東本願寺 白書院
現在、京都では「京の冬の旅」非公開文化財特別公開(以下、京の冬の旅)が行われています。様々なテーマに基づき15件が特別公開されていますが、今回は、スタートしたばかりの大河ドラマ「どうする家康」にちなみ“徳川家康ゆかりのスポット”に注目! 「京の冬の旅」初公開を含むスポットをピックアップし、1日コースを作成してみました。実際巡ってみると各所でたくさんの感動や発見が・・・ ぜひ、旅の参考にしてみてくださいね。
⇒「京の冬の旅」非公開文化財特別公開の詳細はこちら
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※新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、京都旅行の際は、政府およびお住まいの都道府県と京都府の要請をご確認ください。京都にお越しの際は、マスクの着用・手指のアルコール消毒など、感染拡大防止の徹底にご協力をお願いいたします。日々、状況は変化しておりますので、事前に最新情報をご確認ください。
<「京の冬の旅」40年ぶりの公開>
【東本願寺 大寝殿・白書院】
お東さんの非公開建築をじっくり拝見!
最初に訪れたのは、京都駅近くに位置し“お東(ひがし)さん”と親しまれる東本願寺。慶長7年(1602)、徳川家康から土地の寄進を受け建立された、真宗大谷派の本山です。
烏丸通に面した御影堂門をくぐると、世界最大級の木造建築とされる御影堂(ごえいどう)、そして阿弥陀堂など圧巻の建築物が迎えてくれます。御影堂では、この春の「親鸞聖人御誕生850年」「立教開宗800年」慶讃法要に向け、スロープの設置工事が行われていたのですが・・・ 正面に停まるトラックがまるでミニカーのよう! 改めて御影堂のスケールの大きさに驚きました。
烏丸通に面した御影堂門をくぐると、世界最大級の木造建築とされる御影堂(ごえいどう)、そして阿弥陀堂など圧巻の建築物が迎えてくれます。御影堂では、この春の「親鸞聖人御誕生850年」「立教開宗800年」慶讃法要に向け、スロープの設置工事が行われていたのですが・・・ 正面に停まるトラックがまるでミニカーのよう! 改めて御影堂のスケールの大きさに驚きました。
「京の冬の旅」の受付は、参拝接待所前の白いテントにて
境内をぐるりと巡り、10時から拝観開始となる「京の冬の旅」の公開箇所、大寝殿(おおしんでん)・白書院へ。境内の奥まった場所にあり、普段は外観も見ることができないため、さらに期待が膨らみます♪
まずは東本願寺に現存する最古の建物、大寝殿から。見どころは、「上段の間」に飾られた、近代京都画壇を代表する画家・竹内栖鳳の障壁画。3つの作品があり、両脇の水墨画に対し中央の「歓喜(かんぎ)」のみ着色画でスズメが描かれています。生涯にわたり数多くの動物を描いたという栖鳳。スズメたちは、いまにも動き出しそうな愛らしい姿をしていました。
もうひとつの公開箇所・白書院は、来賓接待などに使用される建物。「一の間」は帳台構や違棚などが設えられた書院造で、牡丹・藤を中心とした金地の障壁画に鶴の掛け軸、折上小組格天井など、見渡す限り豪華で美しい空間に息をのみます。
<「京の冬の旅」初公開>
【上徳寺】
徳川家康、側室・阿茶局ゆかりの寺。「世継地蔵」を間近で参拝
続いて東本願寺から15分程歩き、上徳寺へ。慶長8年(1603)、徳川家康が側室・阿茶局(あちゃのつぼね)を開基とし、創建した浄土宗のお寺です。すぐ近くは車が行き交う五条通ですが、境内は静かな時間が流れています。「京の冬の旅」初公開となり、私が今回、いちばん気になっていたスポットです!
御本尊は、徳川家康が滋賀県の鞭崎(むちざき)八幡宮より請来したという阿弥陀如来立像(※)。本堂内では、徳川家康・秀忠、阿茶局の肖像画が公開されていました。才覚に優れ、女性ながら様々な戦に同行し、「大坂冬の陣」では大坂城に出向き和睦の使者を務めたという阿茶局。83歳で逝去され、境内には供養塔があります。
※2022年11月に重要文化財に指定され現在は調査のためご不在ですが、写真が用意されています。
※2022年11月に重要文化財に指定され現在は調査のためご不在ですが、写真が用意されています。
徳川家康ゆかりのお寺であるとともに、「京のよつぎさん」と親しまれる上徳寺。地蔵堂に祀られる地蔵菩薩立像(通称・世継地蔵)は、子授け・安産のご利益で有名です。通常は外からの参拝となりますが、今回は堂内に入ることができるうえに、間近で約2メートルの全体像を目にすることができました。かなり貴重な機会に感動です!
境内には、ほっこりするお地蔵さんも♪
上徳寺周辺を散策!
五条大橋西詰、河原町五条の交差点の中央分離帯にて
次の公開箇所へ向かう前に、上徳寺周辺を散策してみました。女人厄除けのご利益で知られる市比賣神社にお参りし、おだしの老舗「うね乃」が手がける「ALLOUNENO(アロウネノ)」でお土産に良さそうなアイテムをチェックしたり・・・ 河原町五条の交差点(Google map)では、弁慶と牛若丸(源義経)の可愛らしい像を発見。2人は五条大橋で出会ったとも伝わりますが、当時の五条大橋は現在の松原橋(Google map)にあたるとか。歴史を教えてくれる様々な像に出会えるのも、京都旅ならではですね♪
【知恩院 大方丈・小方丈・方丈庭園】
「鶴の間」「松の間」などの金碧障壁画が約16年ぶりに帰ってきた!
市バス「河原町五条」バス停から80系統に乗車し約12分、「祇園」バス停で下車。八坂神社・円山公園を通り抜け、浄土宗の総本山、知恩院を目指します。徳川家康が浄土宗を篤く信仰したことから、伽藍の多くは家康をはじめ、2代将軍・秀忠、3代将軍・家光によって造営されたものと伝わります。
最初に迎えてくれるのが三門。日本最大級の木造門といわれ、東本願寺と同じく圧巻のスケールに驚くばかりです。境内へ向かう石段には急な“男坂”と、なだらかな“女坂”があり、今回は男坂を登ってみました。1段ごとに息切れし、普段の運動不足を実感・・・(汗)
最初に迎えてくれるのが三門。日本最大級の木造門といわれ、東本願寺と同じく圧巻のスケールに驚くばかりです。境内へ向かう石段には急な“男坂”と、なだらかな“女坂”があり、今回は男坂を登ってみました。1段ごとに息切れし、普段の運動不足を実感・・・(汗)
徳川家光によって建立された御影堂(国宝)
頑張って登りきった先には御影堂(みえいどう)。2020年に約9年におよぶ大規模な修復工事が完了しましたが、2年経てもなお美しい佇まいです。「京の冬の旅」の公開箇所、大方丈・小方丈・方丈庭園は、御影堂の奥にあります。
寛永18年(1641)、徳川家光によって建立された大方丈と小方丈(いずれも重文)。二条城の二の丸御殿と同じく、徳川将軍家の御用絵師・狩野派が手がけた襖絵が見どころです。大方丈は金碧障壁画に彩られ、どの部屋を見ても煌びやか。「鶴の間」「松の間」などの襖8面が約16年ぶりに戻ってきて、見事な大方丈が蘇ったそうです。
小方丈「雪中山水の間」
大方丈とは対照的に小方丈は、落ち着いてゆっくり過ごすため水墨画の世界が広がります。「雪中山水の間」の掛け軸「華頂山」は、三門に掲げられた額と同じ大きさなのだそう。三門下から仰ぎ見た際はそこまで思わなかったものの、このように見ると、その大きさがよくわかりました。
大方丈・小方丈を拝観した後は、その前に広がる「方丈庭園」を歩きます。江戸時代初期の作庭と伝わり、2021年に国の名勝に指定されました。現在は冬の佇まいですが、春は桜、秋は紅葉が美しいそう。また季節を変えて訪れてみたいと思います♪
左:通常御朱印「法然上人」、右:期間限定御朱印「欣求浄土(ごんぐじょうど)」 各300円
最後は阿弥陀堂前にある朱印所で、お参りの証に御朱印をいただきました。徳川家康の旗印にも使われた「欣求浄土」は、知恩院の「京の冬の旅」公開開始日(2023年1月20日)に登場したばかりの御朱印です。大河ドラマ放映にちなみ、12月31日(日)までの期間限定とのこと。徳川家康ゆかりの地巡りの際は、ぜひ拝受してみてくださいね。
「京の冬の旅」スタンプラリーで、ちょっと一服♪
本願寺・上徳寺・知恩院を巡り、スタンプを3つ集めました!
「京の冬の旅」ではスタンプラリーも開催中。公開箇所のなかから3箇所を拝観してスタンプを集めると、お好みの接待箇所で“ちょっと一服(お茶とお菓子など)”の特典が受けられます。接待箇所は京都市内各地の公開箇所近くにあり、3箇所巡った後にすぐ立ち寄ることができるのも嬉しいポイント。「京の冬の旅」を巡る際は、スタンプラリーも一緒に楽しむのがおすすめですよ♪
私は、1箇所目の東本願寺でスタンプラリー用紙をいただき、知恩院でスタンプ集めが完了! 知恩院の宿坊「和順会館」にある「カフェ かりん」で“ちょっと一服”を利用し、カフェラテをいただきました。お腹が空いていたので、追加でパンケーキをオーダー。店内の三門を眺められる特等席に腰掛け、ゆっくりと1日を振り返りました。
⇒「京の冬の旅」スタンプラリーの詳細はこちら
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知恩院を後にしたら、「知恩院前」バス停から市バス206系統に乗車し、約23分で京都駅に到着です。各公開箇所ではガイドさんのご案内で徳川家とお寺の歴史を知り、貴重な建築や襖絵をたっぷり拝見するなど、充実の1日となりました。靴を脱ぎ、室内に上がることが多いので、厚手の靴下でお越しになることをおすすめします。皆さんもぜひ、「京の冬の旅」をお楽しみください♪
※公開箇所によって拝観休止日や拝観できない時間帯があります。事前に公式ホームページをご確認ください。
⇒「京の冬の旅」スタンプラリーの詳細はこちら
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知恩院を後にしたら、「知恩院前」バス停から市バス206系統に乗車し、約23分で京都駅に到着です。各公開箇所ではガイドさんのご案内で徳川家とお寺の歴史を知り、貴重な建築や襖絵をたっぷり拝見するなど、充実の1日となりました。靴を脱ぎ、室内に上がることが多いので、厚手の靴下でお越しになることをおすすめします。皆さんもぜひ、「京の冬の旅」をお楽しみください♪
※公開箇所によって拝観休止日や拝観できない時間帯があります。事前に公式ホームページをご確認ください。
※掲載内容は2023年1月27日時点の情報です。