分かれていて、1席あたり1時間の入れ替え制。1回につき最大12名までの人数限定で営業されています。

写真左端にあるのは、貴重な「宇治石」で出来ている石臼。


お部屋は元々、中村家のお住まいだったそうで、「実際、この部屋で布団を敷いて寝ていたんですよ」と中村さん。その後別の場所に住まいを移され、こちらでは「挽き茶体験」を行われていたのですが、新型コロナウイルスの影響により休止に。「コロナ禍でも、お茶を身近に感じていただけるような、何かできることはないか」と考えたときに、人数限定・完全予約制なら・・・ と2020年9月より始まったのが「まったりお座敷カフェ」。掛け軸や生け花など、季節のしつらえのひとつにまで“おもてなしの心”が行き届いています。


メニューは2種類。どちらも薄茶がいただけます。


メニューは、「生茶ゼリイセット」(2,420円)の「抹茶」または「ほうじ茶」、もしくは「まるとパフェセット」(2,970円)から選べ、どちらも薄茶と一緒に味わえます。今回は「まるとパフェセット」を注文しました。

薄茶を点ててくださるのは、お茶室専任のスタッフさん。・・・スタッフさんといっても本格的で、この日は裏千家の茶道講師も務められている青木さんが点ててくださいました。


丁寧な所作に思わずうっとり・・・ 間近でお茶を点てていただけるのも貴重な体験です。抹茶は、中村藤吉本店の「成光の昔」という銘柄を使用されています。
「お作法など気にせず、ゆっくりいただいてくださいね」と青木さん。優しいお言葉に緊張感もほぐれます。


ほどよい苦みのお抹茶にほっとひといき。お茶碗にも屋号「まると」が描かれていました。

抹茶好きにはたまらない、ボリューム満点の「まるとパフェ」。


続いて、「まるとパフェ」をいただきます。竹の器に入ったパフェなのですがその大きさに思わずビックリ。その名の通り、「まると」が抹茶(「鮮雲の白」を使用)で型取られています。見た目からは、中に何が入っているのか想像もつきませんが、スプーンを入れてみると・・・ 人気の生茶ゼリイや抹茶アイスクリーム、抹茶ソフトクリーム、抹茶かすていらなどがたっぷり入っていて、抹茶好きにはたまらない“至福パフェ”です♪


ほかにも白玉やベリー、レモンジャム、玄米パフなど、抹茶との相性も抜群。スプーンですくうたびに様々な素材の組み合わせが楽しめるので、飽きることなくいただけます。
「パフェに入っているもののほとんどは、中村藤吉本店のスイーツに合うようオリジナルで作っています。白玉も特注品で、小豆も素材本来の甘みを大切に作っています」と中村さん。スイーツひとつにもしっかりとこだわりが感じられますね。ちなみに、お膳台はその昔中村家で実際に使用されていたものだそうです。


お庭を眺めながらお抹茶をいただく、贅沢なひととき・・・


お座敷の目の前にあるお庭は、京都府の指定名勝に登録されています。お庭には3つのつくばいがあり、いずれも水琴窟となっていて、美しい音色が聞こえるときもあるそう。写真奥には、茶室「瑞松庵(ずいしょうあん)」があり、初代が宇治の三室戸寺周辺にあったものを中庭に移築した、元禄時代頃の建物です。「お茶の卸をしているお店に、お茶室や炉があるのは珍しいことだと思いますよ」と青木さん。「よほどお茶好きだったのでしょうか?」と中村さんにお尋ねしたところ、「いまのところ記録などが見つかっておらず、わからないのですよ」 とのこと。長い歴史の中で、解明されていないこともきっと多いですよね。想像が膨らむばかりです。


日々の喧騒を忘れて、穏やかな時が流れます・・・ 気づけばあっという間の1時間でした。
最後にホームページをご覧の皆さまにメッセージをいただきました。

青木さん 「お茶やスイーツをいただくと、せわしない日常のなかでも心がほっとしますよね。これって、茶道の本質と似ていると思うんです。お座敷カフェを通して、幅広い方にお茶を知ってもらい、文化に触れてもらえると嬉しいです」

中村さん 「茶葉には多様性があって、お茶としてだけじゃなく、抹茶スイーツや茶そばなど形を変えて楽しんでいただくことができます。多くの方にその美味しさを知っていただき、至福のひとときを過ごしていただけけると幸いです。コロナが落ち着いた頃、ご来店を心よりお待ちしております」


■まったりお座敷カフェ※要事前予約
【ご予約時間帯】10:15〜11:15/11:45〜12:45/14:30〜15:30/16:00〜17:00
※一席あたり1時間の入れ替え制
※お席についてのご指定はできません
★ご予約など詳細はこちら
https://store.tokichi.jp/cms/preview.php?pre_no=157

中村藤吉本店 宇治本店
【営業時間】10:00〜17:00、カフェ10:00〜17:00(ラストオーダー16:00)
      土日祝は10:00〜17:30、カフェ10:00〜17:30(ラストオーダー16:00)
※季節により変動あり
※2021年1月12日(火)〜20(水)はカフェのみ休業
【定休日】元日
【電話】0774-22-7800
【アクセス】JR奈良線「宇治駅」から徒歩約1分 Google map
【公式ホームページ】https://www.tokichi.jp/
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Written by. オパン

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