日本酒造りが有名な京都ですが、負けじと盛り上がっているのがクラフトビールです。日本では1994年に、マイクロブリュワリー(小規模醸造所)でのビール作りが可能になりましたが、以降京都のクラフトビールシーンも進化を遂げてきました。今では、美味しいのはもちろん、より地域性や生産者に特化する形で、オリジナリティあるビールが多数生まれています。新しい京都の味を見つけに、タップルーム(樽生が飲める場所)併設のブリュワリーや直営店をめぐる旅はいかがですか?
京都のクラフトビールづくりを知る
1.SPRING VALLEY BREWERY KYOTO【河原町・烏丸】
築約100年の京町家の暖簾をくぐると、透明なタンクに入った現在醸造中のビールがお出迎え。ここはキリンビールが手がけるクラフトビール「スプリングバレー」の西日本唯一の直営店。実は日本に最初のクラフトビール(地ビール)ブームがくる前の1980年代から、小規模醸造を行なっていたのが、今はなきキリンビールの京都工場でした。そのルーツに立ち返り、京都ならではのビール体験を提供しています。店頭には代表作「スプリングバレー 豊潤<496>」の開発にも携わったブリュワー(醸造責任者)にビアソムリエ、そしてシェフが常駐。彼らによりビールの美味しさを最大限に引き出す楽しみ方が、日々アップデートされています。
私たちのビールへの想い
2.一乗寺ブリュワリー【一乗寺】
ビールづくりを精神障害をもつ人々の社会参画の場にしたい。そんな思いの下、精神科医の高木俊介さんが2011年に作った醸造所。事前予約をすれば見学(試飲不可/購入可)もできます。ブリュワーは、醸造歴20年超の“ベテラン”林さんと、大学院では発酵学を6年間研究した“データ”型の横田さん。出自の異なる2人のタッグで生まれるビールの中には、コリアンダーやナツメグなどを使用し甘く爽やかな風味を醸す「ベルジャンウィート」や複雑な焙煎香とカカオ香が深く香る「一乗寺スタウト」など受賞歴があるものも。言葉が丁寧に選び抜かれた自作のパンフレットからも、2人のビール愛が感じられます。こちらがプロデュースする四条河原町近くのBEER PUB ICHI-YAで味わえます。
私たちのビールへの想い
3.京都ビアラボ【七条】
柳の木が立ち並ぶ高瀬川沿いで鳥獣戯画のグラスを片手に味わうビールが涼やか。だしにも似たお茶の旨味が口に広がる「かぶせ茶ホワイトエール」など、「宇治茶の郷」として知られる相楽郡・和束町の茶葉を使った茶ビール含め、常時8種のクラフトビールを樽生で楽しめます。もともと古民家再生事業をしていたオーナーの村岸秀和さんは茶農家さんとの出会いから茶ビールを作っていましたが、趣味が高じて2018年にタップルーム併設のブリュワリーをオープン。どこへ行っても人を巻き込み地域を盛り上げてきた村岸さんの元には、気の合うブリュワーやスタッフ、農家さんがどこからともなく集まります。そんな作り手の思いと遊び心あふれる自由な空気が、ビールをさらに美味しくしてくれます。
私たちのビールへの想い
100%京都産のビールを目指す K100プロジェクト
クラフトビールを味わうならココがおすすめ
京都醸造タップルーム
京都のクラフトビールブームの火付け役的存在。ベルギーとアメリカの良さを掛け合わせ「自分たちが飲みたいビールを造る」のがモットー。2022年には自然の力に委ね独自の味わいを見出す木樽長期熟成シリーズ「木霊」を発売。タップルームでは彼らの飽くなき探究心を間近に感じながらビールを味わえます。
京のSAKESORA
だしや漬物、麹、味噌などを基とした京都らしい料理を、京都のお酒といただけるお店。クラフトビールは京都府内の全ブリュワリー(2022年時点で10箇所)のものを、日本酒は16種以上の地酒を常時取り揃えるというこだわり。ラインナップは常時変わるというから、まさに一期一会のマリアージュ。
半地下/HANTICA
秘密基地のような地下空間に広がる、クラフトビール専門のビアパブ。京都や海外のクラフトビールを樽生で、常時6種から楽しめます。穴から顔を覗かせたイラストのロゴマークや「beer」のネオンサインなど、遊び心をくすぐる仕掛けがセンス良く散りばめられていて、パブ初心者でも気軽に入れます。
BEFORE9
滋賀県でかつて造り酒屋を営んでいた酒八による、国内外のクラフトビールや日本各地の地酒と創作料理を楽しめるお店。古い京町家を生かしたモダンな店内は、蔵元の復活を目指し、減少する京町家を保全したいという想いから。日本の酒文化・歴史の延長線上に自分がいる。そんな思いで味わう一杯はまた格別です。
salon&bar SAMGHA
現役の僧侶でもある羽田さんがオーナーのオーセンティックなバー。京都のクラフトビールの他にもオーナー自らがセレクトした日本ワインや国内外のウイスキーが多数あり、お酒好きにはたまらない品揃え。京町家の風情が漂う店内で、素材を厳選した自家製お菓子と共に自分と出逢う時間が過ごせます。
丹後テーブル
京丹後の名産品が集まるアンテナショップですが、実はクラフトビールの飲み比べができます。ビールは京丹後市の道の駅 丹後王国「食のみやこ」内の醸造所で造られた「TANGO KINGDOM Beer」を常備。丹波⾼原豚の自家製ソーセージや、ワンオーダーで持ち込める錦市場の商品をおつまみに、飲み比べを楽しみましょう。
新幹線でクラフトビール & おつまみ! ギフト用にも
※写真はイメージです。
※掲載内容は2022年5月19日時点の情報です。最新情報は各掲載先へご確認ください。