春の京都アート旅。「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2025」へ行こう!

  • イベント・歳時

桜のシーズンが終わりに近づく頃、京都で幕が上がる「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」。京都市内各所の会場で行われる“写真に特化した芸術祭”で、今年も約1ヵ月にわたり開催されます。暖かな陽射しに包まれる春、京都散歩を楽しみながらアートに浸ってみませんか。

「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」とは?

Chichén Itzá, Mexico, 2002 © Martin Parr/Magnum Photos

Chichén Itzá, Mexico, 2002 © Martin Parr/Magnum Photos

「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」は2013年にスタートし今年(2025)で13回目を迎える、日本では数少ない国際写真祭です。世界屈指の文化芸術都市・京都での開催とあって、お寺や町家の歴史的建造物、モダンな近現代建築など京都ならではの空間で楽しめるのも魅力のひとつ。なかには通常非公開の会場もあります。

今年のテーマは「HUMANITY」。国内外より13組のアーティストが参加し京都市内14会場で、戦争、ジェンダー、アイデンティティ、感情、コミュニティ、つながり、自然、痛み、愛など、さまざまな視点で探求した作品の数々をお楽しみいただけます。会場には「有料会場」と「無料会場」があり、全てめぐるなら有料会場に1回ずつ入場できる「パスポートチケット」がおすすめ。その他、単館チケットもあります。チケットの詳細はこちら。

まずはインフォメーションセンターへ

  • インフォメーション町家

    インフォメーション町家

  • マップで気になる会場をチェック!

    マップで気になる会場をチェック!

イベントを楽しむため、まずはインフォメーションセンターを訪ねましょう。京都市内3ヵ所に開設されていて、チケット購入をはじめ、イベントに関する情報や周辺の観光・交通情報を知ることができます。気になることは気軽にスタッフさんに聞いてみてくださいね!
  • 歴代の公式カタログなどが置かれているので、ゆっくりご覧ください

    歴代の公式カタログなどが置かれているので、ゆっくりご覧ください

  • グッズコーナー

    グッズコーナー

  • レンタサイクルでめぐるのもおすすめ

    レンタサイクルでめぐるのもおすすめ

3ヵ所のなかでもメインとなるのが、八竹庵(旧川崎家住宅)にあるインフォメーション町家です。大正15年(1926)築の京町家(京都市指定有形文化財)で、贅を尽くした和洋折衷の室内が特徴。波打ガラスの向こうにはお庭が広がり、京都をたっぷり感じられます。館内ではコンシェルジュデスクのほか、歴代公式カタログなどの関連書籍やグッズを取り揃えたショップを開設。パスポートチケットの購入者には、レンタサイクルの無料貸出も行われています。
  • 「The Logic of Truth」の展示風景

    「The Logic of Truth」の展示風景

  • 普段目にする機会が少ないパレスチナの暮らしを、作品を通して知ることができます

    普段目にする機会が少ないパレスチナの暮らしを、作品を通して知ることができます

  • 「Komorebi」の展示風景

    「Komorebi」の展示風景

  • 室内から茶室を望む

    室内から茶室を望む

  • 金属のワイヤーで磁器が結ばれています

    金属のワイヤーで磁器が結ばれています

メインプログラムの会場でもあり、2階では「The Logic of Truth」(アダム・ルハナ)、蔵では「リトル・ボーイ」(土田ヒロミ ほか)をご覧いただけます。さらに茶室で展示されるインマ・バレッロのスペシャルインスタレーション「Komorebi」も見逃せません。八竹庵だけでも見どころが豊富で、じっくり過ごしたくなります。

ガイドマップを手に、さぁ出かけましょう!

ガイドマップを手に、さぁ出かけましょう!

■インフォメーション町家
【営業時間】10:00~19:00
【場所】八竹庵(旧川崎家住宅)
【アクセス】地下鉄烏丸線「烏丸御池駅」から徒歩約8分 Google map

■JR京都駅インフォメーションセンター
【営業時間】10:00~17:00
【場所】京都駅ビル駅前広場
【アクセス】JR「京都駅」からすぐ Google map

■TIME’Sインフォメーションセンター
【営業時間】11:00~19:00
【場所】TIME’S
【アクセス】地下鉄東西線「京都市役所前駅」から徒歩約5分 Google map

ここからは「そう京」スタッフが実際に訪れ、気になった会場と作品の一部をご紹介します!

JR「JR クロニクル京都 2024」
京都駅ビル北側通路壁面

  • 縦約5メートル横約22.55メートルを誇る写真壁画

    縦約5メートル横約22.55メートルを誇る写真壁画

  • 多様な人々と京都の風景をコラージュ

    多様な人々と京都の風景をコラージュ

  • QRコードを読み取ると、作品に写る人々の声が聞けます

    QRコードを読み取ると、作品に写る人々の声が聞けます

  • この看板が目印。作品は「京都駅」烏丸中央口を出てすぐの通路壁面にあります

    この看板が目印。作品は「京都駅」烏丸中央口を出てすぐの通路壁面にあります

京都旅の始まりとなる「京都駅」で迎えてくれるのは、巨大な写真壁画! フランス出身のアーティストJRが手がけた「JR クロニクル京都 2024」です。

2024年秋、JRと彼のチームは京都駅前や鴨川デルタなど京都市内8ヵ所に移動式のスタジオを構え、様々なコミュニティに声をかけポートレートを撮影。舞妓、茶人、僧侶、職人・・・ 年齢もバックグラウンドも異なる505人の写真は京都の風景とコラージュされ、写真壁画となりました。現在の京都における人々の関係性や多様性を垣間見ることができる、まさに京都の玄関口にふさわしい作品です。ただ眺めるだけではないのが、作品のポイント。実はポートレート撮影時に、それぞれが語る自身のストーリーを録音されていて、壁画前のQRコードを読み取ると505人の声を聞ける仕組みになっています。

⇒詳細はこちら

JR「Printing the Chronicles of Kyoto」
京都新聞ビル地下1F(印刷工場跡)& 1F

  • 「Printing the Chronicles of Kyoto」の展示風景

    「Printing the Chronicles of Kyoto」の展示風景

  • ポートレートで撮影された人々

    ポートレートで撮影された人々

今回展示されているJRの作品は、京都新聞ビル地下1F(印刷工場跡)& 1Fの「Printing the Chronicles of Kyoto」を鑑賞することで、さらに楽しめます。会場は3つに分かれ、1つ目の部屋ではポートレートで撮影された人々の切り抜きがズラリ! 背景は撮影が行われた日付の新聞用紙で、新聞社ならではの展示になっています。続いての部屋は、メイキング映像(約8分)の上映。制作秘話を知ることで、より作品に引き込まれていきます。

子供から大人まで10人が登場します

子供から大人まで10人が登場します

最後に待ち受けるのは、驚きの展示空間! 暗闇のなか、ポートレート撮影者から選ばれた10人が“立体的な巨人”となって登場し、それぞれが語るストーリーが流れます。高さは8~9メートルほど、ねぶた祭からインスピレーションを得たという作品です。ここは2015年まで輪転機が稼働していた印刷工場跡。今もなおインキの香りが漂う特異な空間で人々の声に耳を傾ける、まるでリアルな新聞に触れているようです。

夷川通側に入口があります

夷川通側に入口があります

京都新聞ビルは地下鉄烏丸線「丸太町駅」から徒歩すぐ。7番出口を出て、南側の夷川通に面した入口から会場へ入ります。受付で配布される「クロニクル新聞」を読みながら、展示を楽しみましょう。

⇒詳細はこちら

レティシア・キイ「A KYOTO HAIR-ITAGE」
出町桝形商店街 — DELTA/KYOTOGRAPHIE Permanent Space

  • 見上げると、個性豊かな作品が並びます

    見上げると、個性豊かな作品が並びます

  • 髪が果物籠になっています♪

    髪が果物籠になっています♪

  • “大きな魚”の奥には、髪を包丁に見立てたキイの姿が!

    “大きな魚”の奥には、髪を包丁に見立てたキイの姿が!

  • 出町桝形商店街

    出町桝形商店街

レティシア・キイは、コートジボワール出身のアーティスト。自身の髪をまるで彫刻のように用いて、アフリカ人女性の髪の美しさと文化的意義を探求されています。キイは2024年12月、2週間にわたる京都滞在のなかでお寺やお茶屋、料亭などを訪れ、日本の風景や文化を表現した「A KYOTO HAIR-ITAGE」を作り上げました。

会場となるのは、鴨川デルタのほど近くにある出町桝形商店街。約164メートルのアーケードを見上げると、思わず笑みがこぼれる作品が! 鯖寿司で有名なお店の付近には魚釣りの姿、青果店の付近には籠に果物をつめる姿など、商店街とリンクしたような展示風景も楽しいですね♪
  • DELTA 内観

    DELTA 内観

  • DELTA 外観

    DELTA 外観

商店街の一角にある「DELTA/KYOTOGRAPHIE Permanent Space」にも展示され、コーヒーを飲みながら作品鑑賞ができます。祇園四条の「ASPHODEL(アスフォデル)」では彼女の代表作を楽しめるので、あわせて立ち寄ってみて。

⇒詳細はこちら

マーティン・パー「Small World」
TIME’S

  • 「Small World」の入り口

    「Small World」の入り口

  • 世界各地で賑わう人気観光地の風景

    世界各地で賑わう人気観光地の風景

  • ピサの斜塔を受け止めようとする定番ショット。視線を変えると、その姿にクスッと微笑んでしまいます

    ピサの斜塔を受け止めようとする定番ショット。視線を変えると、その姿にクスッと微笑んでしまいます

人々が行き交い賑わう三条通。高瀬川のほとりには、世界的に有名な建築家・安藤忠雄が昭和59年(1984)に手がけたコンクリートビル「TIME’S」がたたずんでいます。

こちらは、イギリス出身のマーティン・パーによる「Small World」の会場です。彼はレジャーや消費、コミュニケーションといったテーマを辛辣な皮肉とともに長年探求し、本展では「マスツーリズム」をテーマに世界中で撮影された作品を展示。ありふれた“バケーションショット”ではなく、“観光”という現状そのものを捉えているそう。例えば、ピサの斜塔やマチュピチュ、富士山などに誰もが憧れを抱きますが、人気スポットだけに周辺には観光客がいっぱい。そのシーンを、明るい色彩でユーモアたっぷりな作品として届けています。

会場は6つのたまり場に分割され、世界の観光地をさまよい歩くように楽しめます

会場は6つのたまり場に分割され、世界の観光地をさまよい歩くように楽しめます

「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2025」開幕に先駆けて、来日したマーティン・パー。桜シーズンで賑わう京都各所の観光地をめぐり撮影し、その写真は最新作としてプロジェクション上映されています。撮影したばかりの“京都観光のいま”もぜひご覧ください。

⇒詳細はこちら
  • TIME’S 外観

    TIME’S 外観

  • 目の前を流れる高瀬川

    目の前を流れる高瀬川

  • 「土を継ぐ—Echoes from the Soil」(𠮷田多麻希)の展示風景

    「土を継ぐ—Echoes from the Soil」(𠮷田多麻希)の展示風景

  • 「Kurasu Kyoto」のポップアップカフェもあります

    「Kurasu Kyoto」のポップアップカフェもあります

TIME’Sはインフォメーションセンターのひとつ。インフォメーション・ショップのほか、1階には「土を継ぐ—Echoes from the Soil」(𠮷田多麻希)の会場や姉妹フェスティバル「KYOTOPHONIE」のラウンジ、「Kurasu Kyoto」のポップアップカフェもあり、ビル全体で楽しめます。

京都の町全体で盛り上がる写真フェスティバル!

KYOTOGRAPHIE & KG+ Digest Poster Exhibition(京都駅ビル 10階 空中経路)

KYOTOGRAPHIE & KG+ Digest Poster Exhibition(京都駅ビル 10階 空中経路)

「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2025」と同期間には、サテライトイベントとして「KG+」も開催。キャリアや世代を問わない公募型アートフェスティバルで、今年は京都市内約120ヵ所で150を超える展覧会が行われます。町中で“黄色いのぼり”を見かけたら、ぜひ立ち寄ってみて♪ 嬉しいことに入場も無料です(一部除く)。これから活躍が期待される写真家やキュレーターの作品に、触れてみましょう。

⇒KG+の公式サイトはこちら

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約1ヵ月にわたり、写真フェスティバルで盛り上がる京都の町。今回ご紹介したのは、ほんの一部となり、素敵な会場は他にもたくさんあります。1日の滞在ではもったいない・・・ ぜひ複数日に分けて、じっくりめぐってみてくださいね!

■KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭2025
【日程】2025年4月12日(土)~5月11日(日)
※会場によって時間・休館日は異なります。詳細は公式WEBサイトをご確認ください
【電話】075-708-7108(KYOTOGRAPHIE 事務局)
【会場】京都駅ビル北側通路壁面、京都新聞ビル地下1F(印刷工場跡)&1Fほか
【料金】パスポートチケット6,000円(すべての有料会場に1回ずつ入場できる便利でお得なパスポートです)、他、単館チケットや無料会場もあります
【公式WEBサイト】https://www.kyotographie.jp/
【公式Facebook】https://www.facebook.com/kyotographie
【公式X】https://x.com/kyotographie_
【公式Instagram】https://www.instagram.com/kyotographie/
\EX会員向け特別プラン/
メインプログラム全14会場を1回ずつ観覧できるパスポートチケットに、京都のコーヒーショップ「Kurasu Kyoto」とKYOTOGRAPHIEがコラボしたオリジナルドリップパック(※おひとり様につき1つ)がセットになったEXサービス会員限定プランをご用意しています。詳細は下記をチェック!
EX旅先予約EX旅パック日帰り商品
※掲載内容は2025年4月18日時点の情報です。最新情報は各掲載先へご確認ください。

Written by. 「そう京」編集部

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