“底冷え”で知られる寒さ厳しい京都の冬には、身体を温めてくれる“あったかグルメ”が欠かせません。そのひとつが「蒸し寿司」。関西以外にお住まいの方にはあまり馴染みがないかもしれませんが、京都の冬の風物詩として昔から愛される味です。字のごとく温かい寿司とはどんなお寿司なのでしょう。祇園にある京寿司の老舗「千登利亭(ちどりてい)」を訪ねました。
千登利亭は明治32年(1899)、押し寿司のほかに麺類などを出す食堂「ちどり亭」として創業。終戦後に京寿司の専門店になり、現在は4代目主人の白子長和さんが暖簾を守ります。
京寿司の文化を知る
「京寿司」は、海から離れている京都市内で生まれた保存性の高い寿司のこと。生の魚が手に入りにくかったため、汐鯖やハモなど生命力の強い魚を塩や酢で締めて加工し、保存のきく棒寿司や箱寿司に仕立てたといいます。大阪の箱寿司や押し寿司とともに「関西寿司」と呼ばれていますが、なかでも鯖寿司は京都独自の食文化として発展していった京寿司の代表的な一品。千登利亭の名物でもあり、古くから愛されています。
現在、寿司といえば江戸前の“にぎり”が主流ですが、それは京都では戦後になってからのこと。京寿司は握らずに職人の細やかな手技を生かし、手間ひまかけて作ります。そのため近年は伝統の技を守り継ぐ職人が減り、京寿司を提供するお店は少なったそう。今は、「京都寿司のれん会」に加盟する17店舗の京寿司の老舗が伝統と文化を守り継いでいます。
冬限定!「蒸し寿司」をいただきます
そんな京寿司の老舗で、冬になると提供されるのが「蒸し寿司」。
一見、ちらし寿司のように見えますが、注文を受けてから蒸し上げるほかほかのお寿司。単にちらし寿司を温めているのではなく、温かいお寿司としておいしく味わえるように工夫されているのが特徴です。
いつ頃から、どのような経緯でできたかは諸説あるそうで、レシピもお店によって異なります。
一見、ちらし寿司のように見えますが、注文を受けてから蒸し上げるほかほかのお寿司。単にちらし寿司を温めているのではなく、温かいお寿司としておいしく味わえるように工夫されているのが特徴です。
いつ頃から、どのような経緯でできたかは諸説あるそうで、レシピもお店によって異なります。
千登利亭では注文を受けてから蒸し上げていきます。器ごと蒸すため、寿司飯も錦糸卵もふっくら仕上がるそう。先に寿司飯を7分ほどかけて蒸し、蓋を開けて、錦糸卵、味の染み込んだシイタケ、もみじ麩をのせて、再び5分ほど蒸すと「蒸し寿司」の完成です♪
錦糸卵の下に隠れているのは、兵庫・明石産の焼き穴子と、穴子からとったタレを酢飯にまぶし、炊いたかんぴょうやシイタケ、キクラゲを刻んで入れた寿司飯。醤油と砂糖で味を調えた、少し甘めの味付けになっています。穴子の脂が酢飯と絡んでコクを生み、錦糸卵とのバランスが絶妙です。
口に運べば、じんわりと体に染み渡るようで心が緩み、ほわほわあったかな気持ちになる京の名物。ぜひ寒い冬にこそ味わってみてくださいね。
■千登利亭
【営業時間】11:00~17:00
【定休日】木曜、水曜不定休
【電話】075-561-1907
【アクセス】京阪本線「祇園四条駅」から徒歩約5分 Google map
【公式ホームページ】https://chidoritei.jp/
【公式Instagram】https://www.instagram.com/chidoritei_kyoto/
口に運べば、じんわりと体に染み渡るようで心が緩み、ほわほわあったかな気持ちになる京の名物。ぜひ寒い冬にこそ味わってみてくださいね。
■千登利亭
【営業時間】11:00~17:00
【定休日】木曜、水曜不定休
【電話】075-561-1907
【アクセス】京阪本線「祇園四条駅」から徒歩約5分 Google map
【公式ホームページ】https://chidoritei.jp/
【公式Instagram】https://www.instagram.com/chidoritei_kyoto/
※掲載内容は2024年12月25日時点の情報です。最新情報は掲載先へご確認ください。