日光が燦燦と降り注ぐ夏は、紫外線による髪へのダメージが気になりませんか。うるおいのある美髪への第一歩としておすすめしたいのがつばき油です。古くからつばき油を扱う「かづら清老舗(かづらせいろうほ)」を訪ね、その魅力に迫りました。
お店の歴史を紐解く
今年(2025)で創業160年を迎えるかづら清老舗は、初代の霜降栄吉さんが芝居小屋を営むかたわら、舞台用小物を扱うようになったのが起こりです。現場で蓄積されたノウハウをもとに女性の髪まわりの小物を多く手掛けるようになり、その品質の高さはやがて京都御所や宮中の女官の目にも留まるほどに。
今では、ちりめん創作の髪飾りに、かんざし、和小物など、美しさを引き立てるさまざまな商品が並びます。
看板商品「つばき油」の魅力
髪を整えるつばき油ははるか遣唐使の時代より日本の名産品で、かづら清老舗にとっても創業時からなくてはならないものでした。それを看板商品にまで押し上げたのは四代目です。
長崎県の生まれで、五島列島がつばき油の産地ということを知っていた四代目は、なんと五島列島に工場を開設! 他から仕入れるのではなく、100%純粋のつばき油を自社のオリジナル商品として作るなんて、並々ならぬ決意が伺えます。
選別の様子
品質へのこだわりは、原材料となるヤブツバキの実の収穫から。かづら清老舗では少しでもフレッシュな状態を維持するため、落ちた実は使用せず、すべて木から直接手もぎでひとつひとつ収穫しているそう。9月頃に収穫した実を天日干しして種を取り出し、形や大きさなど丁寧に選別を行います。
精油機を経て、出来上がり
絞り出した油を布と活性炭入り和紙で濾して不純物を取り除き、独自の製法によって黄金色のつばき油が完成します。
自然由来のつばき油は体に優しく、天然保湿成分のオレイン酸を約85%も含んでいるといいます。お店の方によると、美髪への近道はシャンプー前のケア。洗髪の30分から1時間前につばき油で頭皮を優しくマッサージすれば、髪から地肌へうるおいが浸透し、健康な頭皮に生まれ変わっていくそうです。
使いやすいプッシュボトルタイプ(2,310円)もあります
他にもスキンケアやネイルケアなど、全身に使えるというつばき油はまさに万能アイテム。お店の公式ホームページに、さまざまな使用方法がまとめられていますので、ぜひ参考にしてみてください。
憧れの「つげ櫛」を一緒に
つばき油の相棒といえば、つげ櫛です。髪をとかす際に静電気が発生しづらく、つばき油がしみこむことで枝毛や切れ毛も防いでくれるといいます。
さまざまな大きさのつげ櫛があります
かづら清老舗では最高級品のさつまつげ、本つげ、あかね材などの櫛を扱い、大きさも携帯用から普段使いまで幅広くラインアップしています。お店で選ぶ際はぜひスタッフさんに相談を。「くせ毛の人は、櫛の歯の間隔が広いもの」をといったように、個人の髪の性質によっておすすめのつげ櫛が変わってくるそうです。
数ヵ月ごとにお手入れすれば、何十年と使えるのもつげ櫛の魅力のひとつ。お掃除用のブラシや専用の椿油もあります。
上:新しいつげ櫛、下:長年使用したつげ櫛
長い年月をかけてつばき油がしみ込んだつげ櫛は飴色に変化していきます。自分の髪とともに櫛も美しくなっていくと思うと、手入れの時間も愛おしく感じられそうです。
つばき油の保湿力をいかした商品
つばき油の効能をいかし、2003年から新たにヘアケア、スキンケア商品が登場しました。シャンプー、ヘアコンディショナー、洗い流さないトリートメントなど、長年にわたり髪に携わってきた老舗の知恵が結集されています。
今年(2025)7月に発売したばかりの商品も。ハンドソープやボディソープは、肌に優しいというつばき油の効能を日頃から実感しているお客様のリクエストにより生まれたそうです。他にも香り成分を含んだ美容オイル「香る椿」など、現代ならではのアイテムが揃います。
日本古来のつばきの力を借りて、健康な髪とからだを目指しましょう!
■かづら清老舗 祇園本店
【営業時間】10:00~19:00
【定休日】水曜日
【アクセス】市バス「祇園」バス停から徒歩約2分 Google map
【公式ホームページ】https://www.kazurasei.co.jp/
【公式Facebook】https://www.facebook.com/kazurasei/
【公式Instagram】https://www.instagram.com/kazurasei_official/
※掲載内容は2025年8月22日時点の情報です。最新情報は掲載先へご確認ください。