一年を通してさまざまな伝統行事が行われるのも京都の魅力のひとつ。とくに5月になると葵祭に伴う神事が多数あり、上賀茂神社では毎年5日に「賀茂競馬（かもくらべうま）」が行われます。日本の競馬の発祥ともいわれる伝統ある神事で、1983年には京都市登録無形民俗文化財に指定されました。

初夏のさわやかな風を受けて、二頭の馬が境内の馬場を疾走する様子を、テントの下に設けられた観覧席から見学してみませんか。じつは神事には細やかな決め事があります。とくに勝敗にあたっては、駆け足の速さだけでなく乗り手の手綱さばきも重要です。イベントでは「らくたび・京都学講師」がガイディングレシーバーを使って鑑賞ポイントを解説しますので、初めての方もより深くお楽しみいただけます。

神事見学のあとは、賀茂川を越えて西賀茂エリアへ足をのばし、上賀茂神社とゆかりのあるスポットを訪ねてみましょう。まずは、地域の産土神として信仰をあつめる大将軍神社へ。京都市指定有形文化財の本殿は、上賀茂神社の摂社 片岡社から寛永年間に移築されたもので、なんと賀茂社関連の建築として現存最古といわれているだけに必見です。

“西賀茂の弘法さん”と呼ばれ親しまれている神光院も、創建に上賀茂神社の神職が関わっているといいます。「らくたび・京都学講師」の解説を聴き、知られざる歴史に触れてください。

伝統行事に歴史、上賀茂神社の魅力をめいっぱい感じられる絶好の機会です。