旅は、ただそれだけで楽しい。でも、そこにテーマがあれば、さらに印象的な旅になるに違いありません。そんな「テーマでめぐる京都」の今回のオススメは、世界にたったひとつの「自分だけ」を職人さんに作ってもらう旅。「お誂え」文化の根付いた京都で、専門的な知識を持った職人さんやお店の方との会話を楽しみながら自分だけのモノを誂える経験は、一生忘れられない旅の思い出になるはず。できあがった商品は、単なるお土産とは違い、思い入れもひとしおです。さぁ、あなたの望みをカタチに変える旅に出かけましょう。
お誂え(おあつらえ)とは
京都のお誂え品の魅力
京都には先人が積み上げてきた伝統の上に、絶えず新しい文化を培ってきた歴史があり、同時に海外から持ち込まれる新しい価値観や技術を積極的に取り入れる柔軟さがあります。だからこそ自然とクラフトマンシップに溢れる職人が集まるのです。繊細な技巧と感性を活かしたこだわりのモノづくりは、時代とともにアップデートされ、「伝統と革新」の精神は脈々と受け継がれています。ここには、「お誂え」をしたいあなたのために最高のパフォーマンスが用意されています。
京都でお誂え体験
それでは実際に、お誂え体験の旅へ出発しましょう!
もともと職人によるモノづくり文化の根付いた京都では、さまざまなジャンルでお誂えが可能です。「え? こんなものまでオーダーメイドできるの?」と驚かれたのでは? 世界にひとつしかない、自分だけにフィットしたモノを手にできる喜び、経験豊かな職人さんの含蓄ある話を伺える体験は『京都 お誂えの旅』ならではの醍醐味です。
【山田松香木店】
寒い夜道を歩くとき、鼻腔をかすめる梅の香りに春の訪れを感じるように、匂いの記憶は心の深くに刻み込まれ、時に何十年も残るといいます。もしも、世界にひとつしか存在しない自分だけの香りがあったら、その香りとともに誰かの記憶に残してもらえたら・・・。そんなロマンチックな願いを叶えてくれるのが、京都に本店を持つ「山田松香木店」です。
体験レポート
【ro-ji】
人によっては、肌身離さず身に着けるジュエリー。なかなか100%好みに合うものを見つけるのは難しいものです。京都にアトリエ兼ショップを構える「ro-ji 京都ジュエリー」は、チェーン1粒の長さまで調整してくれる細かな技術と豊富に揃う石の種類、卓越したデザインセンスで東京からわざわざ誂えにくるお客さんも多い人気店です。
体験レポート
【京都おはし工房】
「京都おはし工房」のお箸は、一見したところ非常にシンプルですが、持てばすっと吸い付くように手になじみ、シャープな箸先はごま粒1個も逃さずにつまみあげます。世界各国から100を超える材を集め、仕上げまでたった一人で行うという全国探しても例をみないお店です。「架け橋のように縁をつなぐ」と言われるお箸は、プレゼントにも最適です。
体験レポート
京都のお誂え品
一生モノとして、“清水の舞台から飛び降りる”つもりでお誂えする商品から数百円で気軽に挑戦できるお誂えまで、幅広く、奥の深い京都のお誂え。ここでご紹介しているのはほんの一部です。ほかにも「足袋」「がまぐち」「京漆器」「京コマ」などさまざまな商品を扱うお店が、お誂えの門戸を開いてくれています。まずは「衣」「食」「住」「伝統工芸」の4つのジャンルからおすすめのお店をご覧ください。
「衣」を誂える
帽子 【evo-see】
お店に並ぶ基本的な帽子20パターンから作りたい帽子を選んでお誂え。頭周り・耳から頭頂までの長さなど6箇所を計測し、100種類以上揃う生地から好みのものを選び、自分だけの帽子を作ってもらえる。ジャストフィット、ゆったり目などフィット感もお好みで。
■料金の目安:セミオーダー(基本20パターン)16,500円〜25,300円、フルオーダー 30,000円〜
※カシミヤ・レザー等の高級生地は別途料金。生地の持ち込みも可能
アクセサリー 【itono brooch】
細い糸で編んだ小花を花束のように繋げたブローチ、ピアス、イヤリング、ネックレスなどのアクセサリーをお誂え。WebやSNSで紹介されている販売商品やアトリエに並ぶサンプルを参考に、約70色の見本の糸から、色の組み合わせやカタチを決めていく。
■料金の目安:料金はパーツ+お花の数でざっくりと決まっており、オーダー料は商品代金の10%
※アトリエルーム「itono brooch」は常時オープンではないため、訪れる際は1週間以上前に予約が必要。
草履 【履物関づか】
洋装にも和装にも似合う履物のお誂え。利用シーンや好みを伝え、店主の提案をすり合わせて出来上がりイメージを固める。足の特徴がわかる数箇所を採寸。たとえば草履であれば、土台と鼻緒をそれぞれの職人が分業。店主が鼻緒をすげて足にぴったりの履物ができあがる。
■料金の目安:草履 70,000円〜 ※予約不要
「食」を誂える
懐紙 【辻徳】
懐にしのばせて「包む」「拭く」「書く」ときにさっと取り出し、品よく使える懐紙をお誂え。既製品への名入れは文字色18色と書体12種類(和文フォント6種・英文フォント6種)が選べる。フルオーダーの場合、ロゴやイラスト、家紋などを自由にレイアウト。
■料金の目安:名入れ20枚600円〜、フルオーダーの場合は別に加工手数料が必要(作業内容により異なる)
※20枚から注文可能
陶器 【うつわhaku】
京都を代表する現代陶芸作家のひろすえさん自らの手で器をお誂え。アトリエに並ぶ20〜30種類の作品を見て触れて、陶器の表面の皮膜の色や質感を感じて、好みの釉薬でオーダー。商品の釉薬の色を変えるセミオーダーのほか、1からカタチを作るフルオーダーも可能。
■料金の目安:箸置きのセミオーダー1,000円〜、フルオーダー:5,000円〜、石膏型を新しく作る場合は20,000円〜
ハーブティー 【ぷくすけ】
生活習慣や体調に合わせたハーブティーをお誂え。入眠時や寝起き、リラックスタイムなどハーブティーを飲みたいシチュエーションや悩みを伝えて、カスタマイズブレンドしてもらう。その場でテイスティングし、希望で味を調整。配合は専用レシピとして保存される。
■料金の目安:カスタマイズハーブティー30g 1,188円〜、初回のみレシピ保存料550円
「住」を誂える
アートパネル 【唐長】
およそ400年の間、日本で唯一続いてきた唐紙屋。江戸時代より先祖代々受け継ぐ板木を用いて1枚1枚手仕事でつくられる唐紙は、襖・壁紙・アートパネル、屏風などさまざまなサイズや仕様に応じてオーダーできる。
■価格の目安:襖1枚分の大きさ(幅約90cm、高さ約180cm)で50,000円台〜
※住所非公開のアトリエに特設した貴賓室にお迎えしてオーダーの打ち合わせるため、完全予約制(見学不可)。
座布団 【洛中高岡屋】
インテリアにもなる美しい座布団をお誂え。一般的な四角、丸いせんべい座布団、人気のおじゃみ(お手玉型)などの商品ラインナップから形を選び、次に約50種類の生地から色・柄を選んで組み合わせる。厚みやサイズなどの調整、座面にあわせてフルオーダーも相談可能。
■料金の目安:おじゃみ M 8,800円〜。すべて職人による手作り。セミオーダーの場合は別途お誂え費用不要
家具 【KIJIRUSHI】
机、本棚、靴箱などの一般的な家具からベビーサークルまで「木で作れるすべてのもの」がお誂え可能。サイズや機能、材質、予算など細かく相談し、見積もりと製図をもらってからオーダーへと進む。実際に設置する場所を見てもらうことも可能。
■料金の目安:都度見積もり
「伝統工芸」を誂える
扇子 【京扇子 大西常商店】
特別な日に使いたい京扇子のお誂え。京都市伝統産業技術功労者「京の名匠」の高島孝風先生がご希望に応じて絵柄を描いてくれる。入念に打合せした上で、モチーフや図案を決めて制作。モチーフの写真を持参して模写してもらうことも可能。
■料金の目安:20,000円~50,000円
つまみ細工 【京都 おはりばこ】
つまみ細工の髪飾りをお誂え。七五三や成人式などのセレモニーの装いを彩る華やかな飾りからワンポイントに使えるカジュアルなものまで数多の商品ラインナップから好みのものを参考にカスタマイズ。使う布の数、色を決め、細部のイメージまで細かく相談できる。
■料金の目安:既製品の料金+20%がお誂えの目安
※お誂えは、一回の購入合計金額が5,000円以上の場合に限る
京和傘 【日吉屋】
江戸時代後期創業の京和傘の老舗で、番傘の技術・構造を活かした照明のお誂え。既成の商品に文字入れする簡単なお誂えから、和紙に絵を描いてもらったり、和紙調の紙に希望のデザインやロゴを印刷してもらったりするフルオーダーまで幅広く対応。
■料金の目安:商品代30,800円〜、文字入れ5,000円〜、色の変更3,000円〜
※すべて事前に別途お見積もり
※写真はイメージです。
※掲載内容は2022年6月16日時点の情報です。