福田美術館が所蔵する竹久夢二の作品は、夢二と直接の親交があった故・河村幸次郎氏(下関市立美術館名誉館長)が収集した「旧河村コレクション」と呼ばれるもので、334点の数を誇ります。誰もが一度は見たことがあるであろう、長身ではかなげな印象を持つ「夢二式美人」の数々に加え、珍しい風景画、楽譜をはじめとする数々のデザイン画や挿絵など、その内容は多岐に渡ります。誰にも師事せず、独力で人気画家の地位を築いた夢二ですが、その人生は必ずしも彼の思い描いた通りには進みませんでした。本展では、夢二の人生を語る上で鍵となる連作「長崎十二景」や「女十題」「旅」「青春譜」などの名作から、音楽とのコラボレーションが楽しいセノオ楽譜や中山晋平楽譜の表紙原画、夢二の文才が発揮された小説や俳句にいたるまで、クリエイター夢二のすべてをご紹介します。