一度は乗ってみたい! 「えびす屋」に聞く、人力車の魅力とは?

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京都で嵐山や東山エリアを観光していると、よく見かける人力車。颯爽と駆け抜ける光景を前に「一度は乗ってみたいなぁ・・・」と思ったことはないでしょうか。今回はその魅力や楽しみ方をお伝えすべく、京都をはじめ全国の主な観光地で人力車を走らせる「えびす屋」を訪ねました。自らも人力車を引く俥夫(しゃふ)として活躍されていた、本部営業企画部・笹井啓行さんにお話をお伺いしました。
※新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、京都旅行をご検討の際は、政府およびお住まいの都道府県と京都府の要請をご確認ください。日々、状況は変化しておりますので、事前に最新情報をご確認ください。JR東海の「新型コロナウイルス感染症対策に関する取組み」はこちら。

■「えびす屋」の歴史とは?

「京の町並みを人力車が駆け抜ける」と聞くと、いかにも京都らしいイメージが浮かびますよね。
その歴史はというと・・・

人力車は元を辿ると、明治・大正時代に交通手段として用いられていた乗り物です。その後、馬車や鉄道が登場したことにより衰退しますが、昭和後期に飛騨高山にて始まった観光人力車が人気を博します。それをモデルとし平成4年(1992)、嵐山にて「えびす屋」が誕生しました。・・・意外にも人力車が観光の定番となったのは近年のことのようです。

笹井さん 「京都での創業当初は3台の人力車からスタートし、通行人の方からは“なんだあれは?”と、不思議な目で見られていました。そこから少しずつ応援してくれる方が増え、現在嵐山總本店では50台を所有し、毎日、嵐山を駆け回っています」

平成8年(1996)に建てられた、えびす屋 京都嵐山總本店

平成8年(1996)に建てられた、えびす屋 京都嵐山總本店

笹井さんによると、利用されるお客様が増加したのは平成23年(2011)以降のことなのだとか。「スマートフォンが普及したおかげですよ」と笹井さん。平成22年(2010)頃までは口コミや観光情報誌が主流でしたが、それ以降(現在)は、LINEやInstagramなどのSNSでも情報を得られるようなりました。

笹井さん 「人力車の利用者の年齢層は幅広いですが、SNSの流行により特に若い方が多くなってきたように思います」

年々スマートフォンのカメラ精度も高くなっており、SNSで“京都の風景×人力車”の素敵な写真や動画を見たら「一度は乗ってみたい!」とやっぱり思いますよね。

■人力車のおすすめポイント

  • 春のイメージ 

    春のイメージ 

  • 夏のイメージ

    夏のイメージ

  • 秋のイメージ

    秋のイメージ

人力車のおすすめポイントはたくさんありますが、まずひとつめは、いつもと違う目線の高さから観光を楽しめること。風景の見え方が変わることに驚かれるお客様も多いそう。人力車は自転車と同じ軽車両の扱いとなるため、人が多い歩道ではなく車道の端を走り、比較的快適に町の景色を楽しめます。桜や紅葉など、四季折々の美しい風景を人力車から眺めれば、一層思い出深いものとなりそうです。

もうひとつの大きな魅力は、その土地に詳しい俥夫(しゃふ)さんが人力車を引きながら町を案内してくれること! 毎日走っているからこそわかる、観光ガイドには載っていないような豆知識や旬の情報も教えてくださいますよ♪ お話上手な俥夫さんとの会話を楽しみながら、人力車を満喫しましょう。

ちなみに俥夫さんは写真撮影もお手のもの。最新機種のスマートフォンの使い方もお勉強されているそうで、俥夫さんおすすめの絵になる風景を背景に、写真を撮っていただけます。さらに美しく画像編集まで(!)していただけるとのことで、お友達や家族に自慢したくなる一枚に♪

■どうやって乗るの?

嵐山總本店の乗り場イメージ(写真は福田美術館あたり)

嵐山總本店の乗り場イメージ(写真は福田美術館あたり)

それでは、実際に人力車を利用してみましょう!
乗り場は各エリア内に数ヵ所あり、嵐山總本店の場合は渡月橋の北側、東山店の場合は高台寺近くの一念坂あたりを訪ねると待機車両も多く、乗車がスムーズのようです。人力車のそばにいる俥夫さんに声をかけ、まずはどのコースにするか選びます。1区間(12分)、30分、45分、60分、70分、90分、120分以上の7つのコースからなり、時間内であれば俥夫さんに相談して訪れるスポットの変更なども可能です。
<嵐山總本店のコース例>
■1区間(12分)渡月橋遊覧(1名4,000円、2名5,000円)
渡月橋→宝厳院→桂川沿い→渡月橋
■30分貸切 嵯峨嵐山と竹林の旅(1名9,000円、2名10,000円)
渡月橋→竹林入口→野宮神社→竹林の散策路→川沿い→渡月橋
■60分貸切 嵯峨野 竹林めぐりの旅(1名16,000円、2名20,000円)
渡月橋→野宮神社→竹林の散策路→竹林の小径散策→渡月橋

嵐山總本店に在籍する俥夫のえびすけ。※大変人気があるそうでご指名できません・・・

嵐山總本店に在籍する俥夫のえびすけ。※大変人気があるそうでご指名できません・・・

事前に乗車する計画を立てられる方は予約がおすすめ。公式ホームページやお電話からお申込みできますのでぜひ利用してみてください。ご予約の際に、俥夫さんをご指名することもできます♪ そして、乗車時に気になる体重制限はというと・・・

笹井さん 「通常は、椅子の幅・約74センチに座ることができれば、どなたでも大丈夫です。人力車の車体は約80キロあり、その重さをあわせて200キロくらいまでなら問題ありませんよ」

・・・そうだとは思っていましたが、俥夫さんとっても力持ち!! 形にもよりますが、スーツケースや車いすも人力車に乗せられるそうです。

人力車を利用すると乗車特典としてもれなく、春夏秋冬のステッカーを1枚いただけます。こちらのステッカーを4枚集めれば、えびすけ人形またはえびす屋オリジナルTシャツを進呈! また、60分以上のコースで、えびす屋オリジナルグッズもいただけるそうなので(※店舗・シーズンにより変更の場合あり)、旅の思い出にもぴったりですね♪

■俥夫さんにまつわるエトセトラ

毎日、京都の町を人力車とともに駆け抜ける俥夫さん。1日にどれくらいの距離を走っているのでしょうか。

笹井さん 「毎日35キロくらいでしょうか。なかなか過酷な職業で18歳から35歳までの若者が多いですが、54歳の現役レジェンドも在籍し、現在、嵐山・東山を合わせて80名が在籍しています」

毎日35キロ! 54歳レジェンド! 驚くことばかりです・・・ そして、えびす屋さんは年中無休。暑い日も、寒い日も、俥夫さんは大変ではないのでしょうか。

雪かきをする俥夫さん

雪かきをする俥夫さん

笹井さん 「俥夫の衣裳には、半袖、長袖、七分丈、法被、コートと種類が色々あるのですが、“走ると暑くなる”ということを考えると調整が難しいですね。特に夏場は汗をかくので、1日に5回以上は着替えています」

汗をかくと匂いも気になるため、お客様への配慮も含めてたくさん着替えをするそう。見えないところでも、お客様への心遣いが感じられます。
  • 整備士さんによるメンテナンスの様子 

    整備士さんによるメンテナンスの様子 

  • 倉庫にずらりと並ぶ人力車

    倉庫にずらりと並ぶ人力車

また、毎日一日の終わりには、使用した人力車を俥夫さん自身で水拭きされています。一日中雨に濡れ、また次の日も雨予報だとしても、しっかりとお掃除されるそうで・・・

笹井さん 「毎日きれいにしておかないと、人力車に使用されている木が腐ったり、鉄が錆びたりしてしまいます。人力車を作っている会社は、現在飛騨高山の一軒しかなく、パーツも貴重なので1台1台を大事に整備し使用している現状です」

人力車を引いてお客様をご案内するだけでなく、管理にいたるまでが俥夫さんの大事なお仕事のようです。

■俥夫さんは最初からみんなハツラツとしている?

もうひとつ気になっていたこととして、俥夫さんといえば、お話し上手で体力に自信のある“ハツラツとした方”が多いような印象ですが、求人の時点でそういう方が多いのでしょうか。

笹井さん 「いえいえ、そんなことはありません。逆にそういうタイプはひとりもいません。うまく言葉がでなかったり、体力に自信がなかったり・・・ “変わりたい、成長したい”という純粋な思いで応募してくれる子が多いです」

なんとも意外なお答え・・・ 新しく入った俥夫さんは2ヵ月の研修を終えたあと、ひとりでお客様をご案内することになります。

笹井さん 「実は、人力車が走る道中には、黒子のように人力車を見守るスタッフが6・7人います。人力車の到着時間なども把握していて、何かあったときにはすぐに対応しますので、新人であっても安心してご乗車くださいね」

お客様の安全を第一に。人力車を通してお客様と向き合うことにより、新人俥夫さんはどんどん成長していくのだそうです。

笹井さん“ちょっとでいいからお客様の期待を超える”。その“ちょっと”を大事にしている子ほど成長が早いです」

■人力車の魅力とは?

最後に人力車の魅力とは? 笹井さんのお話にこのようなエピソードがありました。

笹井さん 「社員旅行の行程で人力車に乗車された男性が、しばらくして奥様とふたりでお越しになったんです。“楽しかったから今度一緒に行かへんか”となったそうで」

人力車に一度乗れば、その魅力を誰かと共有したくなる。そして、またひとりファンが増えていく。
嵐山で創業してから約30年。「こうして人力車が京都に根付くようになったのか・・・」と、初めて感じることができました。俥夫さんひとりひとりが“地域の観光大使”という認識をもち、お客様の旅を楽しいものにできるよう、日々精進されています。ぜひ一度、人力車に乗車してみませんか?

「花咲く京都キャンペーン」で、花咲く人力車が登場中!

  • 花咲く人力車(乗車用)

    花咲く人力車(乗車用)

  • 花咲く人力車モニュメント(写真は二尊院のイメージ)

    花咲く人力車モニュメント(写真は二尊院のイメージ)

現在、JR東海で開催中の「花咲く京都キャンペーン」では、花をあしらった「そうだ 京都、行こう。」オリジナルデザインの人力車が登場しています! 詳しくは、下記特設ページをチェックしてみてください♪

\嵐山・東山エリアで“花咲く人力車”走行中! モニュメントも登場!/
⇒「花咲く京都キャンペーン」の詳細はこちら

■えびす屋 京都嵐山總本店
【営業時間】9:30~日没(季節により変動あり)
【定休日】無休
【1名様の料金例】1区間(12分)4,000円、30分貸切9,000円など
【電話】075-864-4444
【主な乗り場】渡月橋北詰(Google map
【公式ホームページ】https://ebisuya.com/branch/arashiyama/
【公式Twitter】https://twitter.com/ebisuyacom
【公式Instagram】https://www.instagram.com/ebisuya_arashiyama/

■えびす屋 京都東山店
【営業時間】10:00~日没(季節により変動あり)
【定休日】無休
【1名様の料金例】1区間(12分)4,000円、30分貸切9,000円など
【電話】075-533-0444
【主な乗り場】一年坂 高台寺前(Google map
【公式ホームページ】https://ebisuya.com/branch/higashiyama/
【公式Twitter】https://twitter.com/ebisuyacom
【公式Instagram】https://www.instagram.com/ebisuya_higashiyama/
※掲載内容は2023年3月22日時点の情報です。最新情報は掲載先へご確認ください。

Written by. オパン

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