お酒のまち・伏見。「月桂冠大倉記念館」がリニューアルオープン

  • 体験

日本有数の酒どころ・伏見で創業して以来、380年以上の歴史を誇る「月桂冠」。いわずと知れた日本を代表する日本酒メーカーのひとつです。月桂冠のこれまでの歩みや伏見の酒造り、日本酒の文化について学べる「月桂冠大倉記念館」が、2024年2月にリニューアルオープン。新しくなった館内や体験をご紹介します。
  • 外観

    外観

  • 道沿いに酒蔵が続きます

    道沿いに酒蔵が続きます

  • 濠川沿いからの眺めは伏見を代表する風景

    濠川沿いからの眺めは伏見を代表する風景

「月桂冠大倉記念館」は、寛永14年(1637)に創業した月桂冠の功績や歴史、文化などを広めるため、創業350年にあたる昭和62年(1987)から一般公開されています。
  • 受付

    受付

  • 待合スペース

    待合スペース

  • 天井には立派な梁が組まれています

    天井には立派な梁が組まれています

建物は、明治42年(1909)築の瓶詰工場をリノベーション。当時から残る梁も見応えがあります。
今回のリニューアルで生まれ変わったエントランスは、スタイリッシュな印象。月桂樹の葉があしらわれた大きなロゴマークが存在感を放っています。また、和のしつらえの待合スペースが新たに設けられました。

記念館ホール

記念館ホール

受付を済ませて中に入ると、左側に記念館ホールがあります。ここでは月桂冠の酒造りなどを紹介する映像が流れており、最初に立ち寄るのがおすすめ。酒造りについて学んでから展示室へ向かいましょう。

創業から現代までの歴史を知る「南展示室」

  • 月桂冠の歩みを紹介

    月桂冠の歩みを紹介

  • 創業当時の屋号「笠置屋(かさぎや)」を記した通い徳利

    創業当時の屋号「笠置屋(かさぎや)」を記した通い徳利

  • 伏見の町の歴史についても学べます

    伏見の町の歴史についても学べます

展示室は南と北の2つあり、先に訪れるのは南展示室。こちらでは、月桂冠の創業から現在に続く挑戦と創造の歴史を写真や貴重な史料とともに紹介しています。
  • 明治43年(1910)に発売したコップ付きの瓶

    明治43年(1910)に発売したコップ付きの瓶

  • 大正4年(1915)サンフランシスコ万博に出品した欧風デザインの瓶

    大正4年(1915)サンフランシスコ万博に出品した欧風デザインの瓶

  • 大倉恒吉を紹介する展示スペース

    大倉恒吉を紹介する展示スペース

特に、月桂冠を全国区にした立役者で「中興の祖」と呼ばれる11代目当主、大倉恒吉の功績が大きく紹介されています。恒吉は明治42年(1909)、酒造りを科学的に解明し、高品質な酒を安定して供給できるよう、民間で初めて酒造研究所を創設した人物。現代では当たり前になっている防腐剤を入れない瓶詰の商品を開発しました。

なかでも目を引いたのが、明治時代に発売されたコップ付きの瓶。当時としては珍しくデザイナーに依頼したという斬新なデザインで、現代の私たちが見てもレトロで素敵です。

昔ながらの酒造用具が並ぶ「北展示室」

北展示室では、昔ながらの酒造りを紹介し、かつて使用されていた酒造用具類を展示しています。今回のリニューアルで配置が少し変わり、作業の時系列がよりわかりやすくなりました。月桂冠の酒造用具は、6,120点が京都市有形民俗文化財の指定を受けており、その中の代表的なものを見ることができます。

広くなった「きき酒処」で試飲

きき酒処

きき酒処

展示を見終わった後は、お楽しみの試飲タイム。リニューアルに伴い、北展示室の奥にきき酒処が移され、以前の1.5倍の広さになりました。ゆっくりと楽しめるようになったと好評です。
入館の際に受け取ったお猪口とコイン3枚を使って試飲することができ、1コインで1杯飲めます。
  • ボタンを押すとお酒が出ます

    ボタンを押すとお酒が出ます

  • コインと交換で持ち帰ることができます

    コインと交換で持ち帰ることができます

試飲できるお酒は約10種類。月桂冠で長く愛される伝統の味をはじめ、記念館の限定酒や近畿地区限定販売酒、季節限定酒など幅広くラインナップ。好きな3種類を選んで飲み比べしましょう。
試飲しない場合は、コイン3枚で持ち帰り用のお酒(ミニボトル)、コイン1枚でミネラルウォーターと引き替えできます。

名水「さかみづ」と中庭

きき酒処の外には、桃山丘陵の地下水を汲み上げた井戸があります。酒造りに欠かせないこの水は、創業当時から湧き出る「さかみづ」と呼ばれる名水。やわらかい口当たりの中硬水で、鉄分が少なく酒造りに適しているため、現在も隣接する酒蔵で醸造に使用しているそう。館内見学の方は自由に飲むことができます。
  • かつて酒造用具を天日干ししていた中庭

    かつて酒造用具を天日干ししていた中庭

  • 内蔵酒造場

    内蔵酒造場

  • 内蔵酒造場入口の杉玉

    内蔵酒造場入口の杉玉

井戸のそばに中庭があり、こちらも館内見学の方は自由に出入りできます。記念館の向かいにあるのは、現在も但馬流の杜氏のもと、昔ながらの酒造りを行う内蔵酒造場(非公開)。
中庭は、かつて酒造りに用いた木桶などを乾燥させていた場所で、現在も内蔵酒造場で使用した酒造道具や布類を干しています。

月桂冠ブランド勢ぞろいのショップ

  • 店内

    店内

見学の最後は、洗練された空間に生まれ変わったショップでお土産探し。月桂冠のさまざまな銘柄が勢ぞろいしています。

左:「内蔵純米大吟醸しぼりたて生原酒」300ml 1,650円、右:「笠置屋 山田錦大吟醸」720ml 4,950円

左:「内蔵純米大吟醸しぼりたて生原酒」300ml 1,650円、右:「笠置屋 山田錦大吟醸」720ml 4,950円

おすすめは記念館でしか買えない限定酒「内蔵純米大吟醸しぼりたて生原酒」。内蔵酒造場で醸造されたしぼりたての生原酒をそのまま瓶詰めしたフレッシュなお酒です。華やかな吟醸香とすっきりとしたキレの良さが特徴の「笠置屋 山田錦大吟醸」も、記念館と公式オンラインショップでしか購入できない商品。

きき酒処で試飲できるお酒はすべて揃っているので、気に入ったお酒があればお土産にいかがでしょうか。

■月桂冠大倉記念館

【開館時間】9:30~16:30(受付終了16:00)※公式ホームページにて事前予約可
【休館日】8月13日~16日、12月28日~1月4日、ほか臨時休館日
【入館料】600円(きき猪口のお土産と3種類のきき酒付)
【電話】075-623-2056
【アクセス】京阪本線「中書島駅」から徒歩約10分 Google map
【公式ホームページ】https://www.gekkeikan.co.jp/enjoy/museum/
※掲載内容は2024年6月10日時点の情報です。最新情報は掲載先へご確認ください。

Written by. 「そう京」編集部

おすすめコンテンツ