自然がもたらす心地の良い静寂さに包まれる三千院。初夏のお楽しみは、約1,000株以上にも及ぶあじさいです。土壌の性質から青色の花が多く咲き、爽やかな光景に癒される人が後を絶ちません。時を同じくして、草木染めから織物まで手掛ける大原工房では藍の葉の収穫時期を迎え、“藍の生葉染め”が行われます。ふたつの“青”に出合える僅かなタイミングにあわせ、大原へお越しになりませんか。

まずは、大原工房で体験を。“藍の生葉染め”は摘んだばかりの新鮮な葉を用いるのが特徴です。畑を見学し、手順を教わりながらシルクハンカチを染めましょう。ジャパンブルーと形容される発酵を利用した藍染めとは違い、色は三千院のあじさいにも似た美しい空色の仕上がりに。きっと、素敵な旅のお土産になるはずです。

三千院では僧侶のご案内で往生極楽院や円融蔵を中心に拝観します。往生極楽院は、国宝の阿弥陀三尊像に注目が集まりますが、かつて舟底型の天井には群青の空に天女が舞う様子が極彩色で描かれていたそうです。円融蔵に設けられた舟底型天井の復元展示とあわせ、見どころを伺いましょう。あじさい苑も解散後にゆっくりと鑑賞を。

市街地に比べて涼しい大原は、散策にもぴったりです。