小さな手のひらにお菓子をのせてもらったときのうれしさ。ご褒美という甘美な響き……。大人になると人からご褒美をもらえる機会は減ってくるから、自分へのご褒美にちょっぴり贅沢な京都旅はいかがでしょう。でも、ご褒美って何? その答えは十人十色。忙しい日々の積み重ねのなかで、ほっと息をつける時間だったり、気持ちが高揚するような体験だったり……。今回の「テーマでめぐる京都」では、観光地にとどまらない京都の魅力を「宿」「物」「食」の3つに分けてご提案。訪れることがご褒美になる場所が、きっと見つかります。
目的別のご褒美旅
特別な経験を与えてくれる宿・物・食
【料理旅館 白梅】
〜 お茶屋から料理旅館へ。古きよき京都のおもてなし 〜
京都の桜の名所のひとつに数えられる祇園白川。新橋花見小路に架かる巽橋から縄手通りまで石畳が続き、祇園らしさを感じられる人気のスポットです。その白川のせせらぎに結界のように架かるプライベートな石橋。渡った先にあるのは、失われつつある京の心と老舗の格式を守り継ぐ「料理旅館 白梅」です。初めてのお客さまは9ヶ月先までの予約が可能で、ご利用のお客さまの多くが次の予約をして宿を去られるそう。とくに桜の季節は再来のお客さまで予約がすぐに埋まります。宿と客、関係性が成熟することで受けられるサービスも深くなっていく。そんな姿にも京都らしさを感じるご褒美の宿です。
ご褒美旅の宿に「料理旅館 白梅」を推したい3つの理由
他にもあるおすすめの「宿-hotel-」
ゲストハウスみかさ 〜眠りの宿〜
宿名の「みかさ」は、スペイン語の「Mi casa tu casa」から来ているそうです。直訳すると「私の家はあなたの家」。蜂蜜色の壁や柔らかい光を放つ照明がもたらすのは、心を休める時間。「華美にならずに質の良いものを」と選んだ寝具やパジャマはmade in KYOTO。極上の眠りへと誘ってくれます。
丸福樓 〜任天堂の宿〜
日本が世界に誇る「任天堂」誕生の聖地。1930年代建築の本社と倉庫、創業者の邸宅をホテルにリノベーション。さらに1棟を新築した全4棟からなります。4棟18室はすべてに意匠が異なり、違う部屋を選んで連泊する人も。ご褒美旅ならば3食付のオールインクルーシブプランで宿を味わい尽くして。
知恩院 和順会館 〜お寺の宿〜
京都東山の山麓にある知恩院は、御廟や勢至堂の建つ上段、国宝 御影堂など中心建築の建つ中段、国宝の三門がある下段からなります。法然上人800年大遠忌(平成23年)に建て替えられた宿坊は清潔で美しく、客室には無垢材やヌメ革など上質の素材が使われています。朝のお勤めに参加して、心を整える旅に。
【うるわし屋】
〜 京都御苑の緑が映えるアンティーク店 〜
京都御苑の南、丸太町通りに店を構える「うるわし屋」。御苑の緑を映すガラス窓から、漆器や豆皿などが品よく並べられている様子がうかがえます。こちらのお店を営むのは堀内正吾さん、明美さん夫妻。別々に骨董品店を営んでいた2人が出会い、夫婦になって店を一緒にしました。店内にもっとも多く並ぶのは明美さん好みの漆塗りの器です。漆は縄文時代から使われてきた日本最古の天然塗料。木などの素地を美しく丈夫にするだけではなく、金粉や銀粉、光沢のある貝殻などを接着させる性質があります。京漆器は平安時代、優美な貴族文化のなかで生まれ、磨かれた京都の伝統工芸品。大切に扱えば何千年と使える京漆器をご褒美旅の戦利品にしてみては。
ご褒美旅のお買い物に「うるわし屋」を推したい3つの理由
他にもあるおすすめの「物-shopping-」
てっさい堂 〜一つとして同じ物はない豆皿〜
幼少期から古美術に親しんできた貴道裕子さん。初めてお小遣いで豆皿を買ったのは中学生のとき、骨董のオークションで。そこから長い時間をかけ、コツコツ収集してきた古伊万里を中心に、豆皿が店内を埋め尽くします。「同じ形、柄に見えても一つとして同じ物はない」と裕子さん。豆皿の沼にハマりそうです。
緙室sen 〜手仕事の妙を極めた革の鞄〜
扱うのは〈大切なものをいつくしみ仕舞う〉ための鞄や道具。レザーデザイナーである千原けいこさんが世界中から革を選定し、デザイン。それを熟練の職人が縫製し、形にします。格式高い鮫小紋革のバッグは3㎝四方に700あまりの細かい粒で扇型が型押しされ、手に取るとその精密さに目を見張ります。
若王子倶楽部 左右 〜教養に裏打ちされた審美眼〜
哲学の道沿いにある築130年の建物は、明治を代表する南画家であり、京都府画学校(のちの京都市立芸術大学)設立に貢献した田能村直入の寓居跡。庭のつくばいに野鳥が水浴びに訪れ、棚にはオーナーの琴線に触れた、美しい物たちが集められています。モノとの出合いに世界の広がりを感じます。
【祇園えばた】
※正しい表記は「示氏」です
〜 店主が一枚ずつ焼いてくれる極上の和牛肉 〜
織物の伝統が息づく街、西陣で町の人々から長年愛されてきた焼き肉の名店「江畑」。その次男坊として生まれ育った江畑卓弥さんが開いたお店が「祇園えばた」です。歓楽街の雑居ビルの奥深くにあり、迷わずにはたどりつけない場所。格好よくエスコートするには下見が必要かもしれません。料理人としての経験は長く、15歳から。家の手伝いに始まり、24歳で家を飛び出し海外へ。シドニーの目が回るほど忙しく、作法に厳しい焼肉店で腕を磨きました。「焼いてお出ししないと料理として不完全」と、すべてのお客さまに目が届くカウンター14席のみ。最適な焼き加減で、食べるリズムに合わせて提供してくれるスタイルが訪れる人を魅了します。
ご褒美旅の食事に「祇園えばた」を推したい3つの理由
他にもあるおすすめの「食-gourmet-」
三味洪庵 京都 本店 〜川辺の特等席でいただく蕎麦〜
自家製粉石臼挽き蕎麦と料理と酒。蕎麦はもちろん、京都の鴨を使った予約必須の鴨鍋コースには定評があります。昼下がり、川のせせらぎをBGMに蕎麦で一献。白川のせせらぎを独占できるテラス席は1日数組の予約優先です。ゆったりとした時間を過ごすにふさわしい最高の舞台を予約して、旅に出ましょう。
東華菜館 〜鴨川に鎮座するヴォーリズ建築〜
四条大橋のたもとに、そこだけ時が止まったかのようなセピア色の建物。それが東華菜館です。1926(大正15)年竣工のヴォーリズ建築であり、日本最古のエレベーターが稼働していることでも有名です。ご褒美旅ならば、フカヒレや伊勢海老などのついた特別コース『佳肴宴』で北京の宮廷料理の珍味を堪能しては。
ototo jet 〜魚を美しく食べさせる天才〜
花のように「魚を生ける」をコンセプトに、天然鮮魚を美しい一皿に仕立てます。店内での提供はディナーコースのみですが、人気の鯖の棒寿司や色鮮やかなちらし寿司、手毬寿司などは予約で受け取れます。迷路の果てのような場所にあるお店から15分ほど歩けば賀茂川の河原。贅沢すぎるピクニックです。
「京都ご褒美旅」マップ
もっとある!そう京スタッフおすすめスポット
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「物-shopping-」のおすすめ
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※写真はイメージです。
※掲載内容は2024年5月29日時点の情報です。