京都をイメージする香りといえば、「お香」を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。古くから貴族や武家を中心に愛され、華道や茶道と並ぶ日本三大芸道のひとつ「香道」として確立した歴史があります。今回は、近年、ルームフレグランスやコスメでも人気を集めるお香を中心に、京都の香りにまつわる歴史と文化に迫ります。
京都と香りの歴史
暮らしにお香をとりいれてみよう
京の香りにふれてみよう
京都でできる「香りの体験」を3つご紹介します。ご自身の旅のスタイルにあった体験をぜひお試しください。
香老舗 薫玉堂
安土桃山時代の文禄3年(1594)に創業した日本最古の御香調進所。創業者の負野理右衛門は、幼い頃から関心を抱いた香木の鑑定や研究に専念して、現在の基礎を築いたといわれています。以来、430年近くにわたり、本願寺をはじめ、全国各宗派の本山や寺院にお香を納めるほか、近年は、京都の時間や季節、情景などをテーマにした、暮らしに寄り添う香りのアイテムを取り揃えています。
体験のすゝめ
まだある!おすすめSHOP
鳩居堂
寛文3年(1663)に創業したお香と文房具の専門店。宮中で代々伝わってきた「秘伝の調香法」を伝授されたことで知られ、その調香法は一子相伝の秘密。お香作りにもその技術が存分に生かされています。
香彩堂
烏丸仏光寺に店を構えるお香のメーカー。白檀をベースに天然香料を調合した贅沢な作りのお香は、煙りを抑えた、やわらかな香り立ちが特徴。ルームフレグランスやスプレー、コスメといったアイテムも展開しています。
香老舗 松栄堂 薫習館
創業300余年の香老舗 松栄堂が京都本店横に開設した「香りの小さな博物館」。Koh-labo「香りのさんぽ」では、全身で香りを体感できる「かおりBOX」やお香の原料の香りを体験できる「香りの柱」、沈香が育まれる熱帯多雨林をイメージした「熱帯多雨林の壁」などがあり、お香の歴史や特徴、魅力を学ぶことができます。京都本店の2階にある香房では、昔ながらの製法でお線香づくりを行う様子を見学することも可能です。(無料。1週間前までに要予約)
体験のすゝめ
山田松香木店
室町時代に成立した香道は、沈香などの香木の香りを鑑賞する日本の伝統的な芸道のひとつ。そんな香道には、一定の作法に沿って香りを愉しむ「聞香」というものがあります。香りを「嗅ぐ」のではなく、心を整えて香りを「聞く」ことは、まるで神経を研ぎ澄ませて香木の息づかいを耳にしているかのよう。そんな本格的な聞香体験を楽しめるのが、江戸時代の明和9年(1772)創業の山田松香木店です。※開催曜日は公式HPの体験カレンダーを確認。予約は1週間前まで。
体験のすゝめ
香りをまとうNEWアイテム
お香以外にも京都ならではの香りを閉じ込めたアイテムもチェックしてみてください。奥ゆかしい香りは、おみやげにもきっと喜ばれるはず!
京都くろちく
京都伝統の意匠や代々伝わる知恵を巧みに取り入れた、和雑貨などのプロデュースを手掛ける京都くろちく。メイドインジャパンにこだわったハンドクリームは、日本酒やお茶など京都らしい香りを楽しめるのも魅力的です。
ギャラリー遊形
京都有数の歴史を誇る俵屋旅館で愛用されている石けんは、数十種類の天然香料を含む200種類余りの香りを独自にブレンド。きめ細かい泡とともにその香りはバスルームに広がり、残り香を愉しむことができます。
亀田利三郎薬舗
「夏は暑く、冬は寒い」京都の季節に対する知恵と老舗医薬品メーカーの技術が生んだ天然漢方スパハーブ。薬の原料として使う生薬で作った浴用剤は、リラックス効果を高めてくれる上質な香りもポイントです。
京ころん
すっかり習慣化した手指消毒。手荒れに悩む人におすすめなのが、全成分植物由来のボタニカル ハンド&マスクスプレー。京都産の檜や柚子を職人が丁寧に抽出しているだけあって、豊かな自然の香りに心癒やされます。
※写真はイメージです。
※掲載内容は2023年1月26日時点の情報です。