装い新たに! 一保堂茶舗 京都本店で楽しむお茶のあれこれ

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外観

外観

寺町二条にあるお茶の老舗、一保堂茶舗 京都本店。改装工事のため昨年(2023)の夏より休業していましたが、12月15日(金)に晴れてリニューアルオープンを迎えました。お店の方の言葉を借りるなら「一見変わらないようで、少し使い勝手が良くなった」という京都本店について、たっぷりと魅力をご紹介します♪

創業300余年の由緒ある老舗

まずは簡単に歴史を紐解きましょう。今から約300年前にお茶や陶器などを扱う「近江屋」として創業し、現在の屋号となる「一保堂(いっぽどう)」を宮中の山階宮から賜ったのが弘化3年(1846)のこと。「一保堂」には「茶一つを保つように」という心が込められており、以来、お茶ひとすじの道を極めて、たくさんのファンに愛され続けています。
 
京都本店が建てられたのは、元治元年(1864)に起きた「蛤御門の変」のあと。築150年近くになる建物のため、このたびのリニューアルは耐震補強も大きな目的だったそうです。

京都本店でお茶を買う楽しみ

売り場

売り場

売り場は床や什器が入れ替えられたものの、趣のある雰囲気は従来のまま。暖簾をくぐった先に広がるカウンターは、京都本店おなじみの光景です。
 
とはいえ、初めて訪れたときは「老舗のお茶屋さん」の風格に身構えてしまうこともありました。その思い出をスタッフさんに伝えてみると「商品選びに迷ったときは、お茶の好みから気軽にお話しください」とのこと。淹れ方に自信がない場合は、売り場の隣に併設された「つぎの間」でレクチャーもしていただけます。プロに聞けば、お茶への理解がいっそう深まりそうです。
 
とりあえず品揃えを確認したいという方は、カウンターの天井近くに掲げられた「銘柄表」をご覧ください♪ 抹茶、玉露、煎茶、番茶の4茶種、約30銘柄がリストアップされていますよ。
  • お茶壷

    お茶壷

  • 大きなお茶缶

    大きなお茶缶

お茶を買い求める間に、少し周りにも目を向けてみてください。「いつからあるか分からないほど古い」というお茶壷やお茶缶がずらりと並ぶさまは壮観です。

さりげなく飾られている季節の花にも老舗の心配りが感じられます。京都本店ならではの空気感も、買い物するうえで楽しみのひとつです。

おすすめのお買い物

煎茶「芳泉」小缶

煎茶「芳泉」小缶

一保堂茶舗を紹介するWEBサイトや雑誌などで、こちらの缶をよく見かけませんか。印象的なラベルは、明治時代にお茶を輸出していた頃に使われていたデザインと伝わり、いまでは玉露と煎茶の缶にのみ貼られています。

パッケージ好きなら、ラベル缶とともにおすすめしたいのが包装紙です。風合いの良い和紙に世界初のお茶の専門書「茶経」が印刷され、周りに“一保堂”の印が散りばめられています。お店の方によると、昭和37年(1962)頃から使われはじめた定番の包装紙だとか。
  • 手際の良い包装

    手際の良い包装

  • 出来上がり!

    出来上がり!

贈り物でも、自分用でも、希望すれば商品を包んでいただけます。個人的には丸い缶の芸術的な包みがお気に入り。
  • ドリップティーバッグ 6枚入1,296円

    ドリップティーバッグ 6枚入1,296円

  • はじめの一保堂(抹茶スターターキット) 7,700円

    はじめの一保堂(抹茶スターターキット) 7,700円

茶葉を缶入りで買うのは少しハードルが高いという方には、ドリップティーバッグはいかがでしょう。以前より三角茶袋のティーバッグが人気を集めていましたが、さらに香りが際立つドリップティーバッグが2022年に発売されました。
 
また、抹茶ライフを始めるためのキットがひと揃いになった「はじめの一保堂」が、発売より20年の月日を経て2023年10月にリニューアル。抹茶茶碗、茶筌、一杯分の量が入った抹茶スティック10本に、基本的な点て方やアレンジレシピを掲載した栞付きで、贈り物にも重宝しそうです。

喫茶室でお茶と向き合うひとときを

喫茶室 嘉木

喫茶室 嘉木

リニューアルによって、もっとも装いを新たにしたのが「喫茶室 嘉木(かぼく)」です。テーブルと椅子以外は天井から床まですべて新調されたそうで、よりモダンな雰囲気になったように感じられました。
  • 寺町通に面した座席、通称「寺町の間」の天井は雲をイメージした装い

    寺町通に面した座席、通称「寺町の間」の天井は雲をイメージした装い

  • カウンター席の衝立は、薄いガラスが幾重にも重ねられています

    カウンター席の衝立は、薄いガラスが幾重にも重ねられています

  • 隙間なく貼り合わされた美しいタイル

    隙間なく貼り合わされた美しいタイル

設計者は東京丸の内店も手掛けた無有建築工房。構想は数年におよび、一保堂茶舗のスタッフ皆さんの想いも随所に汲み取られているといいます。座る場所、時間によっても雰囲気が変わるため、何度も足を運びたくなる装いです。

特撰煎茶(お菓子付き)1,980円 ※和菓子は季節によって変わります

特撰煎茶(お菓子付き)1,980円 ※和菓子は季節によって変わります

メニューは、抹茶、玉露、煎茶、極上ほうじ茶など、さまざまなお茶をラインアップ。平成7年(1995)に喫茶室ができて以来、一保堂茶舗では“体験型”を大切にされているのも特長です。
  • お茶と和菓子に加え、急須、熱湯の入ったマグボトル、お茶を蒸らす時間を計る時計がセットされます

    お茶と和菓子に加え、急須、熱湯の入ったマグボトル、お茶を蒸らす時間を計る時計がセットされます

  • お湯を茶器に移して冷まします

    お湯を茶器に移して冷まします

  • 適温になったら急須へ一気に注ぎます

    適温になったら急須へ一気に注ぎます

体験では実際に自分でお茶を淹れられます。煎茶や抹茶、いずれのメニューも体験可能で、不慣れであってもスタッフさんが丁寧に手順を説明してくれるので、ご安心を。

最後の一滴まで!

最後の一滴まで!

一煎目からプロが淹れた美味しいお茶をいただくこともできますが、お湯の温度に気を配ったり、小さな急須を使って何煎も淹れたり、お茶に丁寧に向き合う時間は心地良さすら感じます。
 
「一煎目はプロにお願いして、二煎目は自分で」というスタイルにも対応していただけますので、自由に自分好みのお茶のひとときをカスタマイズしてみて。

室内を飾る掛け軸や絵も定期的に変わります

室内を飾る掛け軸や絵も定期的に変わります

テイクアウトもエンターテイメント!

「喫茶室で長居するほどの時間はないけれど、少しくらいお茶の時間を楽しみたい!」という方は、テイクアウトメニューをいかがでしょう。2010年よりお茶のテイクアウトを提供されていますが、リニューアルに伴い、テイクアウト用に半円形のカウンターが新たに設置されました。
茶釜では抹茶を、奥のキッチンでは急須を使うお茶を淹れる様子が拝見できます。まさに、点てたて、淹れたてを味わえる幸せ。待つ時間もエンターテイメントにしてしまうなんて、さすが一保堂茶舗です。

“森のお茶会”をテーマにしたカップもかわいい♪

“森のお茶会”をテーマにしたカップもかわいい♪

もっと、もっと、お茶の世界へ!

リニューアルを経て、以前に増してお茶の楽しみ方に出合える場所になったように感じました。さらに深く学びたいという方は、2階で開催されている教室がおすすめ。今後のスケジュールは公式ホームページに掲載されますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
 
■一保堂茶舗 京都本店
【営業時間】10:00~17:00(喫茶ラストオーダー16:30)
【定休日】第2水曜日、年末年始
【電話】075-211-4018
【アクセス】地下鉄東西線「京都市役所前駅」から徒歩約5分 Google map
【公式ホームページ】https://www.ippodo-tea.co.jp/

\お茶に欠かせない和菓子の魅力をご紹介/
⇒旅のおともに、京都の和菓子
※掲載内容は2024年1月19日時点の情報です。最新情報は掲載先へご確認ください。

Written by. 「そう京」編集部

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