今年の初夏は、魅力的なお寺や散策道で人気の南山城当尾（とうの）エリアへ足を延ばしてみませんか。「あじさい寺」として知られる岩船寺、極楽浄土を表した庭を有する浄瑠璃寺、そして両寺を結ぶ道中に点在する石仏群を、「らくたび・京都学講師」のご案内で訪ねましょう。

初夏の岩船寺は35品種5,000株ものあじさいに彩られます。境内の美しさもさることながら、本堂に祀られている本尊の阿弥陀如来坐像や四天王立像など、平安から鎌倉時代にかけての名仏も見どころです。また、門前には当尾名物「吊り店」も。無人販売の露店に旬の野菜や漬物が吊るされていますので、お土産にお求めください。

石仏の道を進むと、永仁7年（1299）の銘文が遺る「わらい仏」や、大きな岩に阿弥陀如来と地蔵菩薩が彫られた「カラスの壷二尊」など、めずらしい石仏がお出迎え。約2.5kmの山道ですが、ゆるやかな下り坂です。講師の解説を聴きながらウォーキングを楽しみましょう。

浄瑠璃寺では池を中心に、東側に国宝の三重塔、西側に本堂である九体阿弥陀堂が建てられています。現在、国宝の九体阿弥陀如来坐像の一部は修理中ですが、代わりに秘仏の大日如来像が本堂中央の間に遷座されています。ちょうど6月20日が特別公開の最終日ですから、この機会を逃す手はありません。

自然あふれる当尾で過ごすひとときは、皆さまにとって何よりのリフレッシュになるはずです。